クラウドファンディングを実行するなら、どのくらい準備期間が必要なのか?
実は、90日あれば、初心者であってもクラウドファンディングでプロジェクトを成功させる準備は可能です。
90日間で成功するクラウドファンディングを準備する具体的なスケジュールを詳しく解説します。
クラウドファンディングに挑戦する前に知っておくこと
クラウドファンディングに挑戦すると決める前に知っておくべきこと、それは、クラウドファンディングの本質と、仕組みです。
クラウドファンディングとは、ただの資金集めではありません。クラウドファンディングの本質は「人集め」にあります。
クラウドファンディングの本質と仕組み
クラウドファンディングとは、「人とお金を一度に集める仕組み」です。クラウドファンディング自体の言葉の意味は、「不特定多数の大勢から資金を調達する」ですが、どうやったら「不特定多数の」「多くの人たち」から「お金を集める」ことができるのでしょうか?
「こういうことを実現したい」という提案に対して、共感した人が集まり、その意思表示として「支援金」が集まる。これが、クラウドファンディングの本質です。つまり、プロジェクトを心から応援してくれる人が集まらないと、お金も集まりません。
クラウドファンディングは、実行者と支援者そして、支援者との仲介をしてくれるプラットフォームによって成り立つ仕組みです。
プラットフォーム上で、実現したいプロジェクトを紹介し、決済を代行してもらうことで、実行者は支援金を受け取ることが出来ます。支援者は実行者と面識がなくても支援を出来るだけでなく、リターン品の発送先についても、プラットフォーム上で入力する仕組みとなっています。
クラウドファンディングは、実行者と支援者、そして両者の架け橋となるプラットフォームという3者によって成り立つ、インターネットサービスを活用した資金と支援者両方を一度に集める行為なのです。
最適なプラットフォームの選び方
クラウドファンディングを実行する上で、重要な存在がプラットフォーム運営会社です。
クラウドファンディングは、プラットフォーム運営会社のシステムを利用して、プロジェクトの紹介ページをインターネット上に掲載してくれる役割です。ページを掲載するだけでなく、決済代行も担当してくれることで、実行者自身の入金に関する事務的な作業負担を軽減してくれる存在でもあります。
初めてクラウドファンディングに挑戦する場合、プラットフォーム運営会社を選ぶ際に重要なのは、次の2点です。
- 自分の目的と同じジャンルのプロジェクトを過去に掲載して、成功事例がある
- プラットフォームの知名度がある
現在、クラウドファンディングのプラットフォームは、多種多様化しています。そのなかでクラウドファンディング未経験者が、自分のプロジェクトを実行するために最も重要なのは、プラットフォームとプロジェクトの相性です。
新商品やサービスを紹介する目的なら、購入型プラットフォームを選んだ方が、顧客を発掘する可能性が高いですし、災害支援や社会貢献であれば寄付型のプラットフォームを選ぶ方が、活動への理解度が高い支援者とつながることが出来ます。
クラウドファンディングのタイプ別にプラットフォームを比較検討される場合、こちらの記事が役に立つかもしれません。
【90日実行プラン 1か月目】プロジェクトの土台作り
90日でクラウドファンディングの準備を行う上で、最初の1ヶ月は土台をしっかり作る期間です。
最も時間をかけるべきは、目的の明確化。それ無くして、プロジェクトの土台は作れません。
目的の明確化、目標金額の設定、過去事例の研究、SNS の運用計画という順番で、詳しく解説します。
1週目 プロジェクトの目的を明確にする
90日間の準備期間で一番最初にすべきことは、目的の明確化です。
プロジェクトの成功には、明確な目的が欠かせません。なぜその活動をするのか、誰のためにするのかをはっきりさせましょう。
目的が明確でないと、計画や行動がぶれやすくなります。具体的なビジョンがあれば、メンバーや支援者にも説得力を持って伝えられます。
例えば、「地域福祉を充実させたい」という目的でのプロジェクトなら、「多様性を尊重する社会を目指す」や「親子で参加できる高齢者支援活動の場を作る」などの実現したいイメージから、具体的な行動目標を立てると良いでしょう。
目的を具体的な言葉にすることで、プロジェクトの軸がしっかりします。クラウドファンディングを実行する目的を、誰に訊かれても自信を持って伝えられるように、時間をかけて自分のビジョンを洗いざらい全部、書き出しましょう。
2週目 目標設定の具体的な手順
目的を明確にしたら、次は目標設定です。
目標は具体的かつ現実的に設定し、実現可能な計画を立てることが重要です。
目標が具体的でないと、進捗を測れず、達成感を得られません。また、過大な目標は途中で挫折する原因になります。目的を実行するための資金計画では以下を考慮します。
- 必要な経費をリストアップする
(イベント会場代、製作費など) - 想定できる収入源
(預貯金、借入金、クラウドファンディングで集めたい金額) - シミュレーションと逆算
(1万円×100人で100万円を目指すなど)
目標を具体的に数値化し、実現可能な計画を作ることで、プロジェクトを成功させるために必要な項目が把握しやすくなります。
3週目 過去事例の研究と競合分析のやり方
クラウドファンディングを実行する目的と具体的な目標が固まれば、次は成功するための戦略を立てましょう。
過去事例の研究と競合分析は、プロジェクトを差別化し、成功させるためのカギです。同じ目的で実行された事例を研究し、動向を理解することで、支援者の動きを把握し、独自の価値を見出すことができます。
地域福祉活動を始めるためのクラウドファンディングなら、以下を調査します。
- 似た活動を行う団体(競合)やその特徴。
- クラウドファンディングで実行された地域福祉活動目的のプロジェクト事例
- 類似プロジェクトが多く掲載されているプラットフォームと件数や実績
- 対象者の声やニーズ(アンケートや SNS でのリアクションや検索キーワード)
- 地域や専門分野に特化するなど、プロジェクトの独自性を打ち出す切り口
プラットフォーム上の過去プロジェクトや公開中の事例から、どういう点が共感され、支援されているかを観察しましょう。また、インターネットや SNS を活用して情報を集め、実行者ならではの独自性と他との差別化ポイントを見つけることも重要です。
4週目 SNSのアカウント整備と投稿計画
過去事例の研究と同時並行で行いたい事前準備が、プロジェクトの告知で活用する SNS の整備です。
SNS は、プロジェクトを広めるために活用できる効果的なツールです。そのため、投稿がより多くの人に見てもらえるようアカウントの整備と計画的な投稿が重要となります。一貫した投稿内容と投稿時間の調整で、伝えたい情報を効率的に届けられることが出来ます。
- プロフィールに興味関心や活動目的を明記
(共通のテーマを持つフォロワーを増やす) - 投稿テーマを週単位で事前に決める
(例:月曜は今週の予定案内、水曜はアウトプット、金曜は活動報告など) - 定期的な投稿スケジュールを組む
(SNS やブログの閲覧数が高い時間帯に合わせて投稿する習慣づけ)
【90日実行プラン 2か月目】リターン設計とプロジェクトページ作成
90日でプロジェクトを公開に向けて準備する上で、メイン作業となる期間が2か月目です。土台となる部分がある程度固まれば、プロジェクト内容を伝えるページ作成を行えるようになります。進捗目安としては、開始から1か月から1か月半を過ぎる頃です。
1か月目に行なった内容をもとに、実行者独自のストーリー性が高いプロジェクトページを作成していきます。それと並行して、SNS ではプロジェクトの準備状況を発信していくことも、忘れずに行なっていきましょう。
5週目 支援者目線で考える魅力的なリターン設計
目標金額の概算が立てば、リターンの設計に入ります。リターンの設計手順としては、以下の段階から行うことが望ましいです。
- 支援が見込める人数から、平均支援額を算出する
- リターンとして喜ばれそうな商品やサービスを書き出す
- 同じ種類のリターンで、2~3段階の価格差を出せるものを抜き出す
- リターンの割り振りをして、準備する数量を決める
- 5万円以上の高額リターンを用意するか検討する
リターンの平均額は、1万円前後と言われますが、実質一番支援されやすい金額は5千円前後です。高額リターンが支援される見込みがある人はともかく、1人でも多く支援を集めたいのであれば、中心価格は5千円~1万円で設計する方が妥当ですし、現実的です。
クラウドファンディングで支援をしてくれるのは、基本、実行者の関係者です。そのことを前提にして、喜んでもらえるリターンは何か?という視点から、リターン候補を選んでいくことも重要です。
商品やサービス、イベント開催などでは、「クラウドファンディング限定」という特別感の強いリターンも支援につながりやすいので、過去事例などを参考にして支援者目線で設計していきましょう。
リターン設計の詳しい解説は、別記事で行っていますので、そちらもご参考ください。
6週目 共感を呼ぶプロジェクトページ作成
リターン設計がある程度まとまれば、いよいよプロジェクトの告知で活用するプロジェクトページの作成に入りましょう。
プロジェクトページの具体的な作成手順としては、大きく3段階に分かれます。
- プロジェクトの具体的なイメージを伝える写真やイラスト、動画の準備
- プロジェクトの実行目的や理由のストーリー化
- プラットフォーム上で入力&制作
プロジェクトページの作成に関しては、なるべく専門家に頼むことをお勧めします。その方が、効率よく見やすいページを作成できるからです。専門家に頼む場合でも、画像や実行目的のストーリー化については、実行者が準備する重要な部分ですので、詳しく解説します。
信頼を得るための写真・動画の準備
プロジェクトページに載せる画像や動画には、プロジェクトの内容を一目で伝えられるだけでなく、実行者への信用や信頼を得る目的があります。そのため、ある程度の見栄えや説得力のあるものの方が良いです。
実行者の育ってきた背景に関連するプロジェクトなら、その裏付けになる子どもの頃の写真があることでイメージがされやすくなります。地域活性などでは、現在と過去の対比できる画像があると説得力が増します。アイデアノートなどの手書きメモや、作業中の様子など、実行者の熱意を感じられる画像などもプロジェクトへの信用につながります。
支援者にどんな思いをくみ取ってほしいのか。何を伝えたいのか。その一番強い印象を与えるのが、トップ画像と呼ばれるプロジェクトページの最初に掲載する画像です。トップ画像の印象で、プロジェクトページを見るかどうかが決まると言っても、過言ではありません。
プロジェクトページをちゃんと見てもらえる工夫は、トップ画像とページ内で掲載する写真選びにあります。自分一人では決められなければ、身近な人に協力してもらい、内容を知りたくなるようなイメージの伝わりやすい画像を選びましょう。
支援したくなるストーリーの書き方
プロジェクトページは、紹介文と画像で出来ています。プロジェクトを応援し、支援してほしいという実行者の想いを文章にして、読んでもらう必要があります。
プラットフォーム上の入力ページでは、目的や理由を書く項目を区分けしてありますが、普段文章を書いていない人には、とてもハードルが高い部分です。
もし、実行者が自分で書くのであれば、最初に行った目的の掘り下げから、以下の3つについて説明することが書きやすく、支援者にも伝わりやすいでしょう。
- プロジェクトを行う目的
- クラウドファンディングに挑戦する理由
- 目標金額を達成してあとの未来予想図
できるだけ、最後まで読んでもらえること。実行者の想いがこもっていること。
プロジェクト紹介文を書くために必要なのは、文章力より目的の明確化です。最初の1か月目に、どれだけ目的について掘り下げて、言語化し、書き出してみたかが役に立ちます。
文章を書くのが苦手であれば、プロのライターに頼むことも重要です。友人や知人に、文章が上手い人がいれば、協力してもらうことも必要かもしれません。
7週目 プロジェクトページ公開前の最終チェックリスト
プラットフォーム上で掲載するプロジェクトページは、審査に出す必要があります。これは、プラットフォーム側の運営上、法的な部分などで問題となる項目がないかチェックし、プラットフォームが掲載しても良いという許可が出ないと、プロジェクトページの公開が出来ないのです。
プラットフォームが、審査項目として特に注意してみる点は以下の3項目です。
- 法律上資格が必要なサービスや商品(医療行為やアルコール販売など)
- 暴力的、または反社会的な活動など公序良俗に反する項目
- 知的財産権や著作権に関する項目(商標登録やキャラクター流用など)
リターンも含め、プラットフォーム側から審査の差し戻しが起きる場合もあります。その場合は、指摘された項目を訂正する必要が出てきます。訂正して再度、審査を申請しましょう。
プラットフォーム側へ審査を申請し、早ければ翌日以降には回答が出ます。審査が通過するまで余裕をもって3~5日程度の期間を想定しておくと良いでしょう。
【90日実行プラン 3か月目】プロジェクトの案内と支援者候補集め
プラットフォーム側へプロジェクトページの審査を申請したら、公開までのカウントダウンに入ります。順調に準備が進めば、プロジェクト開始から2か月目の後半から3か月目に入った頃です。
審査通過後から公開までの期間を多くとる必要はありません。ただ、どんな良いプロジェクトでも、誰にも知られていないと支援は集まらないので、最低でも10日程度は告知案内の期間が必要です。
事前告知を行う上で気を付けるべき案内手順とリスト作成について解説していきます。
失敗しないプロジェクトの案内手順
クラウドファンディングに失敗する可能性を一番大きくするのが、実は事前告知の態度です。
実行者は、90日近くプロジェクトの準備に奮闘していますが、周りの人達はそれを知らない場合がほとんどです。SNS 上でいくら発信をしていても、ほぼ伝わっていないと考えておく方が良いです。そのため、プロジェクトの告知案内での態度が理由で、プロジェクトへの興味関心すら持たれない場合もあることを知っておきましょう。
クラウドファンディングに協力してくれる人は、9割が実行者の関係者です。だからこそ、いきなり支援をお願いするのではなく、クラウドファンディングに挑戦するという事実から伝える必要があります。
案内の手順は以下の通りです。
- クラウドファンディングに挑戦することを伝える
- 理由を簡潔に短く伝える
- プロジェクトページの公開日を伝える
- 審査通過していれば、ページのURLを伝える
クラウドファンディングに挑戦することは、自分を応援してもらえるかを試すことです。そこを絶対に忘れてはなりません。できるだけシンプルに、事実だけ伝えて、相手が興味を持ってくれるかどうかをちゃんと見てから、詳しい案内をすることがとても重要です。
支援者候補リストの作成
クラウドファンディングに挑戦する事前案内を行うためには、誰に案内をすればよいか?というリストを作る必要があります。言い換えれば、誰から案内するか決めておく必要があるのです。リターン設計時に支援してくれる可能性がある見込み者を書き出していれば、その人たちから案内をしていきましょう。
告知を行うというのは、とても面倒な行動です。なぜなら、一方的な告知では、伝わっているかどうかの判断が出来ないため、相手の反応があるかどうかも観察して、いろんな形で告知する必要があるからです。
自分が伝えやすい人、案内しやすい関係性のある人から、少しづつ事前案内を行いましょう。その案内へリアクションがあるなしで、支援してくれる可能性があるなしを判断しても良いです。SNS 上でのいいねや閲覧数は、あまり参考になりません。メールなどできるだけ、本人と直接やり取りをして、反応がわかる手段がおすすめです。
案内を行い、好意的な反応を返してくれた人は支援者候補にリストアップしておきます。逆に、反応が薄い人も別でリストアップしておき、プロジェクトページ公開期間終了間際に、もう一度だけ案内する人として分けておきましょう。
【90日実行プラン 補足】 プロジェクトの初動を成功させるコツ
クラウドファンディングに成功するためには、プロジェクトの初動が重要です。初動の成功は、プロジェクトの公開24時間までの目標達成率にかかっています。成功事例の大半は、初動に成功して支援を伸ばし続けた結果、目標金額達成を実現しているケースです。
どうすれば、プロジェクトの初動を成功させられるか。解説していきます。
初日24時間で20%を目指す意味
プロジェクトの初動では、支援募集開始24時間で目標金額の20%を超えることが成功の目安です。その意味は、プラットフォーム上のアルゴリズムにあります。
支援募集開始直後に、多くの支援を集めているとプラットフォーム上で判断される数値の基準が、目標金額の20%というラインなのです。初日に20%以上を超えれば、注目されて人気があるプロジェクトであると、プラットフォーム上で判断されます。
人気があるプロジェクトと認められれば、プラットフォームが出す SNS 広告で紹介されたり、プラットフォーム上や SNS 上でも、現在注目されているプロジェクトとして不特定多数の人の目に留まりやすくなります。その結果、実行者の関係者以外からの支援を受けられる可能性が出るのです。
初日20%超えに向けた「お気に入り登録」の獲得
プロジェクトページの審査が通ったら、事前案内を行います。その時に初動対策として「お気に入り登録」について、必ず案内しましょう。
「お気に入り登録」とは、プロジェクトページを限定公開し、そのページを見た人が支援募集開始の通知を受けられるというシステムのことです。この「お気に入り登録」の人数も、プロジェクトへの関心度を数値化するため、プラットフォーム上でのアルゴリズムに関係します。
実際に、プロジェクトへの共感が強い人が「お気に入り登録」するため、「お気に入り登録」が多ければ多いほど、初動を盛り上げてくれる可能性があります。
「お気に入り登録」に関する詳しい解説は、こちらの記事でお読みいただけます。
まとめ 90日でクラウドファンディングを実行することは誰でも可能である
90日間で、クラウドファンディングを実行する準備は誰でも可能です。ただし、最初の2か月間に行う準備のひとつひとつが順番通りに積みあがらないと、予定通りには進みません。
クラウドファンディングは準備が9割です。その土台となるのは、明確な目的と具体的なスケジュール、そして、実行者の気力と熱意です。
準備がスムーズに進めば、気力や熱意を告知活動へ使うことが出来ます。プロジェクトページの製作は、想定以上に気力も労力も使いますので、頼れる部分はプロの力を頼る人も多いです。
90日準備を真剣に行えば、クラウドファンディングで成功し、自分のやりたいことを実現することもできます。何か挑戦したいことがあるなら、人生で3か月間真剣に集中してクラウドファンディングを実行するという選択もあるのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
90日でクラウドファンディングに挑戦するならスバキリ商店
スバキリ商店で行うクラウドファンディングのプロデュースは、だいたい90日前後で準備のスケジュールを組み、段階的にサポートしています。
プロジェクトページの作成も、全て丸投げで OK!目的の明確化も、スバキリ商店のディレクターが一番最初の面談でお手伝いします。ですから、普段の生活をしながら、真剣にクラウドファンディングの準備を行うことも可能です。
詳しくは、お気軽にご相談ください。
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