資金繰りに悩む個人事業主必見!2025年度の補助金募集情報が解禁されました。
今回は、小規模事業者向けの補助金とクラウドファンディング、どちらが良いかという疑問について、徹底的に比較解説していきます。
両者の特徴やメリット・デメリット、そして効果的な活用法を解説し、あなたのビジネスに最適な資金調達方法を見つけるお手伝いをします。
補助金とクラウドファンディングどちらが自分に合う?
コロナ禍の影響や継続的な物価高騰により、多くの個人事業主が資金繰りに悩んでいます。
新規事業を始めたい、既存事業を拡大したい、あるいは事業を維持するために資金が必要な状況は誰しも経験するものでしょう。そんな時に検討したい資金調達方法が「小規模事業者持続化補助金」と「クラウドファンディング」です。
どちらも個人事業主にとって魅力的な選択肢ですが、あなたのビジネスの状況や目的によって最適な方法は異なります。
【2025年版】小規模事業者持続化補助金の申請条件と受給額
2025年3月5日に、中小企業庁から2025年度の公募要領が公開されました。小規模事業者持続化補助金について、まとめてみました。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営計画を作成し、商工会・商工会議所の支援を受けながら販路開拓への取り組みを支援する補助金です。地域の商工会議所・商工会が申請や相談の窓口になっています。商工会議所・商工会の会員でなくても、補助金の申請は可能です。
補助対象の経費としては、新商品の開発費用、店舗の改装、販路開拓のためのチラシ・パンフレット、ホームページやウェブ広告、展示会の出展などに対する費用が認められています。
対象となる「小規模事業者」の定義
補助金を受け取るためには、まず「小規模事業者」の定義に該当する必要があります。
- 個人事業主・フリーランス : 常時使用する従業員が5人以下
- 小売業・サービス業 : 常時使用する従業員が5人以下
- 製造業・その他の業種 : 常時使用する従業員が20人以下
小売業・サービス業のうち、宿泊業・娯楽業はその他の業種として扱われるので、常勤するスタッフが20人以下の場合は、小規模事業者になります。
補助対象となる条件
【補助対象事業者の条件】
- 小規模事業者や個人事業主等であること
- 商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること
- 法人の場合、資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接的に100%の株式を保有されていないこと
- 確定している直近過去3年分の各年、または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
補助金の窓口が、各都道府県の商工会議所や商工会なので、商工会議所の管轄内で事業を行っていれば、商工会に入っていなくても補助金の申請ができます。
逆に、上記の条件を満たしていても、対象外となる事業者もあります。
- 医師、歯科医師、助産師、医療法人
- 農協などを通じて一定の基準に基づいて農作物を出荷する個人農業、林業、水産業者
- 協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
- 一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人
- 宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人
- 申請時点で開業していない創業予定者
- 任意団体
- 卒業枠で採択され事業を実施した事業者
- 第15回公募に申請中の事業者 等
これらの事業者は、補助金の申請が出来ません。
また、事業内容に関しても、いくつかの条件があります。
- 販路開拓のための取り組みであること
- 販路開拓の取組とあわせて行う業務効率化の取り組みであること
- 商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること
- 補助事業実施期間内に補助事業が終了すること
また、対象外となる事業もあります。
- 国などが支援する他の制度と同じまたは類似内容の事業(介護福祉サービス)
- 事業の終了後、1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
- 公的な支援を行うことが適切でないと判断される事業内容
小規模事業者持続化補助金は、補助金や診療報酬など国が財源となる他の支援制度と併用することは認められていません。早期に市場取引の達成が見込まれない場合や、補助事業の取組が直接販売の見込みにつながらない事業も補助対象外の事業となります。パチンコ店やゲームセンター店、麻雀店等は、娯楽性が強いだけでなく賭博行為でもあることから公的な支援を行うことが適切でないと判断されます。
補助金を適用できる費用 3つの条件
補助金が利用できる経費には、主に3つの条件があります。
- 対象事業の実施に必要なものと明確に特定できる経費
- 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
- 交付決定日以降から対象事業の実施期間内に支払が完了した経費
販売している商品の仕入などの通常事業にかかる経費や、補助対象事業以外でもさまざまな用途に利用できるものは補助対象外となります。
また、補助事業の実施報告をする際に、実績報告書と一緒に証拠資料を提出する必要があります。経費内容の確認後に支給される補助金の額が決定されるため、契約書・請求書・支払いの証明書などを準備しておいてください。
交付決定日前に行われた補助対象経費の前払い含む購入や発注・契約は補助対象外になります。実施期間内に発生した支払いに関しても、必ず補助事業の実施期間内に入金や振込を完了しなければ対象となりません。。
補助上限額
補助対象経費の2/3(上限額50万円)
創業型の場合は、補助対象経費の2/3(上限額200万円)
インボイス特例や賃金引上げ特例などの対象の場合、上限額が最大50万円追加されます。
より詳しい情報を知りたい場合は、以下のサイトをご確認ください。


個人事業主でも出来る!クラウドファンディングで資金調達する方法
クラウドファンディングは、個人法人だれでも資金調達が可能な仕組みです。銀行借入や金融機関からの融資と違い、担保や保証人などが無くても、プロジェクトを実行することが出来ます。
【基本】クラウドファンディングとは
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法です。プロジェクトのアイデアや目的をウェブ上で公開し、共感した支援者から資金を募ります。
個人事業主にとって、銀行融資などの従来型の資金調達とは異なるアプローチで、短期間に資金を得られる画期的な手段です。準備期間を2週間、募集期間を2週間とすれば、プロジェクト立ち上げから最短で2か月以内に支援金を受け取ることも可能です。
ですが、準備をきっちりして多くの支援を集めたいなら、平均3か月以内での資金調達手段だと考えましょう。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングには、3つの種類があります。
種類 | 特徴 | 個人事業主への適合性 |
---|---|---|
購入型 | 商品やサービスを先行販売する形式 | ★★★★★ (最も適している) |
寄付型 | 寄付として資金を募る形式 | ★★★☆☆ (社会的意義の強い事業に適合) |
投資型 | 借入または出資として資金を募る形式 (返済計画や法的手続きが必要) |
★★☆☆☆ (返済計画や法的手続きが必要) |
寄付型は、リターンなしクラウドファンディングとも言われ、災害支援やNPO活動などの社会問題を解決する事業に適しています。事業のための資金調達であれば、購入型での実行が一番適しています。
主要プラットフォームの比較
クラウドファンディングには、実行者と支援者との架け橋役となるプラットフォームが必要です。
プラットフォーム上に、プロジェクトの詳細を掲載し、決済窓口として利用する。その利用手数料や決済手数料などによって、プラットフォーム運営会社はサービス提供をしています。
主なプラットフォームの特徴は、以下の通りです。
プラットフォーム | 特徴 | 利用手数料 |
---|---|---|
CAMPFIRE | 国内最大プラットフォーム、オールジャンル | 17% |
Makuake | 新商品・サービス向け、EC展開あり | 20% |
READYFOR | 社会貢献プロジェクト向け、購入型も可能 | 14% |
MOTION GALLERY | 映画、演劇、クリエイティブ系向け | 成功時10% |
詳しい比較紹介は、以下のページからご確認ください。


クラウドファンディングでの平均調達額と成功率
クラウドファンディングは、プロジェクトによって資金調達額に大きな差があります。ゲーム開発プロジェクトでは、数千万円台が平均値ですが、個人事業主が通常、購入型クラウドファンディングを行って支援を集められる平均額は50~70万円。100万円以上集めるには、告知活動やプロジェクトページの作りこみなどの事前に行うべき項目を全てきちんとできるかにあります。
クラウドファンディング全体での成功率は約40%と言われています。しかし、事前準備をしっかり行えば、成功率は上がります。ちなみに、スバキリ商店でプロデュースしたプロジェクトの成功率は、60%を超えています。
つまり、クラウドファンディングの成功は、準備をどれだけ確実にできるかにかかっています。
個人事業主が選ぶべきなのはどっち?補助金vsクラウドファンディング
補助金とクラウドファンディング、どちらが良いか。個人事業主にとって、最適な資金調達手段について、考えてみましょう。
補助金とクラウドファンディング徹底比較表
まず、補助金とクラウドファンディングのメリットデメリットを比較してみます。
補助金 | クラウドファンディング | |
---|---|---|
メリット | 返済不要・受給できれば確実な資金調達が可能 事業の信用力向上につながる 用途によっては税負担軽減措置あり |
上限なしで資金調達が可能 認知度向上・顧客獲得につながる 審査不要・比較的手軽に開始できる |
デメリット | 申請書類が多く、手続きが複雑 受給までに時間がかかる(数ヶ月) 用途が制限される場合がある |
必ずしも資金を調達できるとは限らない プラットフォーム手数料(12〜18%)が発生 支援者へのリターン履行が必要 |
次に、細かく比較してみましょう。
比較項目 | 補助金 | クラウドファンディング |
---|---|---|
資金調達の確実性 | 条件を満たせば受給可能 (ただし競争率高い) |
プロジェクト次第で不確実 |
獲得までの期間 | 申請から数ヶ月 | 準備期間+支援募集期間(2〜3ヶ月) |
上限額 | 上限あり(例:100万円〜数千万円) | 上限なし(成功例では数千万円) |
審査・手続き | 書類準備が必要、審査あり | 比較的簡単、審査なしのプラットフォームもあり |
返済義務 | なし | 購入型・寄付型:なし 投資型:あり |
マーケティング効果 | なし | 高い(認知拡大・顧客獲得) |
追加コスト | 基本的になし | プラットフォーム手数料(12〜18%) |
使途制限 | 用途が制限される場合あり | 支援者への約束を守る必要あり |
事業への影響 | 資金補填が主目的 | 事業の方向性に影響する可能性あり |
クラウドファンディングと補助金の大きな違いは、マーケティング効果にあります。クラウドファンディングは、お金と人を同時に集められる仕組みです。プロジェクトを実行することで、未来の顧客やファンになってくれる候補者と出会うことが出来ます。
その他、調達できる資金額に上限が無い点や資金の使い道を実行者が決めることが出来る点など、補助金よりもメリットがある部分もあります。
補助金とクラウドファンディングに共通するのは、資金調達の確実性がやや低い点と申請や実行に手間がかかる点です。しかし、クラウドファンディングでは、all-in形式(実行確約型)という形式で実行すれば、目標額に限らず集まった支援金を受け取れるので、資金調達の確実性が高いとも言えます。
また、準備に関しても、プラットフォーム側のサポートや代行サービスなどを利用すれば、かなり楽になるだけでなく、プロジェクトの成功率も上がるため、より多くの資金調達や認知度向上につながるでしょう。
業種別におすすめの選択肢
どんな業種なら、クラウドファンディングが適しているのか。または、補助金だけでも見通しが立つのか。業種別に分析してみました。
クラウドファンディングに適している業種
- 介護系
- デザイナー
- アーティスト
介護施設などは、寄付型クラウドファンディングを実施し、事業への理解ある支援者と出会うことで月額制のサポーター制度を始めるきっかけになります。継続的な支援を見込めれば、事業の運営が安定化します。
デザイナーやアーティスト、表現活動をして収入を得ている人たちは、クラウドファンディングを実行することで作品や自分の表現に対するファンを増やすことが出来ます。
補助金とクラウドファンディングの併用
- 製造業
- 飲食店
商品の開発と製造を行っている場合は、補助金の申請とクラウドファンディングの実行を併用することで、新商品のパッケージなど販路拡大に関する経費を補助金で賄うことが出来ます。新商品の開発にはクラウドファンディングを実行し、テストマーケティングの結果を元に、市場のニーズに応じた改良製品の発売が可能になります。
飲食店は、地元に向けた取り組みを商工会議所と行い、クラウドファンディングを使って冷凍や真空処理した食品の通販を遠方に向けて告知するという活用方法もあります。
補助金のみで大丈夫。そんな事業者は、そもそも資金調達に困っていない事業者かもしれません。ただし、資金調達に困っていなくても、クラウドファンディングにはファンづくり、顧客創造というメリットがあります。
補助金をどう活用するか。その活用にクラウドファンディングを組み合わせれば、新しい事業と新規顧客の開拓につながると考えられます。
自分に合った資金調達法を見つけよう!4つの質問でわかる最適な選択
あなたのビジネスに最適な資金調達方法を見つけるために、以下の4つの質問に答えてみましょう。
資金調達に関する4つの質問
1. 資金はいつまでに必要ですか?
– A: すぐに必要(1ヶ月以内)
– B: 2〜3ヶ月以内に必要
– C: 半年以内に必要
2. どのくらいの金額が必要ですか?
– A: 50万円未満
– B: 50〜100万円
– C: 100万円以上
3. 商品・サービスのテストマーケティングをしたいですか?
– A: はい、新規顧客の反応を見たい
– B: いいえ、既存事業の継続が優先
4. 顧客との関係構築を重視しますか?
– A: はい、ファンを増やしたい
– B: いいえ、資金調達が優先
診断結果の解釈
- クラウドファンディングが最適な場合
– 質問1:B〜C、質問2:全て、質問3:A、質問4:A
– 特徴:新商品開発やマーケティング効果も重視、顧客との関係構築も目的とする場合 - 併用が最適な場合
– 質問1:B、質問2:C、質問3:A、質問4:A
– 特徴:事業継続と新規展開の両方を目指し、十分な準備期間がある場合
資金だけの調達なら、補助金を含め融資や借入について検討することもありでしょう。クラウドファンディングに少しでも興味や、可能性を感じるのであれば、クラウドファンディングも含めて、検討をしてみてください。
まとめ 個人事業主はクラウドファンディングを最大限活用するべき
個人事業主はクラウドファンディングを資金面だけでなく、集客や広報面でも最大限活用することをお勧めします。補助金の申請も選択肢の一つですが、用途が限定されたり、適用される期限があります。
クラウドファンディングは、個人事業主の事業内容を告知しながら理解者や応援者を集め、資金調達だけでなくコミュニティを作ることが出来る仕組みです。
実行者への共感が集まれば、目標額以上の支援が集まり、事業内容を充実させたり、新しいサービスを提供することもしやすくなります。
資金調達の選択肢だけでなく、顧客づくりファンづくりの一環としても、クラウドファンディングは活用できる。
個人事業者さんがクラウドファンディングをもっと上手く使って、新しい活動へ挑戦できることを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
資金調達のお悩みは、スバキリ商店へ
スバキリ商店代表の小西は、金融のプロであるテクニカルアナリストです。
事業の立ち上げ、新商品やサービスの提供だけでなく、さまざまなビジネスに関する資金調達のお悩みにも、的確なアドバイスを行っています。
クラウドファンディングを活用した資金調達に関するご相談は、以下よりお気軽にご連絡ください。
