「エシカル消費」って聞いたことありませんか?
エシカル消費とは、人や社会、地球環境に配慮した倫理的な消費行動のこと。例えば、環境に配慮した製品を選んで購入することで、より良い社会の実現に向けて貢献できることにつながるのです。
クラウドファンディングを活用することで、環境への配慮や SDGs などの取り組みをしている製品を世の中へ送り出すことが出来ます。その具体的な戦略や成功事例について解説します。
環境に優しい暮らしを、商品づくりから応援したいあなたへ
「環境に優しい暮らしをしたい」。そう考える人は年々増加しています。
プラスチックを減らす。
再利用できるものを選ぶ。
自然由来の素材に目を向ける。
そんな行動を日常に取り入れている方に届く商品をつくることは、ただのマーケティングではなく、生活者と“想い”を共有することです。
その手段として今活用されているのが、クラウドファンディング。特にエシカル・エコ商品との組み合わせは抜群に良い相性だったりします。
プロジェクトを通じて製品の背景や想いを共有し、支援という形で共感を得ながら商品化を実現する。これが、クラウドファンディングの持つ大きな特徴です。
多くの企業がクラウドファンディングを活用して、テストマーケティングや顧客づくりをしながら、環境配慮型製品を開発しています。
クラウドファンディングで紹介できる「環境配慮製品」とは?
クラウドファンディングで注目される環境配慮製品には、以下のような特徴があります。
- 再生素材(再生プラスチック・竹・天然繊維など)を活用
- 詰め替え・繰り返し利用可能で、長寿命設計
- 製造過程におけるCO2排出削減や脱プラスチック対応
- 環境保全活動に連動(例:売上の一部を植林支援)
これらの要素を持つ製品は、「家族と地球の未来を考えて生活用品を選びたい」と願う主婦層から支持されやすい傾向があります。
エシカル製品×クラウドファンディングで成功するための3つのポイント
環境配慮目的の製品開発でクラウドファンディングに成功するために押さえるべき3つのポイントを詳しく解説します。
その① 製品の「環境貢献度」を数字と共感で伝える
消費者からの共感を集めるには、具体的な数値やメリットが欠かせません。特に、クラウドファンディングでは、「エコ」や「サステナブル」という言葉だけでは支援には繋がりにくいのです。
たとえば、
- この製品を使うと、年間で○○gのプラごみ削減に
- この素材は、従来の素材に比べてCO2排出が××%少ない
といった数字による具体的な環境貢献の見える化が信頼を生みます。
さらに「なぜこの素材を選んだのか?」という商品開発への想いもストーリーにして添えましょう。
具体的な数値と環境配慮への想い。この2つを画像や動画などでわかりやすく伝えることが、成功する重要なポイントです。
その② 支援者の心に響く『精神的な満足度が高い』リターンを設計する
クラウドファンディングで支援されるには、『精神的満足度が高い』リターン設計が必要です。製品の価値だけでなく、その製品を使うことで得られる社会貢献欲や充実感なども、消費者が支援する際の行動喚起として重要なポイントになります。
特に、環境への配慮に関心が高い層は「家族と使える」ことだけでなく、「社会に貢献している」「生活が豊かになる」ことを大切にして、商品を選んでいます。
たとえば、
- 製品+“エコライフの工夫”が詰まった冊子のセット
- 製品&1本の植樹プラン
- 子どもと一緒に学べる「環境教育キット」「体験イベント」付きプラン
といったリターンは、「この支援が誰かのためになる」、「未来のためになる」という実感を与え、普段の商品購入だけでは得られない特別感を提供します。
クラウドファンディングでも、社会問題解決プロジェクトへの支援や興味関心が年々増加傾向にあります。エシカル消費が注目されるのも、物質的な点だけでなく、社会貢献欲などの精神的な部分を満たしてくれる点が理由なのです。
支援することで、世のため人のためになる。これは「精神的満足感」を強く実感できるため、消費者が「意味ある消費」として支援を決める理由にもなります。その結果、プロジェクトへの支援を多く集められるのです。
その③ プロジェクトページは「共感&納得&応援」の順で構成する
クラウドファンディングの成功を左右するのは、プロジェクトページです。プロジェクトページの作成は「共感→納得→応援」という導線で構成しましょう。
- 共感 =「わたしの暮らしにも関係がある」と思わせるストーリー
- 納得 = 素材・製造・廃棄までの環境配慮性を数値で明確に説明
- 応援 = 現実味のある未来予想図を提示し「ぜひ応援したい」と感じてもらう
この構成が、読み手に「プロジェクトの実現=自分ごと」という認識を強め、支援につながります。
クラウドファンディングに失敗する理由は、告知を見た人が「他人事」としてプロジェクトを傍観してしまう点にもあります。情報が多すぎる今、「関係ない」と判断すればそれで終わりです。
どのジャンルでも言えることですが、支援することで自分の未来にもプラスの影響があると感じられることが、クラウドファンディングの成功には重要です。
プロジェクトを実行する目的への強い共感と、資金の使い道や全体像への納得が「応援したい!」という行動に繋がる。この導線を理解することが多くの支援を集める結果を作るのです。
エシカル製品と相性の良いプラットフォームの選び方
環境配慮型の製品を打ち出すなら、共感を重視する文化を持つプラットフォームが有効です。
- READYFOR:社会貢献性のあるプロジェクトが多く、関心が高い層に届きやすい
- CAMPFIRE:幅広いジャンルのプロジェクトに対応しており、目的の自由度が高い
- Makuake:「応援購入」という独自の表現で、テストマーケティングに強い
- MOTION GALLERY:文化・芸術系との親和性が高く、海外への発信も可能
- Kibidango:自社運営のネットショップがあり、プロジェクト成立後の継続販売がしやすい
それぞれの特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

その他にも、クラウドファンディングのプラットフォームは多数あります。製品の特性や実行する際の条件に合ったプラットフォームを選び「応援されやすい場」で、プロジェクトを実行しましょう。
手数料や得意ジャンルなどをプラットフォームごとに詳しくまとめた記事もあります。そちらもご確認ください。

エシカル製品×クラウドファンディング 3つの成功事例
スバキリ商店でプロデュースしたエシカル洗剤、エコ容器、エコ梱包のクラウドファンディング成功事例を紹介します。
成功事例その① 環境への配慮した洗剤プロジェクト
毎日使う洗剤で環境へ配慮したい。そんな思いから生まれた洗剤のプロジェクトです。

この洗剤は、「水を大切に」という視点から開発された環境配慮製品です。すすぎしなくても、衣類に洗剤が残らないという、常識を覆す画期的な点が多くの支援を集めた理由のひとつです。
植物由来100%で時短、肌に優しい。肌トラブルを抱える共働きファミリー層には、まさに「それ欲しかった!」という共感できる製品であり、21日間で全成分の7割が生分解されることが証明されたという実験結果に納得した人たちから応援された結果、目標額50万円の3倍となる150万円もの支援を集めました。
成功事例その② 災害対策にもなるエコ容器プロジェクト
使い捨て容器をエシカル製品にする。こちらは100%植物由来の完全エコ容器のプロジェクトです。

竹の繊維とキャッサバ芋のデンプン質を使い捨て容器として製品化。しかも、3か月で分解されるではだけでなく、魚のエサにもなるという高い生分解性が特徴。災害時のゴミ軽減にも役立つという「その発想はなかった!」という視点もあり、納得できる要素がわかりやすく伝えられていたのも成功の要因です。フードイベントで出店する飲食店だけでなく、環境問題に興味関心が高い多くの人から共感を集めました。
リターンにも、災害時に容器を提供できる権利という社会貢献になるリターンが用意され、精神的満足度を意識したリターン設計がされています。
製品への強い共感と納得が応援に繋がり、無事目標額100万円の支援を達成しています。
成功事例その③ エコ梱包革命プロジェクト
梱包材でエコ。梱包業界に革命を起こす目的で実行されたプロジェクトの成功事例です。

ネットショッピングでよくある「ぶかぶか梱包」。頼んだ商品に比べて、大きすぎる箱が届く。そんな経験、少なからずありませんか?
商品と梱包材の大きさが矛盾している状況を何とかしたいという目的で、一般社団法人包装環境改善協会がクラウドファンディングに挑戦。
荷物のサイズが小さくなれば、作業の効率が良くなり物流面のコストが下がる。その結果、人手不足の解決や二酸化炭素排出量の削減になり、ゴミも減る。
こうした社会問題への解決を数値を使って具体的に証明した点が、過剰包装に疑問を感じていた消費者からの共感と納得を得て、支援を集める結果となっています。
リターンでは、過去の苦労話や協会立ち上げの裏話を読み物として届けるPDFが人気を集めているのも、このプロジェクトで注目する点です。関係者からの支援に加え、企業スポンサーの大口リターン20万円が複数支援されていることからも経営者からの共感も高かったプロジェクトだと言えます。
結果としては、目標額20万の5倍となる100万円を集め、エコ梱包革命への認知度を高めることに成功しています。
環境配慮目的のプロジェクト実行でのよくある質問(Q&A)
地球に優しい製品を作って、たくさんの人に届けたい気持ちはあるが、正直、不安な点がある。そんな企業からのよくある質問2点について、Q&A形式で解説します。
Q. 環境配慮といっても、何を基準に伝えればいいの?
A.製品を開発するときに、一番重視している点をメインにし、具体的な数値を挙げて伝えることです。第三者機関での検査結果や国が定めた基準値、時間経過による変化などを「見える化」してわかりやすくしましょう。
製品のどの部分にこだわって開発をしたか、これもプロジェクトの独自性を伝える重要なストーリーです。
環境配慮と一口に言っても、どの部分が「地球に優しい」のかは製品が使用される状況や形などによってさまざまです。使っている素材、製造工程、長期使用可能性、パッケージ設計など、「どの段階でどんな配慮をしているか」が伝わると効果的です。
Q. 消費者に本当に届くの?主婦層を意識する理由は?
A. クラウドファンディングは、工夫次第でターゲット層へ届けられます。
エシカル製品の場合は、多くの消費者属性の中でも、特に主婦層を意識することが重要です。実は「主婦=家族の未来を守る購買意思決定者」です。洗濯や掃除などの家事で消費される日用品を選び、購入するのは、多くの場合主婦層だからです。
毎日の家事は、時間と戦いであり、家族の健康状態にも大きな影響があるものです。「こんな製品があったらいいな」という共感性と実用性を両立した商品は支持されやすく、レビューやSNSでも拡散されやすい傾向にあります。
最近は、アレルギーなどの理由から、子どもの健康面を重視した購入決定の傾向があります。家族の安心安全につながるエシカル製品は、主婦層が求めている精神的満足度が高い製品です。
クラウドファンディングを実行することで SNS などで認知度を高め、プロジェクト終了後にも支援者の声が拡がり続け、製品のファンとなってくれるファミリー層に届けられるのです。
まとめ:環境に優しい暮らしへの共感と納得がクラウドファンディングを成功させる
クラウドファンディングでエシカル製品が多くの人から支援を集め成功できるのは、環境に優しい暮らしをしたいという消費者からの共感と、製品が持つ効果やそれを使い続けることで得られるメリットに納得するからです。
物価高と言われる今、「安いから買う」ではなく、「意味があるから応援するために買いたい」と感じる製品にお金を出す人も増えています。
クラウドファンディングは、その“共感のスイッチ”を押すきっかけになります。
製品開発への情熱や使い続けることで起きる具体的な変化などをわかりやすく伝えることで、ずっと愛用してくれるファンと出会える。それがクラウドファンディングの本質です。
環境に配慮した製品を通じて、多くの消費者から共感を得て、未来を変える活動する企業を目指しませんか?
クラウドファンディングの活用で、環境に優しい暮らしを始める人が増える社会づくりが進んでいくことを心から応援しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
地球に優しいエコ製品クラウドファンディングの相談は、スバキリ商店へ
スバキリ商店は累計プロデュース件数1,400件を超える、豊富な実績を持つクラウドファンディングのプロ集団です。地球に優しいエシカル製品開発や環境保護活動などに挑戦する実行者さんを全力でサポートします。
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