「開業資金が足りない…」
「クラウドファンディングって難しそう…」
「支援してもらえるかな…」
お店を持ちたいけれど、資金集めが不安…そんなあなたへ、主に飲食店を開業、改装したい人に向けたクラウドファンディングで店舗資金調達に成功するための黄金ルール8つをお届けします!
クラウドファンディングの本質と仕組み
クラウドファンディングは、ただの資金調達手段ではありません。もちろん、店舗開業のプロジェクトの場合、資金調達目的でプロジェクトを実行する場合もあります。
ここでは、クラウドファンディングの本質と仕組みについて、改めて確認していきましょう。
「みんなで応援する仕組み」がクラウドファンディングの本質
クラウドファンディングの本質は、「お金と人を一度に集める」ことです。支援を集めるとは、言い換えると「応援してくれる人から自分の活動へお金を提供してもらう」ことです。
クラウドファンディングとは、あなたの夢を実現するために多くの人から少しずつお金を集める方法です。専門用語でいうと「不特定多数から資金を調達する」となりますが、簡単に言えば「みんなで誰かを応援する仕組み」です。
「お金」という要素が関わるため、資金調達手段という部分だけ注目されがちですが、資金だけを調達したいなら融資を受けた方が楽な場合もあります。
クラウドファンディング実行にはプラットフォームありき
クラウドファンディングを実行するには、システムを使わなければなりません。そのシステムを提供してくれるのが、プラットフォームです。
プラットフォームは、プロジェクトの実行者と支援者をつなぐ役割をしています。支援金を一度、取りまとめる決済窓口でもあり、プロジェクトの情報をたくさんの人に公開する場をインターネット上に用意したり、クラウドファンディングによって起きたトラブルを処理するサポートをしたり、クラウドファンディングを実行する上で字必要なさまざまなことを請け負ってくれています。
クラウドファンディングを実行するにも、支援するにも、プラットフォームありきです。
クラウドファンディングに成功する人と失敗する人の違い
クラウドファンディングを実行する人は、成功する人と失敗する人にハッキリ分かれます。
挑戦するからには、成功したい!でも、どうすればいいのか。
それには、成功した人の共通点を知り、真似をすることが必要です。
クラウドファンディングに成功する人が持つ共通点と失敗する人の特徴について、詳しく解説します。
クラウドファンディングに成功した実行者の共通点
クラウドファンディングに成功する人はどんな共通点があるのでしょうか。
例えば、飲食店関連のプロジェクトで100万円以上集めた人には、こんな共通点があります。
- お店のコンセプトが明確である
- 心から応援してくれる濃いファンがいる
- 地域に必要とされる理由がある
- 支援した見返り品が魅力的である
飲食店以外のプロジェクトでも、基本的には似たような共通点があります。
- プロジェクトの目的と目標額が明確で現実的
- プロジェクトの内容がわかりやすい
- 実行者とプロジェクトへの信頼が強い
- 支援するメリットが大きい
- 告知活動を丁寧に最後まで続ける
詳しくは、クラウドファンディング成功の秘訣についてまとめた記事をご覧ください。

失敗したプロジェクトに共通するダメな特徴
逆に、クラウドファンディングで支援を集められなかったプロジェクトにも、共通するダメな特徴があります。どんなに SNS のフォロワーが居ても、知名度があるから成功するわけではありません。
飲食店関連プロジェクトで資金調達に失敗した事例に共通するダメな特徴は、主に以下の3つです。
- 「とりあえずやってみた」という準備不足
- お店の強みをうまく伝えられない
- 返礼品が「割引券だけ」など魅力に欠ける
ダメな特徴を知ったうえで、成功したプロジェクトの共通点を出来るだけクリアするように、心がけていきましょう。
クラウドファンディングで資金調達に成功する8つの黄金ルール
クラウドファンディングで目標とする資金をあつめるには、成功ルールを守ることです。ルール通りに実行すれば、全く支援されなかったという残念な結末にはなりません。
成功するための黄金ルール8つとは、どんなルールでしょうか。詳しく解説します。
① 感謝の気持ちを持つ
まず、大前提として、クラウドファンディングに限らず、常に感謝の気持ちを持ちましょう。クラウドファンディングで支援してもらうことは、当たり前ではありません。
特に、飲食店を新しく開店して、半年一年それ以上続けていけばいくほど、お客様にも業者さんにも感謝することばかりです。
クラウドファンディングを実行するうえで、一番大切なのは感謝と御礼です。支援者には必ず個別にお礼メッセージを送りましょう。この人間関係がお店のファンになる第一歩です。
② 目的をシンプルでわかりやすい言葉で伝える
クラウドファンディングを成功するには、シンプルでわかりやすい言葉でプロジェクトの目的を伝えましょう。
クラウドファンディングで応援されるには、なぜクラウドファンディングを実行するかという目的に共感される必要があります。
「なんとなく、お金を集めたい」では、応援される要素がゼロです。
どんな店をどんなお客様のために、どんな風に運営して、地域や社会に何を提供したいか。
お店を始めたい理由を誰もがわかるように、シンプルな言葉で表現してみましょう。
「安くて旨い」「子ども連れでも安心」「無添加無農薬」「地域の憩いの場」
どんなことを大事にして、お店を続けていくのか。お店の理念となる部分をわかりやすく伝えることで、その理念や想いに共感した人が支援者として集まってきます。
③ 目標金額は「最低限必要な額」に設定する
クラウドファンディング成功の黄金ルールとして、目標金額を最低限必要な額で設定することはとても重要です。仮に必要な予算が100万円でも、まずは部分的に、30万円や50万円から始めるのがコツ。備品購入や、内装工事費、外装工事費などそれぞれの予算も、プロジェクトページには内訳として公表しておきましょう。
無事ファーストゴールに達成すると、次のネクストゴールを提示します。そうやって、段階的に達成していく様子を見ていると、支援した人がどんどん発信して盛り上げてくれます。SNS 上などでプロジェクトが盛り上がっている様子を見せられると、応援したくなる心理が働きます。
クラウドファンディングのプラットフォームでは、公開して直後の達成率が高いと、プラットフォームからの拡散も期待できます。
クラウドファンディングは、「みんなでプロジェクトを応援する」性質があります。次なるゴールを目指していく様子もプロジェクトへの信頼を高めますので、最初は現実的な金額から支援の募集を始める方が結果につながります。
④ 支援者が喜ぶ魅力的なリターンを3種類以上用意する
特に、購入型クラウドファンディングと呼ばれる、支援への見返り品を提供するクラウドファンディングでは、支援者が喜ぶ魅力的なリターンを用意することが、成功には欠かせない要素です。
できれば、3つの価格帯で3種類以上、10種類程度のリターン品を用意しましょう。
支援者にとって、リターンとは「支援することで引き換えに受け取れる価値」です。なので、その金額以上の価値を感じられることが、喜ばれるリターンの前提条件です。その価値は、人によって基準が違います。
お店を始めるためのプロジェクト実行であれば、お店に通ってくれるファンになってもらえるような要素もリターンに必要です。「お食事券」だけでなく、「お店の名前入りグッズ」や「オリジナルメニュー命名権」など、お店作りに参加できるリターンなども用意して、支援額によって特典内容を変えましょう。
⑤ 想いを伝える動画は1分以内にまとめる
クラウドファンディングの成功には、プロジェクトを知ってもらうことから始まります。そのためには、告知活動が欠かせません。告知活動で動画を使うなら、1分以内で要点をまとめた動画を作りましょう。
長すぎる動画は途中で見るのをやめられます。TicTok では、3秒ルールとも言われますが、そのくらいみんな、動画を次々流し見している訳です。
自己紹介10秒・お店のコンセプト20秒・なぜ支援が必要か20秒・お礼の言葉10秒の構成がベスト!
20秒って、自分で話してみると意外と長いものです。シンプルで力強い言葉さえあれば、短くても伝わります。
⑥ 支援してくれそうな人に直接連絡する
クラウドファンディングを実行するなら、支援をしてくれそうな人全員に直接連絡する。これも成功ルールのひとつです。クラウドファンディングの成功は、友人知人をどれだけ巻き込めるかにかかっています。
恥ずかしがらずに、友人や家族、前の職場の同僚にも声をかけましょう。最初の支援者が現れると、他の人も続きやすくなります。
お店を開店する案内を送りたい人には、電話でもメールでもよいので、直接クラウドファンディングを実行することを伝えましょう。
「クラウドファンディングを支援して欲しい」と言わなくても、「開店するために、クラウドファンディングを実行します」という案内だけでも、大丈夫です。案内されたら、プロジェクトページをチラ見くらいしてくれます。それで、共感するかどうかは、その人が自由です。
プロジェクトの公開直前と終了直前は、積極的に周囲を巻き込めるチャンスです。勇気を出して、直接、自分の口からクラウドファンディングを実行する案内をしましょう。
⑦ SNS フォロワーを事前に増やしておく
クラウドファンディングを実行する上で、SNS を活用することも成功ルールのひとつです。クラウドファンディングを実行するだけでなく、お店を始めていく上でも、SNS のフォロワーを増やすことは大切な広報活動になります。
プロジェクトを支援してくれる人の90%は友人知人や、そこからの紹介です。なので、SNS でプロジェクトに関する発信を続けていくことで、応援してくれる人がそれを拡散してくれる場合もあります。
クラウドファンディングを実行する、と決めた時点から SNS で情報発信を始めましょう。自分の提供する料理に関係するハッシュタグを使い、お店に興味を持ってくれそうな人に伝わるような発信の工夫も必要になります。
例え、近隣住民でなくても、リターンに遠隔地でも受け取れるものがあれば、支援をしてもらえる可能性があります。
SNS を活用した告知活動については、こちらの記事をご参考ください。

⑧ 更新情報を定期的に発信
クラウドファンディング中、ついつい忘れがちな成功ルールが、活動報告を随時行うことです。クラウドファンディングでは、準備と告知活動が肝心です。それらは、すべて発信材料となります。
特に、プロジェクトページを公開し、支援を募集しはじめたら、御礼報告もかねて日々の活動報告を行うことが大切です。
「あと〇日!」「目標の△%達成しました!」など、進捗状況を伝えることで、周りを巻き込んでいき、プロジェクトを応援したくなる気持ちを高めます。
自分の店に合ったリターンの決め方
飲食店でのプロジェクトでは、食事券をメインとしたリターンになりがちですが、それだけではあまり魅力的なリターン設計とは言えません。
成功事例の人気リターンを例に、どんなリターンを用意するのが喜ばれるのかを考えていきましょう。
340万以上集まったちゃんこ料理屋のリターン例
飲食店での成功事例として、342万円もの支援が集まったちゃんこ料理屋移転オープンプロジェクトを紹介します。

このプロジェクトで、人気シリーズとなったリターンは、相撲の番付表にちなんだスポンサー権。
新規開店にしろ、改装にしろ、やはりお店づくりに貢献したと形に残るのは、お店のファンとして嬉しいですよね。このプロジェクトでは、相撲の格付け通りに十両から横綱まで6つの価格帯でスポンサー権を用意しています。横綱スポンサーが2人支援されているので、このリターンだけで100万円!これは、26年の歴史の積み重ねがしっかりと結果に結びついている証拠です。
このリターンが良いのは、1万円から50万円という複数の価格帯設定をすることで、個人から企業までの支援者を集めることが出来た点です。同じ内容のリターンでも、3段階の価格帯を用意することで、支援者が選びやすくなります。これを松竹梅の法則と言い、心理的に選びやすい真ん中の価格帯を一番多く用意しておくことも、価格設定では重要な法則のひとつです。
似たタイプのリターンでは、スタッフのユニフォームに刺繍やワッペンをつけるリターンやメニューに支援者名を掲載するというリターンも、飲食店プロジェクトでは支援されやすい人気のリターンです。
支援金額別おすすめ返礼品一覧
飲食店でのプロジェクト実行で、よく用意されるリターンの内容を支援金額別に紹介します。
クラウドファンディングの支援では、だいたい5,000~7,000円台が平均価格です。特に飲食店や食品関連では、1万円前後のリターンが支援されやすい傾向があります。
- 1,000円 | お礼メールのみ | 支援される確率 95%
- 3,000円 | お礼状+ランチ食事券1名分 | 支援される確率 95%
- 5,000円 | お礼状+ランチ食事券2名分、発送可能な調味料類 | 支援される確率 88%
- 7,000円 | お礼状+ディナー食事券1名分、発送可能な冷凍食材 | 支援される確率 80%
- 10,000円 | 開店パーティVIP招待券、店内掲載スポンサー権 | 支援される確率 75%
- 30,000円 | メニュー命名権+年間優待、ランチ貸し切り権 | 50% |
- 50,000円以上 | 店内広告権+特別イベント招待、ディナー貸し切り権 | 30% |
食事券は、1人用とペアを用意することで、支援者本人が利用するだけでなくプレゼントとしても活用できるので、ペアや5人以内のグループ、貸し切り利用なども用意しておくことで、お店を記念日やパーティなどに利用してもらえる可能性も出てきます。
また、調味料や真空処理された食材、冷凍食材なども、プレゼント利用や遠方に住む人からの支援につながるので、お店に直接来れなくても受け取れるリターンも用意しておくことをお勧めします。
クラウドファンディングを実行する上で、よくある3つの質問
クラウドファンディングをやってみたいけど、不安なこと。よくある質問3つを紹介します。
Q1: クラウドファンディングにかかる手数料はどのくらい?
A: クラウドファンディングにかかる手数料は、集まった支援金の額で変わります。多くの場合、支援金の総額から手数料分が差し引かれます。実行者は、手数料が差し引かれた金額を受け取ることになります。
支払う手数料は、だいたい10〜20%程度です。プラットフォームによって違うので、要注意です。
目標金額の設定時には、差し引かれる手数料も考慮しましょう。
各プラットフォームの手数料と特徴については、以下をご確認ください。

Q2: 目標金額に達しなかったらどうなる?
A: クラウドファンディングを実行したけど、目標金額に達成しなかった。その場合は、どの方式でプロジェクトを実行したかによって、支援金が受け取れるかどうかが異なります。
クラウドファンディングでは、2つの支援金受け取り方式があります。こちらも、プラットフォームの設定により、選べる場合と一択のみに分かれます。
「All or Nothing方式」の場合は、プロジェクト不成立となり、集まった全額が支援者へ返金されます。「All in方式」なら集まった分に対して、プラットフォームの手数料を差し引いた金額が受け取れます。
プラットフォーム選びの際に、どちらの方式で実行できるのか、必ず確認しましょう。
Q3: 支援者が集まらない場合の対処法は?
A: クラウドファンディングを挑戦したけれども、支援者が全然集まらない。ここまで読んでいただいていれば、告知不足が原因だということはお判りいただいているでしょう。
まずは身近な人に声をかけ、プロジェクトページを見てもらいましょう。内容がよくわからないなどの指摘があれば、すぐに修正し、SNS での拡散や口コミを依頼しましょう。
また、プレスリリースを発行して、地元メディアに取り上げてもらえるよう働きかけるのも効果的です。
告知の重要性についてや、段階的な情報発信については、以下の記事をご参考ください。

まとめ:クラウドファンディングは、あなたの夢をみんなで応援する仕組み
クラウドファンディングは、あなたの想いに共感し、応援してくれる人を見つける素晴らしい機会です。単なる「お金集め」ではありません。
特に重要なのは、以下の3点です。
- お店のコンセプトを明確に伝える
- 魅力的な返礼品を用意する
- 感謝の気持ちを忘れない
この3つを確実に実行すれば、多くの場合30~50万円くらいの資金調達は出来ます。飲食店関係で成功したプロジェクトをいろいろ見て、真似できそうなところは全部やってみることもお勧めします。
何のためにクラウドファンディングに挑戦するのか。ここが一番大事です。
応援してくれる人を増やし、お店を長く続けていくための挑戦として、ぜひクラウドファンディングを活用してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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