クラウドファンディングは成功率3割と言われます。なぜ、多くのプロジェクトが成功できないのか。その理由は、避けるべき「5つの不足」にあります。
「5つの不足」が起きる原因とその対策について、詳しく解説します。
なぜクラウドファンディングで成功することが難しいのか
クラウドファンディングは、アイデアやプロジェクトを実現するために活用できる強力なツールです。新しい商品を作りたい、社会的なプロジェクトを実現したい、あるいは独自のサービスを提供したいと考えている人にとって、クラウドファンディングは資金を集めるための新しい手段になります。
しかし、多くの人がクラウドファンディングに挑戦しようとして、いくつかの落とし穴にハマり、失敗しています。クラウドファンディング業界全体では、成功するプロジェクトは3割と言われています。3件中1件しか、成功していないのです。
クラウドファンディングを実行する上で避けるべき落とし穴とは、ズバリ「5つの不足」です。
クラウドファンディングで避けるべき5つの不足
クラウドファンディングでプロジェクトを始める際に避けるべき「5つの不足」があります。これらの5つに注意をすれば、プロジェクトを成功させる可能性が高くなるでしょう。
避けるべき不足その１ 準備不足
クラウドファンディングの成功には、きちんとした準備と計画が欠かせません。これは最も基本的なことなのに、見落とされがちな最重要ポイントです。準備なしに軽いノリでプロジェクトを始めてしまうと、後から後悔することになります。
目標金額の設定をどんぶり勘定にしない
よくあるパターンとして，目標金額を設定する際に、きちんと経費を逆算せず、高すぎる目標金額を設定してしまうことが起きがちです。
プロジェクトを始めるにあたって、どれだけの資金が必要かを明確にしましょう。「できるだけ多く資金を集めたいから、目標額は高めに設定しよう」と思うかもしれませんが、それでは現実的に目標達成が難しくなってしまいます。
逆に、小さく見積もりすぎて必要最低限の金額だけを設定してしまうと、今度は予算不足に陥る可能性もあります。目標金額は現実的で達成可能な範囲に設定することが大切です。
プロジェクト準備期間が足りない
また、期間の設定も重要です。期間が短すぎると告知や宣伝活動に時間が足りなくなりますし、逆に長すぎると支援者の関心が薄れてしまいます。目安として、60〜90日の準備期間と30～60日程度の募集期間が一般的です。実際の実行スケジュールは、自分の仕事状況なども踏まえて、プロジェクトの準備が充分に行える期間を考慮しましょう。
プロジェクト実行の準備期間について、理想的なスケジュールを別記事にまとめています。
避けるべき不足その2 告知不足
クラウドファンディングは、プロジェクトをプラットフォーム上で公開するだけでは成功しません。充分な告知活動と戦略がなければ、支援者を集めることが出来ません。特に、関係者への直接の案内や SNS を上手に活用しないと、目に見える成果は得られません。
プロジェクトの事前告知を甘く見るな
多くのプロジェクトは開始直後から告知活動を本格的にスタートするようですが、それでは充分とは言えません。
スバキリ商店では、プロジェクトが公開される前から事前に告知や案内を始めるべきという姿勢です。実際にディレクターだけでなく、フォロー担当者をプロジェクトごとに設けて、告知のサポートも行なっています。
プロジェクトの準備段階から、身の回りの人にクラウドファンディングに挑戦することを伝え、協力してくれる人を探しておきましょう。SNS での発信、ブログやYouTube、TikTok などでの告知、あるいはメルマガを利用するなどもコツコツ繰り返し行うことが重要です。
少しでも多くの人に向けて、プロジェクトの認知度を高めていくことが成功への第一歩です。
共感されることが成功を左右する
クラウドファンディングの実行において最も重要なのは、実行者の想いがターゲット層に届き、共感されることです。
どんなに素晴らしいプロジェクトでも、実行者の目的とメッセージが伝わらなければ支援は集まりません。
感情に訴えかけ、共感を得られるような実行者独自のストーリーを伝えることで、なぜこのプロジェクトが重要なのか、支援者にどんなメリットがあるのかをわかりやすく丁寧に説明して、巻き込んでいきましょう。
事前告知の重要性と段階ごとに行う行動について、詳しく知りたい人は、こちらの記事をご参考ください。
避けるべき不足その3 リターン設計の不足
クラウドファンディングで支援を多く集めるためには、リターン（見返り）の設計が非常に重要です。リターンは、支援に対して何を謝礼として返すかを具体的にしたものです。プロジェクトを応援することで得られる見返りが、支援者にとって魅力的でなければ、支援を集めることはできません。
リターンは内容と価格のバランスが重要
支援されるリターンは、支援した金額に対する得られる見返りのバランスが肝心です。
あまりにも高額に設定してしまうと、支援者が「これを支援する価値があるのか？」と疑問を感じてしまいます。
逆に、あまりにも少額で設定すると、支援者にとって「特別感」や「お得感」が薄れ、集める金額も限られてしまい目標額を達成できません。
リターン設計では、クラウドファンディング限定価格での商品提供や特典サービスを用意することが一般的ですが、必要以上に内容を盛り込んで豪華にしてしまうと、リターンの実施コストがかかりすぎて、プロジェクトの予算を圧迫する可能性があります。
喜ばれるリターンを研究する
リターン内容は、プロジェクトの規模やターゲットに合ったものに設定しましょう。いくら人気があるからといって、プロジェクトの内容や目的とかけ離れたリターンでは、プロジェクトの整合性が下がり、信用を損ねる可能性も出てきます。
また、支援者が受け取りやすいように、配送の手間や運送コストにも注意を払い、現実的に実行可能な範囲で設定することが大切です。
リターンの設計やバランスについては、それぞれ別記事にて詳しく解説しております。
避けるべき不足その4 支援者とのコミュニケーション不足
クラウドファンディングは「人と人との繋がり」が大切な要素です。支援者は単なる「お金を出してくれる出資者」ではなく、あなたのプロジェクトを支えるパートナーであり応援者です。
支援者とのコミュニケーションが不足すると、信頼関係が築けません。支援者に対して感謝の気持ちを忘れずに、定期的に進捗状況や更新を知らせる。これは、クラウドファンディングを実行する上で最も重要なコミュニケーションなのです。
活動報告の回数と内容が信用を創る
支援者への活動報告は、プロジェクトの進行状況やキャンペーンの途中経過をきちんと伝えましょう。プロジェクト実行にあたり、実行者にとって支援者がどれだけ重要な存在であるかを行動で示すことが大切です。
プロジェクトの透明性を保ち、現状を包み隠さず報告することで、支援者との信頼関係を深く強くすることができるのです。
レスポンスはなる早で
また、コメントやメッセージに対する返答を迅速に行い、支援者の意見や質問に耳を傾けることも信頼を深めるポイントです。
実行者にとって、耳が痛いコメントであっても、誠意をもって対応することが重要です。誤解を招くような表現があった場合は、丁寧に説明する姿勢をもち、相手の理解が得られるまで対応しましょう。
返答に困った場合は、プラットフォーム側に相談することも重要です。
避けるべき不足その5 目標金額達成後のフォロー不足
クラウドファンディングは目標金額に達したからといって、それで終わりではありません。資金調達を達成した後も、プロジェクトの目的を実現するまでが、プロジェクト実行期間なのです。
プロジェクトが完了しても、支援者との関係を続けるためのフォローアップが重要です。
多くのプロジェクトが目標金額を達成した後、プロジェクトに関する報告やリターンの実施が疎かになり、最終的に支援者からの信頼を失ってしまうことがあります。
支援募集終了後の報告とお礼は必須
プロジェクトの支援募集期間が終了したら、改めて感謝の気持ちを込めて支援者に対して「ありがとう」の気持ちを伝えましょう。また、支援の最終報告を行うことで支援者との関係性を確かなものにして、プロジェクトのメンバーであるという特別感を味わってもらうことも大切です。
リターンの進捗状況は最新の情報を公開する
クラウドファンディングのフォローアップとして、最も重要なのは、支援者へのリターンの進捗状況の共有です。
実は、絶対にやってはならないけれども、リターンの不履行によるトラブルは、クラウドファンディングで最も多いトラブルの一つです。
支援者が楽しみにしているリターンの発送日程や進捗について、定期的に報告を行うことが重要です。期待に応え、約束を守ることで、支援者との信頼関係を深め、今後のビジネスにもつなげていくことができます。
まとめ クラウドファンディングの成功は、避けたい5つの不足を全てクリアするべし
クラウドファンディングの成功には、入念な準備と計画、効果的な告知活動、支援したくなる魅力的なリターン、支援者や協力者との密なコミュニケーション、そして支援募集終了後のフォローアップの5つが絶対条件です。
これらの5つに対する認識不足や確認不足を避けることで、プロジェクトへの信頼を高められ、より多くの支援を集めることに繋がります。
クラウドファンディングに挑戦しようと決めたら、目的を明確にした上で計画をしっかり立て、告知案内の戦略を練り、リターンを魅力的に設計し、支援者と良好な関係を築きながら進めることが重要です。
クラウドファンディングを活用して、あなたのもつアイデアやイメージを実現するための挑戦する一歩を踏み出しましょう。
5つの不足をクリアするなら、スバキリ商店
スバキリ商店では、これまでプロデュースしてきた累計1,300件のうち、半数以上のプロジェクトを成功に導くサポートをしてきました。
今回紹介した5つの不足が起きないように、1つのプロジェクトに複数の専門スタッフを手配して、豊富な経験に基づいたサポートを行っています。
1人ではクラウドファンディングを実行しきれないとお考えの人は、ぜひ一度、毎週月曜夜に開催されるFacebookでの交流会へご参加ください。
