Web3時代の地球の歩き方

メンバー対談

2023年1月から始まりました、対談スバキリ一味!!

待望(!)の第2弾は、副島かよこさんと、鈴木亜里子さんです。

スバキリ一味ではライター担当されているお二人は、実際のお仕事もライターとしても活躍中。そんなお二人に繰り広げていただくテーマは、ライターとしてのお仕事などではなく「Web3時代の地球の歩き方」です。

週刊スバキリ一味をご覧なった方はすでにご存じかと思いますが、お二人とも大の海外好き。

中国語の響きに魅せられ、大学時代から中国語を学んできている、中国大好きライター副島かよこさん。

後悔しない人生を歩むと決めて見つけた「幸せの本質」|スバキリ
「あなたの幸せは何でしょうか?」こう質問されたとき、果たしてどう答えるだろう。もっとお金があれば、生活がもっと豊かであれば……。つい、そのようなことを言ってしまいそうだ。「目の前の現実ってひとつだけと思いがちでしょうけど、それは違います」取材のなかで副島かよこさんは、そう静かに語る。「目の前で起こっている出来事は同じで...

過去には、バックパッカーとして南ユーラシア大陸を横断し、その実績からトラベル系に強いライターとなった鈴木亜里子さん。

遊ぶと働くの互換性|スバキリ
「ありちゃん、今日は何飲みたい?」鈴木家の夕食は、そんな夫の一言から準備が始まる。「今日はスパークリングの気分」「白ワインが飲みたいな」「もらった日本酒を飲もうか」―鈴木さんがリクエストするお酒に合いそうな料理を、夫が作る。「結婚してからも、コロナ前までは、子どもが小さいときから毎年必ず海外旅行をしていました。旅行とか...

そんなお二人の海外に対する思い、外の世界に行ったからこそわかる日本の良さ、果ては子どもたちへの思いなど、「海外」をキーワードに奇譚(きたん)なくざっくばらんにワイワイと楽しく語っていただきました!

海外に惹かれたのはどういったところから?


聞き手:お二人とも海外への興味が大変深いということで、これまでに海外に惹かれたところやどんな体験をされてきたかとか、あらためて自己紹介を兼ねて簡単にお話しいただけますでしょうか?

私はフランスのファッションにすごく憧れていつかフランスへ住む、というところから始まりますね。フランス行くためにお金を貯めて、24歳の時にパリへ行ったのが最初です。
パリでは、友達と暮らし始めたのですけど、いつの間にかそれが楽しくなってしまって……。
お金もないから郊外のちょっと僻地みたいなところのスーパーでよく買い物していたんですけど、そういう場所ってアラブ人とかアフリカ人とかが多くいるんですよ。
そうこうしているうちに、その人たちとの交流するのが楽しくなってしまって、フランスから安く行けるモロッコに行き、そこで触れた文化に刺激されて他の国々も見てみたくなって、バックパッカーになっていきました。

ファッションは、もうどっかへ行っちゃっていますね(笑)

バックパッカーって、女性だけで行ったのですか?

はい、女性だけでした。
フランスで同居していた友達、アパートの向かいに住んでいた日本人とか、他2人の5人で出発しました。
まず、フランスからトルコまで飛行機で行って、そこからイラン、パキスタン、インド、また飛行機で今度はマレーシアまで飛んで、そこからタイ、ベトナム、ラオスへと上がって南ユーラシア大陸を横断していきました。

バックパッカーって、女性の場合だとちょっと身の危険を感じてしまって怖いんですけど……。

確かに危険なこともありましたね。サハラ砂漠に置き去りにされたり、カルカッタの安宿で数人のインド人に監禁されたりとか。とにかく街中でもショップのウィンドウを見ていると、あちらの人たちは平気でお尻を触ってくるんですよ〜。
もう日常茶飯事すぎてきりがないので、だからこちらも飛び蹴りしたり、レンガをぶん投げたり、好き放題に鬱憤をはらしていました(笑)

副島さんはどんな感じですか?

私はアジアが中心でした。

勤めていた大学ではバングラデシュの国費留学生が多くて、バングラデシュの友達が増えました。日本で現地料理の教室している方のお手伝いしたりなど、いまだに付き合っている方もいらっしゃいます。
多分、他の日本人よりもイスラム教のことは詳しいと思います。
香辛料も大好きなので、自分が旅行するとなるとやはりアジアが中心になりますね。中国語も学んでいましたし。

今は韓国に行きたいですね。住まいが九州なので、釜山も近いですから。
福岡から船ですぐ行けるんですよ。
飛行機よりもずっと安いですし、夜行高速バスのような夜行フェリーもありますよ。

そういえば、福岡の人って日帰りで釜山に行かれるということを聞いたことがあります。

そうですね、行けると思います。
私の場合なんて、実家(徳島)に帰るよりも釜山に行く方が近いですから(笑)

わ〜、羨ましい〜、韓国行きたーい。

お二人のおすすめの国は?


聞き手:今まで旅行したなかで、気に入った国とかおすすめの国はありますか?

私はモロッコですね。

モロッコですか!
行ってみたいー、という気持ちはありますけど、ちょっと遠いですよね。ちなみに、モロッコのどのようなところがよかったですか?

モロッコの香辛料の香りがすごく落ち着くんですよ。あと、モスクから聞こえてくるアザーンの声がすごく心地よくて……もう大好きです。あまり前世とか気にするタイプではないんですけど、自分はひょっとして前世はアラブ人だったのかな、というぐらい心地よさを感じます。
あと、モロッコって無茶苦茶イケメンが多いです!!(笑)
背が高くてスタイル良くて、これはいいですよ〜。

モロッコは数えきれないぐらい行きましたね。ホームステイも1ヶ月しましたし、ほぼ全土巡りました。

副島さんはやはり中国ですか?

そうですね、好きな国は中国なんですけど……、なんていうのかな、個人としては大好きなんですけど、人におすすめするのは中国ではないですね。

えー? そうなんだ! ではおすすめはどちらですか?

今まで行った国の中でいいな、と思ったのはマレーシアですね。
いろんな文化が混ざり合っている感じが好きです。あと何よりも、食べ物がとにかく美味しい!!
マレーシアのホテルで朝食に出てきたカレーは、悶絶するぐらいに美味しかったです(笑)
ぜひ、また行きたいですね。

海外旅行は、値段交渉が何よりも大事!

聞き手:ここでちょっと話を変えて素朴な疑問です。
旅行した時の言葉ってどうしているんですか? やはり英語ですか?

私は、簡単な英語ですね。
モロッコのようなフランス語圏なら、少しばかりフランス語も少し使っていました。あとは、現地の言葉でしょうか。といっても、覚えるのはあいさつと数字だけですけど。

とにかく数字だけは必ず覚えました。これは必須です。値段交渉で必ず必要になりますから(笑)

亜里子さんが回っていた国もそうだろうとは思うですが、中国もそうですね。油断するとすぐにぼったくられてしまうんですよねー。

だから、亜里子さんのいう通り、値段交渉は絶対必要ですね。

必須ですよね、これは。

実はね、私、値段交渉大好きなんですよ〜(笑)
交渉の駆け引きが、ゲームみたいで大好きなんです。

私が思う値段交渉のコツは、やはりその商品の「適正価格」ですね。
旅行に行って買いたいものとかあったら、現地のスーパーとか巡ってその商品の値段を調べるんですよ。それでその土地の適正価格が大体わかるので、それを頭に入れて交渉します。

聞き手:なんか海外旅行のコツを聞いているようで面白いですね。あまり、海外旅行の経験が少ない方には、このようなお話がとてもタメになりそうです。

言語が変わると人が変わる?


聞き手:海外の人とか国に対する先入観とかって、お二人にはあったりしました?

19歳の時に中国へ行った時は、まだ今みたいに発展してなかったんですね。
街中のお店も、品物がショーケースみたいなのに入っていて、自分で手に取って選ぶということができなかったんです。
だから、欲しいものがあったらそれを指して店員さんに「これください」って言うんですが、その店員さんは「ありません」っていって取り扱ってくれなかったんですよ。

目の前に実際にモノがあっても?

そう! 目の前にあっても「ありません」って言うんです。
当時の中国は、競争経済というか資本主義が入っていなかったので、働かないほうが楽だったんで「ありません」ってみんな言っていたんですよね。だから、先入観というか「あ、こういう国なんだな」と思ったことは、当時はありました。
今は、もう全然違いますけど。

あと、中国の人って、ちょっととっつきにくいというか、人見知りするような雰囲気も感じる人がいるかもですが、本当はとても親切です。仲良くなったら家族のように接してくれます。

中国語って、いつも早口でまくし立てているような印象があるんですけど、穏やか〜に、静か〜に語る中国人っています?
あまり、そういう人を見かけたことがない気がします。

副島さんって、穏やかな雰囲気というか落ち着かれた方だから、早口な中国語を話されるような想像がつかないんですけど(笑)

言語が変わると性格が変わる」っていうじゃないですか。
だから、私も中国語を話すときは、はっきりと主張しますね。逆に主張しないとあの国では生きていけない感じがします。人口も多いから「はい!私!」みたいに手を上げて主張していかないと埋没してしまいそう。

英語もそんなところがありますよね。日本語では語尾がなんかわかりにくかったりするけど、英語も動詞が最初に来るから、自然とはっきりしてくるみたいな。
フランス語とかどうですか?

いや〜、私はもう喋ることに一生懸命、いっぱいいっぱいでした。だから、そこまでの感覚はないというか、考えていなかったですね〜(笑)

でも、やはり「イエス、ノーどっち? はっきりして」みたいな雰囲気はどの国でもあったように思います。もちろん、これは悪気なくですけど。

ですよね、悪気はなくて、どっちかわからないからちゃんと聞いてるんです、みたいな。


聞き手:逆にいうと、フワッと答えて流れるのは日本だけ?

そうですね、そんな気がします。

うん、日本だけかも。

あ、そうか!!
じゃ、私がイスラム諸国へ行くと乱暴になるというのも言語が変わるからですね!

「いや、それは言語ではなく、また別の問題でしょ!!」

と副島さんと聞き手、ともに大爆笑しながら突っ込む。

日本は、優しい国?

聞き手:ところで、外の世界に行くと、普段住んでいる日本について客観的に見ることができたりするのかなと思うのですが、お二人はそのようなことを感じたことありますか?

日本はとても便利だな、と思いましたね。
といっても、私が極端に不便な国に行っていたからかもなんですけど(笑)

私は、日本に戻ってきたら、行政やお役所の人、お店の人、とにかくみんなが「優しいな〜」と思いますね。
本当に、中国のお役所の人ってちょっとつっけんどんなところがあるんですよね〜。だから、日本のお役所でニコッと対応されると「なんと素晴らしい国なんだろう!」と思ってしまいます(笑)

確かに! それありますね!

日本だと、何かを訊ねたらちゃんと答えてくれる(笑)
でも、向こうの人って何かを訊ねても平気で無視したりもするので……。だからまあ、マインドが少々鍛えられますね(笑)

鍛えられるといえば、ベトナムで原因不明のアレルギーらしきものにかかって病院に行ったとき、詳しい説明もなく、いきなりブスッと注射を打たれたことがあります。


副島・聞き手:えぇーーー!?

それって、誰かの打ったのと同じ注射とかもされそうで怖いですね〜。

本当にそれ思いましたけど、とにかく体中痒くてどうしようもなくて受けました。でも、それからスーッと症状も消え、なんともなかったのでよかったです。

ホーチミンで泊まったとき、安宿の布団で大量のダニに噛まれたアレルギーだったようです(笑)

そういうのを聞くと日本って本当に人に優しくて整っているな〜、と思いますね。

身近になってきた海外

聞き手:最近は携帯の翻訳アプリとかGoogleマップとか使うことで、海外のような知らない土地でも安心というか、行きやすくなったように感じるのですが、いかがでしょう?

確かに便利になったと思います。
バックパッカーしている頃は、どこにどのように行くかわからないからガイドブックが持てなくて、現地の大使館や領事館での情報集めが頼りでした。
先に訪れた人たちによる現地や付近の国々の情報が書かれたメモがあって、よくそれを書き写していました。

あと、国によってはインターネットカフェ。

懐かしい〜。
ありましたね、インターネットカフェ。

今とは違って、反応が無茶苦茶遅かったので情報集めには使えなかったけど、日本の家族や友人に近況報告や今後の予定などをメールしていました。

私とかは、コロナの数年前までは旅行に行くときは旅行会社にお願いしていました。それが航空券やホテルとか直接予約できるようにネットが発達したかな、と思います。その手数料分やすくなって行きやすくなったかなとも思います。

旅行中でも気になるレストランとか、サッとすぐに調べられるのは便利ですよね。

私なんて方向音痴だから、Googleマップがあると自分の位置もわかるし目的地まできっちり行けるので本当に助かります。
でも、中国ではGoogle使えないんですよね。情報統制しているから。

そのときはどうしたんですか?

どうしていただろう??
ちょっとほとんど覚えていないんですけど、普通に地図を見ていたと思います。

あと、ホテルとかだったら口コミもしっかり見ますね。とくに清潔がどうかは大切! もうダニに噛まれるのは嫌なんで(笑)。

あー、見ます見ます。

あと、変わったところだと、グラブのタクシーも使いますね。
タクシーのウーバーイーツ版みたいなの。安くて安心だし便利だなと思います。そのグラブのデータも現地タクシーの値段交渉の材料使えますしね(笑)

今では、韓国もタイもグラブが流行ってきていますよね〜。

聞き手:翻訳、Googleマップ、グラブなど携帯アプリ、ITツールを使って現地での情報を即座に掴めると思うと、海外が身近になって行きやすくなってきているように感じます。ITリテラシーをより高めておくことも、現地でも安心して楽しく過ごせるコツのようですね。

かわいい子には海外旅行をさせろ?

聞き手:私など若い時は、どちらかといえば「海外が苦手」としていた人間ですが、お二人のお話を聞いていると、日本から飛び出して外の世界の体験ってやはり価値観を広げるんだな、と思いました。子どもさんがいらっしゃったら特にそうなのかな、と。

そうですね、日本だとどこへ行っても同じようなお店があって、変わりばえしないけど、海外に行ったらコロッと変わってしまうので世界観は広がりますよね。何よりも、「こういう世界があるんだ」って体感するだけでも違うと思います。

子どもも小さい時から海外とか行っておいた方がいいと思いますね。
とはいっても、危険な国には行ってほしくはないですけど。自分で散々危険なことしておいてこんなこというのも何なのですが(笑)

そう思うと、亜里子さんの親御さんってすごいですよね(笑)

まぁ、日本にいた時からどこにいるかわからないようなことをしてはいたのですが(笑)

これは私が娘を産むぐらいに思ったことなのですが、子どもの世界ってやはり小さいじゃないですか。家と近所と学校ぐらいといった感じで。
いじめみたいなのも昔も今もありますし、学校だけの世界しか知らなかったら、いじめにあったらそれで「終わった」みたいな感じになりがちだけど、学校以外にももっと違う世界があるんだって知っておくと、たとえ学校で受け入れられなくても他にも世界がある、という選択肢が出てきますよね。

だから、世界の広さを知ってもらいたくて、娘にはそれにちなんだ名前を付けました。

小さいときに中国に連れて行ったのは偶然ではあったのですが。連れて行って本当に良かったと思います。
娘を連れて行ったときに、現地の小学校に入れるビザがなくて、私が通っていた大学の附属幼稚園に入れてもらったのですけど、そこでは日本語が話せる人が全くいなくて。
初日は娘も泣きましたが、次の日からは「嫌だ」とも言わず普通に通っていましたね。

え、それすごい!!

中国語もだんだん話せるようになって、8ヶ月目には小学校1年生レベルでの中国語は何でも話せていましたし、子どもって本当にすごいですよね。
今はもう中国語も忘れてしまっているようですけど、自分で決めた大学に進んで、楽しくやっていますね。

亜里子さんのところのは、お子さんに関していかがですか?

これはちょっと不思議な感じがする話ではあるのですが、去年の秋に娘が淡路島に修学旅行へ行ったんですよ。そしたら、女子のほとんどの子が民宿の料理に手をつけなかったらしいんです。淡路島の美味しい玉ねぎとか新鮮なお刺身とか目の前にありながら、食べるのは白いご飯だけ、みたいな。
中にはカロリーメイトを持たされてそれを食べていた子もいたそうです。

なんか外食がしたことがないのか、どうにもよくわからないのですけど、とにかく民宿のご飯が食べられない子がいたらしくて……。

え、それって経済的にちょっと豊かではないから外食をしたがことがない、とかではなく?

そうなんですよ。別に経済的に困っているというところの子どもさんでもなくて。このお話は、うちの娘がたくましいとかよりも、周りの子どもさんたちが、なんというかちょっと不思議みたいなことでもあるのですが……。
その結果として、うちの娘は残っているお刺身を5皿ぐらいとおこぼれをいっぱいもらって食べたそうです(笑)
何でも食べる子になってくれているのでよかったな、と思っています。
これも、海外のいろいろな国の小汚い屋台や市場など、どこでも何でも食べてきたからですかね〜。

海外での食べ物といえば、韓国料理は美味しいですよね。私は毎日韓国料理でも飽きないかもー。

今度、ぜひみんなで福岡に集まって釜山に行きましょうよ〜(笑)

行きたい! 行きたい! ぜひ行きましょう〜

聞き手:スバキリ一味の福利厚生で韓国旅行を進言しましょうか?(笑)

対談あとがき

副島さん、鈴木さんとのお話は本当に尽きることなく、気がつけば談義はあっという間に2時間超え(!!)

海外の面白い話から深い知見まで本当に引き出しが豊富で、ここではほんの一部を切り取った感じになっています。

それぞれの個性を感じる、とても魅力的な対談でした。

今回のお二人の話を伺って、

・携帯アプリなどのITアプリを使うことで、海外はとても行きやすくなっている

・変化の激しい時代、自らの価値観を広げる意味でもできるだけ海外には行ったほうがいい

・もちろん自身のためにも、そして、お子さんがいればお子さんのためにも

といったようなことを感じます。

Web3で代表される仮想現実世界も面白いですが、空気感、風土、景色、人柄など、本当の世界を直接に触れ、そのなかで「何かを感じとる」ことの大切さを大いに実感しました!

いずれにしても、携帯アプリなどITツールを駆使することで行きやすくなったのであれば、それを使いこなして外の世界に出ない手はないかもしれません。

ということで、小西団長!!

スバキリ一味の価値観を広げるという意図で、福利厚生による海外研修(?)などのご検討はいかがでございましょうか?(笑)

まずは、福岡経由のフェリーで釜山

リーズナブルのようです。

イラスト―やましゅう
取材・執筆―白銀肇