クラウドファンディングで失敗したくない人へ:知名度ゼロでも成功できる「信頼構築」4つの条件

ノウハウ

クラウドファンディングに挑戦したいけど、知名度もないし上手くいくか不安……そんなあなたへ。

知名度がなくてもクラウドファンディングで成功できる理由があります。

それは「信頼構築」です

クラウドファンディングに失敗する原因を実例をもとに分析し、「信頼構築」するために必要なクラウドファンディング4つの成功条件について、わかりやすく解説します。

クラウドファンディング成功に必要なのは知名度ではない

「クラウドファンディングって、どうせ有名人しか成功しないんでしょ?」

そんなイメージを持っている方、それはただの思い込みかもしれません。

たしかに、注目されるプロジェクトの多くはメディアに取り上げられたり、インフルエンサーが関わっていたりします。

しかし実際は、クラウドファンディング全体での成功率は約3割にとどまっています。

つまり、有名かどうかだけでは、成功は決まりません。

クラウドファンディングでの知名度と信頼のバランス

知名度があると、確かに目立ちます。しかし、それだけでは「支援したい」と思わせる決定打にはなりません。

支援者が行動に移す最大の理由は、「この人は信頼できる」と思えるかどうかです。

つまり、知名度は入り口、信頼は支援をする決定打なのです。

 失敗事例から分析する信頼の重要性

今回、失敗事例として取り上げるのは、公道カートサービス存続にクラウドファンディングを活用しようとした事例です。

先日スバキリ商店の YouTube と Instagram でも、少し取り上げましたので、ご存知の人もいるでしょう。

Instagram

今回取り上げる実例は、クラウドファンディングの成功には信用信頼が重要で、知名度の高さは関係ないということを教えてくれます。

公道カートプロジェクトの経緯

2020年に公道カートサービスの提供存続を目的としたクラウドファンディングプロジェクト「SAVE THE STREET KART」が、CAMPFIRE で実行されました。

Screenshot

公道カートツアーサービス「ストリートカート」が運営資金を募るクラウドファンディングプロジェクトを開始。新型コロナの影響による営業自粛を受けて
訪日観光客向けの公道カートツアーサービスを展開する企業「ストリートカート」は、店舗運営資金を募るクラウドファンディングをCAMPFIREにて開始したことを、国内ゲームメディアのGameWatchが報じている。

しかし2025年4月現在、当該ページへのアクセスを試みると「404エラー」が表示され、コンテンツが削除されていることが確認されています。

AI によるプロジェクト概要のまとめ

AI に検索してもらった結果、次のようにまとめてくれました。

当時のプロジェクト資料によると、主要な特徴は以下の3点に集約されます:
1. **目標金額**:200万円(実際の調達額は11,569円)
2. **支援者数**:4名(内訳:500円×2名、5,000円×2名)
3. **リターン内容**:
– 500円:スタッフからのお礼メール
– 5,000円:2021年4月~2022年3月期間限定ツアーチケット(通常価格8,000円相当)

※※※現存する関連情報源※※※
インターネットアーカイブ「Wayback Machine」では、2020年7月1日時点のプロジェクトページのスナップショットが保存されています。主要コンテンツの約78%が復元可能で、プロジェクト説明文と支援者コメントの一部を確認できます。

〜 Perplexity AI によるDEEP  SEARCH の検索結果より抜粋 〜

プロジェクト失敗の背景と要因

このプロジェクト事例で重要なのは、信用無くして支援は集まらないということです。

公道カート存続プロジェクトは、知名度があるサービスだったにも関わらず、目標達成率0.578%で終了しました。

支援者わずか4人。訪日客向け公道カートのクラウドファンディング、目標未達で終了【やじうまWatch】
 訪日旅行客向けの公道カート観光アクティビティ「ストリートカート」がクラウドファンディングで行っていた支援プロジェクトがこのたび期限を迎え、支援者4人、目標達成率0.578%で終了した。

コロナ禍前、このサービス自体はとても人気でした。
皆さんも、SNS で東京や大阪の街中をコスプレした状態でカートに乗っている様子を投稿した画像などを見た記憶があるかと思います。

このプロジェクトが失敗したのは、次の2つの点からプロジェクトへの信用を集められなかったことにあります。

 ① 知的財産権や肖像権の問題

このプロジェクトが失敗した最大の理由は、無許可で他社の知的財産権や商標、肖像権を流用していたことです。

実は、このプロジェクトが実施された時、運営側は任天堂から不正競争防止法違反で提訴されていました。
利用客が着用するコスチュームが、任天堂の人気ゲームキャラクターであったこと、そして任天堂の商標を流用していると受け取られる固有名詞が多用されていたからです。

任天堂と裁判中の公道カートが支援金を募集中? マリカーとは別の名前…
任天堂と裁判中の公道カートが支援金を募集中?マリカーとは別の名前。任天堂と裁判中の公道カートに関するものではないかという話題が出ています。マリカーとは別の名前で支援金を募集中なのではないかというものです。任天堂は、旧社名「株式会社マリカー」、現社名「株式会社MARIモビリティ開発」という企業を相手に。

この状況が、過去にサービスを利用したことがある人たちを含めた世間全体に運営体制への不安要素を与え、支援することへの心理的抵抗を強めたと考えられます。

② プラットフォームの特性とのミスマッチ

そのほかにも、このプロジェクトで着目しておくべきは、プラットフォームとプロジェクト内容とのミスマッチがあります。

公道カートサービスは、日本へ観光に来た外国人観光客をターゲットにして運営されていました。
なので、コロナ禍後も同じターゲットに向けたサービスを提供するなら、海外在住外国人からの支援を集めやすいクラウドファンディングプラットフォームを選ぶべきだった、と見ることもできます。

実際、このプロジェクトの失敗要因としてCAMPFIREの主要利用層である国内個人支援者と、本来の顧客層である訪日外国人観光客との乖離も指摘されています。

2020年当時の同プラットフォーム統計では、海外居住者からの支援割合が平均3.2%だったのに対し、本プロジェクトでは0%でした。


クラウドファンディングのプロジェクトページでは、他人の商標登録や知的財産権、肖像権などを無断利用していないかを審査の際に確認されます。

他社の商標や知財を利用する場合は、プロジェクト実行前に必ず許可を得る必要があります。また、許可済みであることをプロジェクトページで説明することも重要です。

実例から学ぶクラウドファンディング実行での教訓2点

公道カートの実例から学ぶべき点は、大きく2つあります。一つは、実行者にとってリスクとなる情報であっても開示する重要性、もう一つはプラットフォームの選び方です。

⒈リスク開示の重要性

クラウドファンディングでは、できるだけ正直に情報開示をすることが重要です。
公道カート事例が示すように、進行中の法的リスクを開示せずに資金調達を試みると、支援者からの信頼を根本から損なう結果を招きます。

ちなみに、2024年施行のクラウドファンディング改正法では、訴訟関連費用への資金流用が50万円以上の案件で開示義務化されています。

後からバレて、信用を失うよりも、事実を正直に開示した上で支援を必要としていることを説明する方が、共感をされやすい。

公道カート事例は、「クラウドファンディング=信用度を数値化する」という図式をはっきりと提示してくれています。

⒉プラットフォーム選択の最適化

支援してほしい人へ届くプラットフォームを選ぶことの重要性も、この事例をインバウンド目的事業でのクラウドファンディングという視点から得られる重要な点だと言えます。

訪日客向けサービスならば、KickstarterやIndiegogoなど国際的認知度の高いプラットフォームの利用が有効です。
実際、2023年の調査では、日本発プロジェクトの海外支援率がCAMPFIRE平均4.2%に対し、Kickstarterでは38.7%に達しています。

自分のプロジェクトを誰のために行い、どんな人から支援されたいか。ここを見誤ると、知ってほしい人や共感してくれそうな人にプロジェクトが伝わらず、理解されないまま終わる可能性が高い。

上記のデータから、プラットフォーム選びの重要性も読み解けるでしょう。

【重要】クラウドファンディング失敗 4つの原因

クラウドファンディングが失敗する理由は、大きく4つの原因があります。いくつかのパターンに分類できますが、基本的には、プロジェクトの内容に対する信用と実行者への信頼、この2つを持てるかどうかがポイントです。

⒈ プロジェクトへの不信感

クラウドファンディングが支援されない最大の理由は、 プロジェクトへの不信感です。

投資家が、投資をする基準として「熱意と行動力」「お金の使い方」があります。これは、クラウドファンディングにも当てはまる点です。

  • 資金の使い道が曖昧
  • 実行する内容や目的がよくわからない
  • 個人の利益に特化しているように見える
  • 進捗状況が見えない

上記のようなプロジェクトでは、支援者は不信感を抱きます。

⒉ 現実的ではない目標額の設定

クラウドファンディングで資金調達に失敗する理由として、高すぎる目標額設定もあります。

現実離れした高額な目標金額は、支援者の心理的ハードルを上げてしまいます。

フォロワー数が数万人いるインフルエンサーがプロジェクトを実行する時に起きる失敗の多くは、だいたい高すぎる目標額設定によるものです。

⒊ 支援者とのコミュニケーション不足

クラウドファンディングに失敗する隠れた原因は、実は伝わっていないコミュニケーションにあります。

クラウドファンディングの成功には、コミュニケーションが必須です。告知も支援者や支援者候補となる人との重要なコミュニケーションの一つです。

開始後に発信が途絶えたり、問い合わせに返信がないなどの対応不足は、信頼を損なう大きな要因になります。

⒋ 実行するための準備不足

クラウドファンディングは、準備不足で行ってはいけません。プロジェクト自体は、最短10日程度で募集を立ち上げられますが、それでは確実に失敗します。

プロジェクトを公開した段階で、支援者候補との事前の関係づくりができていない場合、スタートダッシュに失敗します。
また、慌ててプロジェクトの紹介文などを即席に作成しても、身内にしか伝わらないプロジェクトページになってしまうことが多く、共感を集めることができないまま、期間終了となってしまいます。

【基本】クラウドファンディングに成功する信頼構築 4つの条件

① 信頼構築が最優先である

まずは「この人なら応援したい」と思われる土台を作ること。これが、成功するクラウドファンディングで最も優先することです。

そのためには、以下の部分が重要です。

  • 資金の使い道を細かく開示する
  • リターン(返礼品)の内容と発送時期を明確にする
  • 募集前から定期的な進捗報告をし、活動の「見える化」を行う
  • 目的に対する実行者の思いを SNS で伝え続ける

こうした部分を明確に公表することで、 プロジェクトへの信頼を高め、熱意や目的に共感されやすくなります。

② 小さな目標額からスタートする

クラウドファンディングは、達成しやすい目標額を提示することで成功するハードルが下がります。

いきなり大きな金額を狙うより、達成しやすい金額を設定することで、支援者へプロジェクト実現に対する現実的な印象を与え、応援したいという伸び代を作ります。

スポーツでもそうですが、順調に目標を達成していく様子が支援者を巻き込み、大きな波を生むことがクラウドファンディングでよく起きる現象です。

③ 支援者との事前コミュニケーション

クラウドファンディングは、コミュニケーション力が成功を左右します。どんなに良いプロジェクトであっても、知ってもらわなくては、支援されません。

プロジェクト公開前から、SNSやメルマガなどで関心を高めておくことが大切です。
また、支援してくれる人の8割は、実行者の友人知人関係者です。クラウドファンディングに挑戦する事を決めた時点から、周りの人に協力してもらえるように、直接会って案内をしていきましょう。

プロジェクトページが審査に通れば「お気に入り登録」などの事前機能を活用して、プロジェクトの目的に関心を持ってくれそうな層との接点を増やして、スタートダッシュを狙うことも重要です。

④ プランB まで計画立てて準備する

クラウドファンディングは、準備9割で結果が決まります。計画的に順位を進めていくことが、成功の近道です。

  • プロジェクト自体の計画
  • 資金の運用計画
  • 告知の段階的な計画
  • プロジェクトページの作成計画
  • リターン品の手配と履行計画
  • 目標額未達だった時のプランB計画

思うように支援が集まらなかった場合に備えて、リターン内容やプロモーション方法の見直しを事前に検討しておくことも、大切な準備活動です。

まとめ クラウドファンディングの成功は信頼構築の結果である

クラウドファンディングに成功することは、実行者が信頼されているということを数値で証明することです。

クラウドファンディングで本当に大切なのは、「どれだけ知られているか」ではなく、「どれだけ信頼されているか」なのです。

  • 資金の使い道を明確にする
  • 小さな目標から始める
  • 支援者との事前の関係づくりを重視する

これらを徹底して、しっかりと計画立てて準備することで、あなたのプロジェクトもきっと成功に近づきます。

有名じゃなくても、周りの人からの信頼があればクラウドファンディングは成功できる。

挑戦をためらっているあなたに、少しでも前向きな視点を届けられたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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