「ファッションブランドを始めたいけど資金がない…」
「技術はあるけどオリジナル製品の販路がない」
そんな悩みを持つ服飾系学生や縫製工場を運営するあなたに。
ファッション×クラウドファンディングでゼロからD2Cブランドを立ち上げた実例と、共感されるプロジェクトの作り方を解説します。
クラウドファンディングはファッション業界と相性が良い理由
近年、ファッションブランドの立ち上げにおいて注目されているのが「クラウドファンディング」です。特に、D2C(Direct to Consumer)モデル、つまり消費者への直接販売を目指す若手デザイナーや服飾学生にとって、クラウドファンディングは資金調達だけでなく、共感を得るブランド作りにも役立つ強力なツールです。
少ロット・先行販売との相性が良い
D2Cブランドの多くは少量生産でスタートします。クラウドファンディングなら「受注生産」という形で、必要な分だけ作ることが可能。在庫リスクを大幅に減らせます。
ストーリー性重視のトレンドと一致
ファッションは単なる「服」ではなく、「物語をまとう」もの。クラウドファンディングを活用すれば、モノづくりの背景やファッションに抱く想いを丁寧に伝えることで、あなたの世界観に共感した支援者が応援してくれます。
資金ゼロでもブランド立ち上げが可能
学生や若手クリエイターにとって、大きなハードルとなるのが初期費用。クラウドファンディングは、商品完成前でも支援を募ることができるため、資金がなくてもブランドや事業をスタートさせることが可能です。
ファッション系クラウドファンディング成功事例
スバキリ商店でプロデュースしたファッション関連のプロジェクト成功事例を紹介します。
スーツ屋が作るカジュアルセットアップ出店事例
オーダースーツ専門店が本気で企画した、日常使いできるカジュアル素材のセットアップ専門店出店プロジェクトです。

実行者は、東京にある完全予約制のオーダースーツ専門店、K−51。

コロナ禍でリモートワークへの切り替えから、ビジネススーツ需要が激変。でも、必ず服をみんな着ているはずだから、何か新しい取り組みができるはず。
そんな思いから、ワンマイルウェアを素材選びから本気でこだわって制作。
広告費と開発費100万円を目標にして実行されたこのプロジェクトは、全国の男性から注目を集め、目標の2倍以上となる約230万円もの支援が集まりました。
編み込みニットという動きやすくて見た目もおしゃれな素材を使用し、先行予約販売という形で特別感を出したことが成功の要因だと言えます。
現在もネットショップで、セットアップを販売されています。
サスティナブルな素材を使ったスカーフブランド立ち上げ事例
リサイクル素材をキュプラを活用したサステナブルなスカーフブランドの立ち上げプロジェクトです。

実行者は、2021年当時名古屋の大学に在籍し学生起業をしていた 廣瀬彩乃 さん。
ファッション産業は全産業の中で2番目に環境負荷が高い産業だという現実から、地球環境に配慮したエシカルなファッションを広めるきっかけにしたいと考えてブランド立ち上げを決意。

綿素材の原料から出る、コットンリンターを使用した再生繊維キュプラ100%のスカーフは環境意識×高品質デザインが評価され、同世代を中心に支援を集めました。
目標50万円の3倍以上となる175万円を集め、現在はネットショプをベースに活動されています。
海外でのファッションショー出場資金調達事例
ファッション業界といえば、コレクションでの作品発表。出場費用やモデルオーディションの資金調達にも、クラウドファンディングが活用された例です。


どちらのプロジェクトも、多くの共感を集め、日本人の才能を海外で表現することを実現しました。
学生や若手デザイナーがクラファンを使うメリット3つ
学生や若手デザイナーがクラウドファンディングを活用するメリットが3つあります。
メリットその1 ポートフォリオとしても活用できる
クラウドファンディングを実行すると、自分のポートフォリオも同時に作成できます。支援実績も、活動成果として活用できるのです。
プロジェクトの紹介をするプロジェクトページは、写真・コンセプト・文章などを一括して見せられるブランドの名刺のような存在。ポートフォリオとして活用し、就職活動や業界内PRにも役立ちます。
支援実績は、消費者から需要を判断する数値的証拠になるので、銀行からの融資を受けるときにも活用できます。
メリットその2 実際のマーケット反応が得られる
クラウドファンディングを行うことで、「いいね」や評価だけでは分からない、本当のニーズが分かるのもメリットの一つです。
サイズの需要や、支援者の年齢などの属性などのデータを集められるだけでなく、着用感など市場からのリアルなフィードバックは、今後のブランド展開にも貴重なヒントになります。
メリットその3 在学中でも挑戦可能
クラウドファンディングは、誰でも挑戦できるという優れた特徴があります。職歴や学歴、年齢など関係なく、プロジェクトを実行できるのです。
卒業制作やこれまで作りためたコレクション作品をベースにプロジェクトを立ち上げる学生も増えています。在学中から顧客を持つクリエイターとしてスタートできる可能性が広がるのです。
クラウドファンディング活用のステップと成功のコツ
クラウドファンディングを成功し、うまく活用するためのステップを紹介します。
1. アイデアを「共感されるストーリー」に変える
「なぜこの服を作るのか?」「どんな人に着てほしいのか?」を言語化しましょう。コンセプトの言語化は支援の鍵です。
2. 商品とターゲットの明確化
誰のどんな悩みを解決する服なのか?を明確にすることで、支援者の心に届くプロジェクトになります。
3. スケジュール管理と資金計画
製造・発送・PRに必要な時間とお金をしっかり見積もりましょう。信頼感ある計画性が支援につながります。
4. リターンの工夫
限定色の先行販売や、支援者だけのネームタグなど、ファッションならではの特典で差別化しましょう。
ポップアップストア運営や商品企画にオンライン参加できるなどの参加型リターンも、支援者と一緒に製作過程を共有できるため支援されやすい傾向があります。
リターンに関する詳しい解説は、以下の記事にまとめています。

5. SNS活用とファンづくり
事前の発信、制作過程の共有、支援後の報告など、支援者とのコミュニケーションが成功の鍵です。
支援者との密なコミュニケーションが、製品やブランドのコアなファンを作るきっかけとなり、創作活動を続けていくモチベーションにもなります。
どのクラウドファンディングサイトを選ぶべき?
ファッション関連プロジェクトでは、どのプラットフォームが良いか、国内向け海外向けで解説します。
国内向け:CAMPFIRE・Makuake
国内での販売を目指してプロジェクトを行うなら、CAMPFIRE と Makuake がおすすめです。
- CAMPFIRE:学生プロジェクトやアート系にも強く、柔軟性あり。
- Makuake:話題性重視。企業案件も多く、社会的信頼を得やすい。
- Creema SPRINGS:ハンドメイド系モノづくり特化。掲載には条件あり。
ハンドメイド系ECの Creema が運営するプラットフォームもありますが、掲載にはプラットフォーム側への応募と審査が必要となります。
初めての場合、CAMPFIRE や Makuake が比較的ハードルが低いでしょう。
海外向け:Kickstarter・Indiegogo
世界展開したい人には海外プラットフォームでの挑戦がおすすめです。英語でのページ作成が必要ですが、世界中のファンとの接点を得られます。
Motiongallery でプロジェクトを実行すると、Indiegogoとの提携があるため、国内海外両方でのプロジェクト実行も可能です。

ファッション系プロジェクトよくある質問(FAQ)
クラウドファンディングを実行する際によくある質問を4つ、Q&A形式で解説します。
Q:学生でもクラファンに挑戦できますか?
A:はい、できます。ファッションに限らず、学生が実行したプロジェクトも多数あります。
未成年の場合、保護者や学校の許可があれば、クラウドファンディングを実行できます。
Q:どのくらいの目標資金が目安ですか?
A:目標金額は、5万円ぐらいから数百万円まで、プロジェクトで実現したい目的に応じて自由に設定ができます。
ファッション系製品の場合、最低限の製造費とリターン発送費、手数料(約20%)を含めた上で、目標額を設定します。
Q:もし商品が完成しなかったら?
A:誠実な対応(返金や説明)が必要です。トラブルを防ぐためにも現実的な事前計画が重要です。
Q:クラファン後の展開は?
A:ECサイト開設やセレクトショップでの販売、再プロジェクトなど、本格的なブランド展開に繋がります。
Makuake では、プロジェクト実行後のEC販売が整っているため、継続的な販売がしやすい点があります。
クラウドファンディングを実行したことで、メディアに取り上げられたり、OEM の問い合わせなどが起きるケースもあります。
まとめ ファッション業界で活躍したいなら、クラファンを活用する
ファッション業界で活躍するなら、クラウドファンディングを活用し、自分のポートフォリオの一つや実績を作りましょう。
クラウドファンディングは、資金を集める手段にとどまらず、「共感を集めるブランド作り」の舞台です。特に、D2Cモデルを目指すファッションデザイナーや学生にとって、ファンと一緒に歩むための第一歩になります。
「自分の世界観を服に込めて、誰かに届けたい」
そう思い続けているなら、今がクラファンに挑戦するベストタイミングかもしれません。
まずは小さく試すことから、始めてみましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ファッション×クラウドファンディングならスバキリ商店
スバキリ商店代表の小西は、山本耀司のファンです。最近は主に、Yohji Yamamoto や WILDSIDE YOHJIAMAMOTO を着ています。
ファッションショーの費用から、ブランド立ち上げ、消費者目線の製品開発まで、ファッションに関する様々なプロジェクトに挑戦する人を、スバキリ商店は全力でサポートします。
累計1400件を超える豊富な経験から、あなたのプロジェクトをゼロからプロデュース!
詳しくは、公式 LINE 登録 とInstagramのフォローをして、お問い合わせください。
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