クラウドファンディングの成功には事前告知が非常に重要です。特に、個人がプロジェクトを実行する場合こそ事前告知活動が結果に直結します。
どうすれば効果的な事前告知活動が出来るのか?
クラウドファンディングに挑戦する際、事前に行うべき告知活動を6つのステップから詳しく解説します。
なぜクラウドファンディングは事前告知活動が重要なのか?
なぜクラウドファンディングを実行する場合、事前告知活動が重要なのか?それは、クラウドファンディングは準備段階の時点で既にスタートしているからです。
準備9割とよく言いますが、クラウドファンディングこそ準備が結果に9割直結します。その中でも、事前告知はプロジェクトページ作成と同じくらい、重要な準備活動です。
事前告知活動が重要な理由は2つあります。それは、プロジェクト成功を左右する支援者の確保とスタートダッシュに影響するからです。
クラウドファンディングの支援は9割が関係者である
クラウドファンディングで事前告知活動が重要な理由は、プロジェクトを支援する人たちの9割が実行者の関係者だからです。
個人でも企業や団体であっても、クラウドファンディングを支援してくれるのは、これまで関係性を築いてきた人たちがほとんどです。関係者から拡散が起きる場合もありますが、結局それは紹介による支援であり、実行者への信用信頼次第ということになります。
実行者が「クラウドファンディングに挑戦する」とプロジェクト実行の案内を出来る関係性のある人達の中にしか、支援してくれる可能性がある人はいません。さらに言えば、自分事のように応援し協力してくれる人も実行者の友人知人に限られます。身内から応援されない状況では、クラウドファンディングに挑戦すること自体、厳しいでしょう。
クラウドファンディングに挑戦すると決めた時点から、自分の身の回りに応援や協力をしてくれる可能性がある人を増やす。これこそ、プロジェクト成功につながる地道で確実な準備活動であり告知活動の軸なのです。
事前告知活動でスタートダッシュを狙える
事前告知活動の重要度は、プロジェクトページ公開直後から5日間の初動に影響します。
過去の統計によると、プロジェクトページ公開から5日以内に目標額の13%以上支援を集めたプロジェクトは、約9割が目標金額の調達に成功しています。
また、ページ公開24時間以内に目標額30%以上を超えると、ネクストゴールやストレッチゴールを狙える可能性が増えるだけでなく、プラットフォームからのプロジェクト拡散も期待できるのです。
このスタートダッシュの恩恵を受け、プロジェクトを成功させるためには、事前告知をキチンと行うことが不可欠です。
開始24時間以内の達成率がプロジェクト成功に最も影響することは、別記事でも解説しています。そちらもご確認ください。
【基本】クラウドファンディング事前告知活動の6ステップ
クラウドファンディングを実行する上で、事前に行うべき告知活動の基本を6つのステップで解説していきます。
ここでは主に、既に広報活動などを行っている会社や中規模以上の団体やチームでのプロジェクト実行での基本的な内容となります。
個人でプロジェクトを実行する場合は、基本のステップに加えてさらに重要な部分がありますので、後ほど【個人向け】としても押さえるべきポイントを解説します。
1. 関係者へのプロジェクト説明と協力者探し
事前告知最初のステップは、プロジェクトの目的や想いを身近な人や関係者に伝えるところから始まります。
なぜクラウドファンディングに挑戦したいのか?その目的はどういう点にあるのか?実行者自身も頭の中を整理しながら、いろんな人へ相談する形で行いましょう。
その時、プロジェクトに対して否定的な意見を言われたとしても、ちゃんと受け止めることも必要です。疑問や否定的な意見は、プロジェクトをより理解してもらうためにクリアすべき改善点だからです。
プロジェクトを準備し始めた時点で、話をしっかり聞いてくれ共感が得られる人は、単なる支援者ではなく「協力をお願いできる仲間」となってくれる大事な味方です。
全面的に協力をお願いできる人を最低でも外部に3人、見つけられると良いでしょう。その人たちが事前告知活動を自信もって進めていくための精神的な支えとなってくれます。
2. 具体的な目標設定と目的の共有
クラウドファンディングに挑戦することについて、いろんな人の意見を求めていくと同時に、プロジェクトを実行する目的の明確化をし、具体的な目標を設定します。ここで設定する目標は次の2つです。
- プロジェクトを実行するために必要な費用と調達する金額
- プロジェクトを実行する期限や全体のスケジュール
この2つを元に、チーム内あるいは外部協力者と相談をして、より具体的な計画を立てていきます。プロジェクトに関わる人々と計画や目標金額を共有することで、リターン設計や広報活動で必要な準備項目が具体的に見えてきます。
この時点から、SNS上などでクラウドファンディングに挑戦することを発信して、次のステップに繋げていきましょう。
3. 関係者へ個別に事前案内
クラウドファンディングに挑戦する目的や理由、目標とする金額などがしっかりと固まれば、いよいよ関係者への事前案内を始められるタイミングです。
事前案内は、3つの段階で行います。
- プラットフォームを決め、プロジェクトページを作成し始めた段階(募集開始1か月~2か月前ごろ)
- プロジェクトページが完成し、限定公開する段階(募集開始2週間前ごろ)
- プロジェクトページ公開3日前ごろ
3ー1.最初の案内は、親しい人たちへ
個別案内1回目は、準備が始まる前に話をした人だけでなく、3ヶ月以内にやり取りした身近な人々へ向けて行います。直接会って案内することが理想ですが、文面で伝えることで記録として残すことが出来ます。可能な限り個別にメッセージを送りましょう。メッセージには以下の内容を上から順番通りに記載します。
- クラウドファンディングに挑戦することへの簡単な説明
- 公開予定日時
- プロジェクトへの想い
この時点で協力的なリアクションがある人は、プロジェクトを実行する上でとても大事な協力者候補です。
3ー2.ページが出来たら、できるだけ多くの知り合いに
プロジェクトページの審査が通り、2回目に個別で送る案内には、以下の項目を追加します。
- プロジェクトページのURL(公開前でも送付可能)
- 「お気に入り登録」への協力
この時点から、年単位でさかのぼり、 プロジェクトの案内を出来そうな人へも個別に連絡をとり、案内メッセージを送っていきます。
「お気に入り登録」をしてもらうと、活動報告が毎回一斉に送信されるので、プロジェクトへの関心を高めて相手を巻き込んでいくことにつながる重要なリアクションとなります。
3ー3.公開直前は一番案内しやすいタイミング
個別案内での3回目、公開直前ではできるだけシンプルなメッセージで案内を行います。事前告知の中でも一番案内がしやすく、送られた側も案内される理由や状況に理解がしやすいタイミングです。やや疎遠気味な人も含めて、出来る限り多くの人へ個別に案内を行いましょう。
案内では、あくまでも情報は必要最低限にとどめ、詳しい情報はプロジェクトページで確認してもらうようにします。
案内を受け取った人が自発的に動ける選択肢を用意することで、クラウドファンディングが実行されることに興味関心が高い人だけに詳細を伝えることができます。
4. SNSを活用した事前告知
SNS上での情報公開は、告知活動としてとても有効です。ただし、クラウドファンディングのために慌ててアカウントを作成しても、他の情報に埋もれてしまう可能性が高いです。
クラウドファンディングに挑戦しようと決めた時点で、少しづつSNS上でも発信をしていきましょう。活動に関するハッシュタグも積極的に活用し、プロジェクトへの関心を持つ可能性がある人へつながる工夫も大切です。
メルマガや、DMでも案内をする流れとタイミングは基本、個別案内と同じです。プロジェクトページが限定公開できるタイミングと、開始前日に関しては、クラウドファンディングだけの案内を送りましょう。
準備期間中は、他の案内や情報と一緒に、クラウドファンディングに関する情報も繰り返し案内して、読者の記憶の片隅に残る工夫も重要です。
5. メディアを活用した事前告知
可能であれば、プレスリリースなどのメディアを通じて事前告知を行います。こちらも、プロジェクトページが完成し、公開開始日時を解禁できるタイミングと公開開始当日の2回で情報公開を行います。
取材依頼ができる新聞社や雑誌編集者などの伝手があれば、準備段階で話を持ちかけることも大切です。
6. 支援依頼の根回し
事前告知活動の最後、公開1週間前から親しい人やプロジェクト関係者に初日の支援を依頼する根回しをします。
支援と同時に支援実施完了したことをSNS上などで公言してもらうように依頼することで、公開初日より口コミ効果が期待できます。
これらのステップを着実に実行することで、クラウドファンディング公開後の良好なスタートダッシュを期待できます。事前の根回しによる関係者との協力関係を作り上げることが、プロジェクト成功の鍵となります。
【個人向け】クラウドファンディングの事前告知6つのポイント
個人がクラウドファンディングに挑戦する場合でも、基本的な事前告知活動の流れは変わりません。ただし、いくつかの点で重視するべきこと、やるべきことが違います。ここでは、個人向けの事前告知活動で重視すべき6つのポイントを解説します。
個人がクラウドファンディングに挑戦する場合、組織よりも柔軟に動けるメリットがあります。この利点を活かし、個性的で魅力的な事前告知活動を展開することで、プロジェクトの成功確率を高めることができます。
1. 個人的なつながりを活用する
個人の場合、企業や団体と比べて後ろ盾となるつながりが100%友人知人に限られます。そのため、以下の2つが告知活動の柱になります。
- 友人知人へ協力を依頼
- SNSの積極的活用
身近な人々にプロジェクト実行に関する情報の拡散について協力を依頼し、個人のSNSアカウントを最大限に活用し、プロジェクトの情報を定期的に発信することを並行していくことで、興味関心を持つ人の輪を広げていく可能性が増えます。
2. ストーリー性をしっかりと伝える
個人プロジェクトの場合、個人の背景やストーリーが重要になります。実行者以外の人間からすると、クラウドファンディングへの関心度や重要性は低いのが現実です。話す相手全員が興味が持てるとは限りません。
- 個人的な動機の共有
- 動画や写真など視覚的コンテンツの活用
クラウドファンディングに挑戦すると伝えた上で、相手の反応を確認しましょう。実行者の話に耳を傾けてくれる状態で、「なぜ自分はクラウドファンディングをするのか」について話し始めます。
写真や動画を使って、プロジェクトの背景や進捗を視覚的に伝え、プロジェクトに取り組む理由や個人的な経験を詳しく説明することで実行者とプロジェクトの内容両方へ興味関心度を高める効果が見込めます。
3. プロジェクトを実行することへの信頼性を高める
個人プロジェクトは、企業や団体と比べると信頼性の面で不利な場合があります。そのため、次の2つに関して誰もが納得する情報を公開しておきましょう。
- 実行者の実績やスキルなど専門性のアピール
- プロジェクト実行に対する透明性の確保
プロジェクト実行に関連する経験や資格、実績を具体例を挙げて積極的にアピールします。透明性を確保するために、プロジェクトの進捗や資金の使途については、できるだけ具体的な数字を出して定期的に情報を公開しましょう。
4. 応援してくれる仲間を増やす
個人でのクラウドファンディング実行では、支援者との直接的なつながりを重視しましょう。友達の友達は、大事な支援者候補です。
- 個別にコミュニケーションをとる
- SNSでライブ配信を行う
可能な限り、人に会う時間を作りプロジェクトへの興味を持つ人を増やし、個別にコミュニケーションを取る努力をします。SNSアカウント上でも、ライブ配信などでプロジェクト実行について説明やQ&Aなどを実施します。
5. 準備期間に余裕を持たせる
クラウドファンディングを個人で行う場合、すべての準備を実行者本人が行います。そのため準備に時間がかかる可能性があリマス。プロジェクト実行のスケジュール管理では以下の点に注意します:
- 充分な準備期間の確保
- 現実的な時間工数予測
プロジェクト実行スケジュールの平均期間は、募集期間を含め約3ヶ月です。募集開始の1〜2ヶ月前から、プロジェクトページ公開に向けた準備を始めます。想定外に時間がかかる場合が起きるのは、プラットフォームでの審査期間です。スケジュール通りに進まないことも含めて、一つ一つの準備に関する時間工数には余裕と現実的な予測を反映させておきましょう。
6. 情報が拡散できるように工夫する
もし可能であれば、より広くプロジェクトについて知ってもらう手段として、メディアを活用することも検討しましょう。個人でも効果的なメディア露出は可能です。
影響力のある友人知人がいれば、SNS上で紹介してもらうことも一つです。地域に根ざしたプロジェクトの場合、地元メディアに積極的にアプローチします。
ただし、メディア活用は余力が有れば行う程度で問題はありません。告知活動がうまくいき、プロジェクトに注目が集まる魅力があれば、個人でも取材されるケースは多々あります。
事前告知を行う上での気遣いポイント
クラウドファンディングの告知で重要なのは、相手への気遣いです。クラウドファンディングは、実行者のコミュニケーション力が試されると言っても過言ではありません。
事前告知は実行者の想いと目的を伝える手段である
事前告知は単なる支援依頼ではなく、プロジェクトの想いや目的を伝える機会です。
実行者の素直な気持ちや挑戦する理由、実現したらどんな効果が起きるか。それらを伝え続ける中で、協力しようという共感や応援しようという自然な信頼関係を築くことが狙いです。
相手に最初から支援を期待して依頼するのではなく、プロジェクトへの共感を得ることを目指し、目的をシンプルにわかりやすく伝えることが事前告知活動で最も重要な姿勢と態度です。
相手に響く言葉を選ぶ
事前告知に必要なのは、相手がプロジェクトに興味関心を持ってもらうことです。そのため、相手の心に響く言葉を選ぶことが重要です。
実行者が普段から考えていること、経験や体験から出てくるありのままの言葉。わざわざ難しい言葉を使う必要はありません。
気心知れた人。先輩後輩関係。仕事などの関係者。実行者との関係性や親密度によって、相手の心に響く言葉は違います。
この人には、どう説明したら伝わるだろうか?
相手がどう受け止めてくれるかを考えながら、相手に応じた伝え方を工夫しましょう。
友人や知人だからこそ礼儀を大切に
友人知人だからこそ、親しき中にも礼儀ありなのが、クラウドファンディングの告知です。
「絶対応援してくれる!」と信じきって、軽いノリで案内をするのではなく、「絶対に実現したいから!」という熱意を真剣な態度で表現しましょう。
相手に気を配り、耳を傾けてもらえるタイミングで話をすることは、コミュニケーションの基本姿勢です。実行者の真剣な態度や姿勢が相手の聴く態勢を呼び、実行への共感へと繋がります。
誰しも他人から頼られることは、嬉しいことですが、協力してくれて当たり前だと言わんばかりな態度や姿勢では、相手からの信用が下がります。
クラウドファンディングに挑戦することは、誰にとってもビッグイベントです。大事な人たちから快く協力してもらえるように、マナーや礼儀を大切にした案内を心がけてください。
まとめ 事前告知活動はクラウドファンディング成功の絶対条件である
クラウドファンディングを成功させるには、事前告知を行うことが絶対必須条件です。
なぜクラウドファンディングに挑戦する必要があるのか。
成功して、どんなことを実現したいのか。
家族や友人、身の回りにいる人を協力体制に巻き込んでいくことが、事前告知を行う意味です。
特に個人でプロジェクトを実行する場合は、なりふり構わずに誰でも彼でもに案内しても、嫌がられ印象を悪くする可能性があります。
6つのステップを順番通りに積み重ねていくことで、実行者とプロジェクトへの信頼を高め、興味関心を共感へと変えていくことができます。
クラウドファンディングは、コミュニケーション力を試される試練でもあります。
相手への礼儀を大切にして、真剣な態度で丁寧な説明を行うことが、関係性を深める重要なポイントです。
準備段階から、コツコツと地道に神輿を積み上げる事前告知活動をして、プロジェクトを成功へと導いてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
事前告知活動のサポート、ご相談ください
最後まで読んで、「自分1人では無理かも」と思われているあなた。
スバキリ商店では、豊富な経験を持つプロジェクトディレクターによるクラウドファンディングのサポートを行なっています。
サポートメンバーには、クラウドファンディングを実行した経験者もいますので、プロジェクトの目的に応じた具体的なアドバイスが可能です。
1人ではプロジェクト実行が不安だとお悩みでしたら、お気軽にご相談ください。
実行者との交流もできる週1回のオンライン交流会をFacebookグループにて開催しております。
挑戦する人をスバキリ商店は応援しています!