クラウドファンディングを成功させる答えは、過去事例の中にあり!
実行者への成功見本として、過去にスバキリ商店がプロデュースした100万円達成事例から、16カテゴリー48プロジェクトを一挙に紹介!
日本で最も多く支援額を集めたプロジェクトや、個人で最も多く支援を集めた実行者、2つの成功事例から、クラウドファンディングで支援される4つの鉄則についても解説します。
実行したいジャンルがある人も、クラウドファンディングをまだ知らない人も、実行者の個性あふれる具体的な成功事例とその内容は、要チェックです!
【基本】クラウドファンディングの成功は目的を実現すること
クラウドファンディングの成功とは、プロジェクトの目的実現です。
クラウドファンディングを実行する上で、資金調達は目的実現のための資金を確保することに過ぎません。支援を集める課程で得られる実行者の成長や経験、支援者との繋がりも重要な成果だからです。目標額に達しなくても、新たな協力者を得たり、プロジェクトの認知度が上がることも成功の一部分です。
クラウドファンディング実行を通じ、プロジェクトの目的を明確に伝え、支援者との関係性を築きましょう。資金調達額だけでなく、得られた経験や支援者からのフィードバックなども成功につながる大切な成果です。
プロジェクトの目的達成に向けて、資金調達を含む様々な成果から総合的に成功したと言えるよう、真剣に取り組むことが重要です。
クラウドファンディングで支援される4つの鉄則
クラウドファンディングで目標金額を達成できる支援者数を集めるためには、4つの鉄則があります。4つの鉄則のどれが欠けても、金額的に達成することだけでなく、本当の意味でプロジェクトが成功したとは言えません。
プロジェクトを実行する上で、必ず押さえるべき4つの鉄則について、解説します。
1.強い共感を得られる明確な目的
クラウドファンディングで支援を集めるには、明確な目標に対する強い共感が絶対必要です。
支援者は自分の価値観や信念に共通する目的や感情を刺激するプロジェクトに興味関心を持ちます。 食の安心安全に関するプロジェクトや、災害支援、社会に貢献するユニークな製品開発などが人気プロジェクトになる理由は、誰もが共感しやすくわかりやすい実行目的だからです。
プロジェクトが目指す目的や実行者の持つ信念を丁寧に説明し、支援者の心に響くストーリーを構築しましょう。 目的をわかりやすく魅力的に伝えることで、多くの人々の共感を得られ、支援につながります。
2.支援につながる魅力的なリターン設計
魅力的なリターンは、支援したいという気持ちを高める重要な要素です。 支援者は、プロジェクトへの応援に対する見返りや特別な体験を求めているからです。
クラウドファンディング限定商品、イベント参加権、支援者の名前を製品に掲載するなどが効果的です。 松竹梅の法則を参考に、支援金額に応じた段階的なリターンを用意し、それぞれの段階ごとに魅力的な特典を提供しましょう。
一度に高額の支援を受けることも目標金額達成には必要ですが、たくさんの人が支援してくれる少額からの段階的リターン設計が欠かせません。
支援者にとって価値のあるリターンを設計することで、支援を行う満足度を高め、プロジェクトの成功確率を上げることができます。
松竹梅の法則などリターン設計について、別記事でも詳しく解説しております。
3.プロジェクトの目的が伝わる効果的な告知活動
効果的な告知活動は、プロジェクトの認知度と支援を高める要素です。 多くの人々にプロジェクトを知ってもらい、その価値を理解してもらうことが支援を集めるために必要です。
SNSでの情報発信だけでなく、日ごろ直接会う人たちへの支援依頼なども効果的な手段と言えます。支援をしてほしい人たちに合わせて、さまざまな伝達手段を活用し、プロジェクトの魅力をシンプルで分かりやすく伝えましょう。
視覚的な要素を取り入れながら、感情に訴えかける内容を心がけることで、より広く認知され支援者の獲得につながります。
4.熱意が伝わる活動報告
支援者は、自分が支援したプロジェクトの進捗状況や結果に強い関心を持っているため、実行者からの定期的で熱意ある活動報告は、支援者との信頼関係を築く重要な要素です。
活動の透明性を保ちながら、プロジェクトへの熱意や支援への感謝の気持ちを込めた活動報告を行いましょう。
写真や動画を交えた具体的な状況報告や、支援金の使い方、目標を達成した結果の共有など支援者に精神的満足感を与える内容を報告します。
支援者を巻き込むような内容にしたり、次の目標を伝えたりすることで、継続的な支援や新たな支援者の獲得につながります。
100万円以上支援達成した成功事例 16ジャンル48プロジェクト紹介
スバキリ商店がプロデュースした100万円以上の支援を達成した成功事例プロジェクトを、代表的な16ジャンルごとに48事例紹介します。
スバキリ商店でプロデュースしたプロジェクトには、実行者が設定した目標額を達成し、プロジェクトの目的を果たした事例は数多くあります。今回ご紹介するのは、プロジェクトの独自性や「こんなプロジェクトもできるのか!」というヒントや参考になる厳選した事例です。
自分が行うプロジェクトとは違うジャンルにも、支援される鉄則が当てはまるか、確認しながらご覧いただくと、より支援される鉄則を理解することが出来ます。
今回の事例以外にも、累計約1,300件近い事例をスバキリ商店ではプロデュースしてきました。今回紹介したジャンル以外の実例を詳しく知りたい人は、ぜひ個別でご相談ください。
地域活性関連プロジェクト事例3選
地域活性を目的とした事例を3つ紹介します。 今ある施設の改装や、観光利用と連動する施設を新たに開業して、地域ならではの魅力を告知する目的のプロジェクトが多い傾向があります。
1.創業65年以上続く銭湯を交流の場にするプロジェクト
東京都目黒区自由が丘にある銭湯「みどり湯」のプロジェクト。
銭湯を改修し、地域の人たちと挑戦する人たちの交流を活性化して、アイディアと人がつながる場にしたいという目的で、プロジェクト実施。目標金額60万円に対して、ネクストゴール90万円を超え、107人から109万円以上の支援を集めました。
2.宝飾職人を守る協会立ち上げプロジェクト
山梨県甲府市、一般社団法人「甲府宝飾協会」のプロジェクト。
実行者は、株式会社B.L.S
日本の伝統文化を継承し、誰もが憧れ、幸せになり、世代を超えて語り継がれるようなジュエリーを贈り続けるという企業理念で、ジュエリー・貴金属製造卸を行っている甲府市の地元企業です。
旧石器時代から続く「宝石の町」山梨県甲府市で宝飾工芸技術の伝統を守る一般社団法人の立ち上げが目的。目標額35万円に対して、39人から130万円近い支援が集まりました。
3.山1つ貸し切りキャンプ場プロジェクト
岐阜県でのプライベートキャンプ場告知プロジェクトです。
実行者は、「太っ腹キャンプ場」
岐阜県七宗町にある個人所有の山1つ丸ごと貸し切りできるプライベートキャンプ場の開業告知目的。最低限の設備で豊かな自然環境を味わえることが大きな特徴です。岐阜市や名古屋市からも車で一時間という立地からもキャンプ好きな愛好家から支援を集め、目標額50万に対して126人から100万円以上でプロジェクトが成立しました。
地域活性目的のプロジェクトでは、地元ならではの観光資源や施設、大自然を活用し、特定の趣味を組み合わせることで、支援して欲しい人たちへスムーズに情報を届けることが出来ます。
イベント開催プロジェクト事例3選
イベント開催関連では、3つの事例を紹介します。すべて参加費無料での開催実施プロジェクトです。
4.女子フットサルチームヴォルフェ北海道主催「らんる祭り」
北海道でのスポーツと芸術を楽しむイベント開催目的のプロジェクト。
実行者は、WOELFE北海道。「競技で世界一を目指す」「スポーツの力であらゆる人々の可能性を開く」という二つの成功を目指す北海道旭川市の女子フットサルチーム運営会社です。北海道上川郡旧蘭留小学校に人気YOU-TUBERをゲストに招いて、スポーツと芸術を楽しむことで子どもたちと社会へ元気を届ける「らんる祭り」を開催する費用調達とイベントの告知目的で実施。目標100万円に対して、210人から175万円もの支援を集めました。
5.とちぎ未来大使主催「ヨコタミュージックフェスティバル」
栃木県宇都宮市で継続開催されている野外音楽フェスのプロジェクト。
実行者は、とちぎ未来大使兼シンガーソングライター横田悠二さん。
横田さんが中心となって地元宇都宮市で2019年から開催し続ける野外音楽イベント「ヨコタミュージックフェスティバル」。「宇都宮に音楽を。」というテーマで地元宇都宮の魅力をイベント開催を通じて多くの人に知ってほしいという目的から告知目的で実施。50万円の目標金額に対して、123人から108万円を超える支援が集まりました。
6.キックボクシングジム主催の格闘技イベント「バトルサマーフェス」
京都府亀岡市のキックボクシングジムが開催した格闘技イベントのプロジェクト。
実行者は、亀岡KICK BOXING GYM。5歳から80歳までの幅広い層に格闘技を通じて目標達成をサポートし、亀岡から世界へ挑戦するプロ選手を育成している格闘技専門事務を運営しています。
格闘技の試合を生で観戦してもらうことで、元気になってもらい、亀岡から世界に通用する格闘家を輩出したいという目的でイベント告知目的で実施。目標50万円に対して、86人から118万円以上の支援が集まりました。
スポーツと芸術、音楽とご当地グルメ、格闘技と肉という個性的な企画は、クラウドファンディングがイベント告知手段となる事例として、とても参考になります。
農林水産業関連プロジェクト事例3選
農業や漁業に関する生産者支援プロジェクト事例を紹介します。
生産者から直接、リターンとして農産物や海産物を購入できるのも、購入型クラウドファンディングが最も得意とする役割です。
生産者と消費者をつなぎ、食の安全や安心にもクラウドファンディングは活用できるのです。
7.高知の新鮮な魚介類を産地直送で届けるプロジェクト
高知県の水産卸会社のプロジェクトです。
実行者は、高知県土佐清水市の水産卸業を営む、株式会社大吉水産。漁業就労者の高齢化が進み、30代の漁業従事者を増やすべく流通を増やしたいという目的で実行。魚の目利きが選ぶ高級料亭へ卸される鮮度の良い魚介類がリターン品ということもあり、100人近くの支援者から目標額の3倍にもなる140万円を超える支援が集まりました。
8.キノコ農家がキノコの魅力を告知するプロジェクト
長野県のキノコ専業農家のプロジェクトです。
実行者は、しめじと舞茸を中心に栽培する長野県のキノコ農家 有限会社エムプランテイション。愛情込めて栽培するキノコの栽培環境や調理法、栄養素などキノコの魅力を知ってほしいという目的で実行。キノコセットや加工品以外にも、キノコ工場見学などキノコ好きが喜ぶリターン設計もあり、目標50万円に対して約128万円もの支援が144人の支援者から集まりました。
9.世界農業遺産指定地域での米農地シェアプロジェクト
石川県の代々続く米農家のプロジェクトです。
実行者は、石川県輪島市の米農家、有限会社川原農産。世界農業遺産にも指定されている江戸時代から350年近く続く農地を新しい試みとして共同運営するシェアリングオーナー制度の告知目的で実行。農地のシェアリングオーナーになると、栽培した農産物が届くシステムで、農作業体験も可能というオーナー権のリターンは追加を重ね40人を超える申し込みがあり、結果として目標の6倍を超える200万近い支援金が114人の支援者から集まりました。
この3つの事例は、地方の生産者が遠方の消費者との直接的なつながりから新しい取り組みを挑戦する手段として、クラウドファンディングを活用できるという事例でもあります。
飲食店関連事例 3選
クラウドファンディングを活用する事例として、一番イメージしやすいのが、飲食店の事例です。実は一番苦戦しやすいのも、飲食店や食品関連です。似たような事例が複数乱立しているため、目立つプロジェクトに支援が偏ってしまうのです。
10.他界した夫の蕎麦屋を継続するプロジェクト
和歌山県の蕎麦屋を事業継承するプロジェクトです。
実行者は、和歌山県橋本市にある十割蕎麦屋、高野蕎麦ここね。夫の形見となった蕎麦屋「十割そば 天宏」を事業継承し蕎麦の地方発送を開始する目的で実行。お店での飲食利用ができる現地リターンだけでなく、高野山麓から湧き出る水を使う打ち立ての蕎麦を地方発送するリターンも人気で、当初の目的額の2倍となる約104万円の支援が集まりました。
11.日替わりメニューキッチンカーで全国を旅するプロジェクト
キッチンカー制作プロジェクトです。
実行者は、関西エリアを中心に、スイーツ系の催事出店をする武内美絵さん。40代後半に、離婚と会社員退職という人生の転機を経験したシングルマザーの竹内さんが一人娘と一緒に、全国を旅するキッチンカーナナイロを作る目的で実行。
個人で300万円というかなり高額な目標額に挑戦し、無事達成した事例です。スポンサー枠と物産展商品の両方のリターンが人気となり、大口スポンサー支援もあって、結果に繋がっているようです。
12.洋菓子の絶滅危惧種「たぬきケーキ」を全国発送するプロジェクト
愛知県の洋菓子店のプロジェクトです。
実行者は、愛知県名古屋市の洋菓子店、お菓子工房オランダ。昭和40年代に考案されたバタークリームでできた「たぬきケーキ」の知名度を上げるために、型崩れしない専用ボックスを開発して全国へ流通する目的で実行。
クラウドファンディング用に2種類の新しい味を用意する実行者の創意工夫が、店頭受け取り限定セットのリターンが売り切れ追加になるという人気につながり、300人近い支援者から目標額の3倍越えとなる約150万円もの支援が集まりました。
飲食店や食品開発のプロジェクトには、リターンとなるメインの食品そのものの魅力と開発秘話や苦労話などの共感を得られるストーリー性が支援に大きく影響します。
支援者にとって、わざわざ支援してでも食べたいお店や商品だと思えるプロジェクト内容であるかという点が支援を左右する重要なポイントになります。
ものづくり関連事例 3選
新商品の予約販売は、購入型クラウドファンディングの強みを活用する一番適した事例です。ものづくり関連では、3つの事例を紹介します。
13. DIY 空気清浄機プロジェクト
コロナ禍で生まれた空気清浄機のプロジェクトです。
実行者は、大阪府の株式会社 CLEAIR。独自開発のエアコン用フィルターを活用した、低価格で広範囲の空気を清浄するDIY空気清浄機、クレアウィンボックスの普及目的でプロジェクトを実行。
空気をきれいにするのに必要なのは「風」と「フィルター」だけ、という発想でエアコンフィルターを開発。広い空間では、全体の7割の空気をきれいにすれば充分だという視点から、空気のよどみを作らないサーキュレーターとフィルターを組み合わせるという、手軽で使いやすい空気清浄機を考案。
手軽さと導入しやすい価格により、目標額90万円を7倍以上上回る700万円弱の支援が472人から集まりました。
14.多機能付ベッドサイドキャビネットプロジェクト
店舗デザイン会社による多機能家具のプロジェクトです。
実行者は、大阪府の商業施設設計や飲食店デザインを手掛ける、株式会社クラシカ。携帯電話のワイヤレス充電器と調光器付の配線収納型キャビネットの新商品告知目的でプロジェクトを実行しました。
配線周りがスッキリした多機能家具がベッドサイドにあったらいいな、という空間デザイン視点からの発想で開発された製品は、Makuakeの応援販売という文化や実用性と機能美を兼ね備えた製品を求める利用者層と高相性。
目標額30万円に対して、38人の支援者から120万を超える応援購入がされました。
15.綿100%国産織の八重ガーゼケットプロジェクト
大阪府の老舗毛布メーカーのプロジェクトです。
実行者は、「日本一の毛布のまち」と称される大阪府泉大津市の毛布生産会社、川崎毛織。長年培った技術を元に、睡眠の質を向上する年中使用できる寝具として、何と8層のコットン100%ガーゼを使ったブランケットを商品開発し、告知目的でプロジェクトを実行しました。
目標額20万円からの開始でしたが、なんと7倍の140万円を超える支援購入が186人から行われました。
モノづくり関連でも、独自開発した製品の魅力と、何故その製品を開発し、どんな人へ届けたいかが伝わるプロジェクトには、共感と支援が集まりやすい結果となっています。
WEBサービス関連事例 3選
クラウドファンディングで新しいウェブ関連サービスを立ち上げる告知を行った参考事例を2つ紹介します。
16.仕事に悩む人とキャリアコンサルタントを結ぶプラットホームプロジェクト
働くこと×WEBでのプロジェクトです。
実行者は、一般社団法人地域連携プラットフォーム代表理事の柴田郁夫さん。誰もが幸せな働き方が出来るように、キャリアコンサルタントにオンラインで気軽に相談に乗れる場を提供するプラットフォームサイト「キャリア・オアシス」を作成する目的。
国家資格を持ち、幅広い経歴からの信頼が支援につながり、80万円の目標に対して67人の支援者から270万近い支援が集まりました。
17.2Dメタバースでオンライン交流できるプラットフォームプロジェクト
異業種交流×仮想空間というプロジェクトです。
実行者は、「株式会社マザリアル」の 代表取締役 水野嘉彦さん。仮想空間上に自分のアバターを作成して、多目的なオンライン交流会を開催するプラットフォーム「MAZALTAS」を告知する目的でプロジェクトを実行。
メタバースという新しい分野と「顔出ししないで良いオンライン交流」という2つの要素が多くの関心を集めた結果、当初の目標30万円に対して、172人から130万もの支援が寄せられました。
18.AIとの対話で不安を軽減するWEBアプリ開発プロジェクト
メンタルケア×AIというプロジェクトです。
実行者は、コンピューターソフトウェアの開発などを行う 株式会社TIELEC 代表の 隆祐人さん。国家資格キャリアコンサルタントである経験から、「内省」をテーマにしたWEBアプリ「リフクラ」を開発、告知目的でプロジェクト実施。
AIを取り入れた気軽に悩みを解消できる新しいサービスへの共感が集まり、目標額120万円に対して175人から150万円を超える結果となりました。
クラウドファンディングは他の媒体と比べて、オンラインサービスをよく利用する人が多く、新しいサービスへの柔軟さが高い層が集まりやすいと考えられるので、WEBサービスを告知しやすい利点があると言えます。
新規ビジネス関連事例 2選
新しいビジネスを起業する告知を行った事例を2つ紹介します。
オンライン上のサービスだけではなく、実店舗や物理的なサービスを提供した事例です。
19.印刷業界を活性化する「楽通47都道府県プロジェクト」
広告代理店が提案する新事業のプロジェクトです。
実行者は、兵庫県にある広告代理店、感動会社楽通株式会社。印刷会社をベースにした、顧客との交流が出来るショールームカフェやWEBサイトを全国展開して運営する企画を告知する目的でプロジェクトを実行。
日頃からユニークなネーミングの取り組みを行っているため、リターンにもユニークな企画が多く、多くの関心が集まり、300万円という高額な目標金額でしたが、結果として約60人の支援者から360万円もの支援が寄せられています。
実は、このプロジェクトのご縁で、感動会社楽通さんにスバキリ商店のポスターを作製いただきました。
20.記念日向けサービス「サプライズデリバリー」プロジェクト
結婚式演出から生まれた新サービス告知のプロジェクトです。
実行者は、兵庫県芦屋市にある結婚式の演出や運営を行う株式会社レガーロエンターテイメント。コロナ禍に立ち上げた新サービス「サプライズデリバリー」の告知目的。自宅パーティでのバルーンのデリバリーや出張動画撮影などを提供。
CAMPFIRE上では、98人110万円という支援結果ですが、HP上で掲載されている最終結果は、支援者様102名:支援金額1,132,803円 というたくさんの支援が集まっています。
21.一般企業での家族介護理由の離職者を軽減するプロジェクト
仕事と介護を露湯立させたいという新サービスのプロジェクトです。
実行者は、大阪府の株式会社 かいご職人 今仲 学さん。介護保険や介護施設の活用法など介護の「準備不足」を解消し、一般企業や個人事業の介護離職防止対策を提案する「かいごの相談所」サービスの告知目的でプロジェクトを実行。
家族の介護に関する世間の強い関心やニーズもあり、30万円の目標金額に対して4倍以上になる122万円もの支援が70人近い人から集まりました。
新しいビジネスやサービスの需要への反応を確かめる目的で、クラウドファンディングを活用する事例として参考になるかと思います。
映像関連事例 3選
映像制作にも、クラウドファンディングを活用した事例はたくさんあります。その中でも、映画、TV番組、YouTubeという違うタイプでの事例をそれぞれ1件づつ紹介します。
22.更生支援教育ドキュメンタリー映画「道しるべ」
ドキュメンタリー映画の制作プロジェクトです。
実行者は、大阪府にある一般社団法人チャンスサポート。刑務所や少年院を出所された方の更生支援、再犯防止支援を行う活動を記録したドキュメンタリー映画の制作費を集める目的でプロジェクトを実行。
代表理事ご本人が、社会更生を経験されている当事者だったということもあり、多くの共感から目標金額100万円に対して、100人以上の人から141万円もの支援が集まりました。
23.福岡県の地域密着応援バラエティ番組制作費支援プロジェクト
地域密着型のTV番組制作プロジェクトです。
実行者は、福岡県で活躍する地元タレント山田としあきさん。自身の出演するTV番組「ひと駅歩こう」のスポンサー更新が打ち切られ、次のスポンサーを見つけるためと当面の番組制作費確保の2つの目的でプロジェクトを実行。
当初の目標は1か月分の制作費である30万円でしたが、結果として3か月分になる100万円の支援が60人近くの支援者から集まりました。
24.コンビニ社労士®️のYouTubeチャンネル開設プロジェクト
YouTubeチャンネルを開設するプロジェクトです。
実行者は、コンビニ社労士®︎の安沙弥香さん。コンビニから日本を元気にしたいというYouTubeチャンネルを開設する制作費募集と告知目的で実行。
元大手コンビニエンスストアを展開する本部に在籍していたという経歴を活かした、現場を知っている強みとコンビニ関係者の声を聞いて「伝えていく表現者」として業界の役に立ちたいという安さんの信念が、目標を2倍以上上回る130万円を超えた支援が124人から集まりました。
映像制作のクラウドファンディングは、製作段階から作品のファンを増やし、継続的な関係性を築くことが出来るきっかけになります。映像に限らず表現活動や作品製作に関わる人はぜひ、積極的に活用することをお勧めします。
書籍出版プロジェクト事例 3選
クラウドファンディングで最も多いジャンルの一つが、出版プロジェクトです。今回は、写真集や様々なテーマでの出版事例を3つ紹介します。
25.山岳写真家による日本アルプス劒岳の写真集出版プロジェクト
実行者は、富山県在住の山岳写真家、高橋敬市さん。40年以上かけて新聞連載した写真を元に、北アルプス立山連峰にそびえたつ標高約3000メートルの劒岳を被写体とした写真集を2冊同時出版するプロジェクトを実行。
「観天望気」という、自然現象や生物の行動の様子などから天気の変化を予測しながら撮影する独自のスタイルで、山岳写真家として活動してきた集大成ということもあり、自費出版費用100万円に対して、134人の人たちから約160万円もの支援が集まりました。
26.Z世代が書くZ世代の考え方、取り扱い方がわかる書籍出版プロジェクト
実行者は、一般社団法人大人のインフルエンサー協会理事でZ世代の白附みくるさん。上の世代との間にある大きなギャップを埋めるために、Z世代が実感しているリアルを一冊に詰め込んだ「Z世代の取り扱い説明書」の出版プロジェクトを実行。
当事者が自分たちZ世代の考え方や普段どのような視点で生活しているか、というジェネレーションギャップを感じている他世代のニーズとマッチしたこと、白附さんが10代からインフルエンサーとして SNS 上で活動してきたことが上手くかみ合い、プロジェクト公開初日に目標額100万円を達成したぶっちぎりのスタートダッシュを見せました。最終的には、約90人の人から145万円を超える支援が集まりました。
27.助産師が教えるデリケートゾーンの本出版プロジェクト
実行者は、大阪府富田林市で女性が体と心のことを気軽に相談できるサロン「こうのとり倶楽部」を主催している、林祐子さん。女性のデリケートゾーンケアについての書籍「誰も教えてくれなかったデリケートなおはなし」を出版する目的でプロジェクトを実行。
2000人以上の出産に立ち会った経験を持つ助産師の視点で、デリケートゾーンの重要性を男性にも女性にも知ってもらいたいという思いが詰まった本は、女性特有の症状や身体の悩みを持つ人のニーズに刺さり、目標金額60万円に対して2倍となる120万円の支援が200人以上の人たちから集まりました。
クラウドファンディングで出版プロジェクトを行うと、書籍出版のハードルがかなり低くなります。少部数での出版を考えている人は、スバキリ商店でもクラウドファンディングで出版できる出版社とお繋ぎ致します。お気軽にご相談ください。
社会貢献事例 3選
スバキリ商店では、購入型クラウドファンディングでのプロジェクトをプロデュースしていますが、社会貢献目的の事例もいくつかあります。
今回は、介護タクシーを利用する観光支援、台湾での歴史遺産保護と植林支援、米農家救済と子ども食堂支援という3つの事例を紹介します。
28.介護タクシーで京都観光撮影旅行プロジェクト
要介護でも京都を旅行できるサービスのプロジェクトです。
実行者は、京都府の株式会社 スマイルハンター 代表取締役社長、江幡幸典さん。京都の出身で介護資格を持つカメラマンという自分の特技を活かして、要介護者でも京都観光ができる撮影付き介護旅行サービスの提供を開始したいという目的でプロジェクトを実行。
目標金額は38万円でしたが、介護中でも京都を安心して旅行ができるという魅力から、多くの支援が集まり、最終的に170人近い人たちから、目標を大きく超えた4倍以上の約160万円が支援されました。
29.台湾阿里山鉄道の世界遺産登録&植林プロジェクト
台湾での世界遺産登録を目指すプロジェクトです。
実行者は、一般社団法人台湾世界遺産登録応援会 代表理事の八田修一さん。矢田さんのご祖父様が建設に協力した、日本統治時代にヒノキの製材開発のために鉄道を敷いた、阿里山(ありさん)国立公園での「ヒノキの植林プロジェクト」を日本と台湾両方で盛り上げたいという目的でプロジェクトを実行。森林保護と、台湾にある阿里山鉄道を世界遺産に登録しようという活動の認知度を上げたいという実行者の熱意が多くの共感を呼び、目標額70万円の倍以上となる152万円もの支援が91人から集まりました。
30.過年分余剰米を子ども食堂へ贈るプロジェクト
農家支援と子ども支援Wプロジェクトです。
実行者は、北海道札幌市にある米と食品の卸業者である、札幌 加藤商店。2020年に販売予定だった余剰米3トン分を子ども食堂へ贈り、2021年収穫分の新米を農家から仕入れるという子育て支援と、農家支援、フードロス防止の3つの目的でプロジェクトを実行。
初代から三代にわたり生産者と寄り添いながら事業を続けてこられた農業継続への全面的な協力姿勢と、食べ盛りの子どもたちにも支援が出来るSDGs観点の目的は多くの反響を生み、目標100万円に対して、2倍以上を超える226万円の支援が263人から寄せられました。
社会貢献目的のプロジェクトでも、寄付型クラウドファンディングで行うだけでなく、購入型クラウドファンディングでリターン設計を行うプロジェクトを実行することで、告知効果が高まり支援が集まりやすくなるため、問題解決への近道となる事例もあります。
子育て関連2事例
クラウドファンディングを実行する女性や子育て世代は沢山います。育児中の母親による情報共有WEBサイト、不登校の子が通えるフリースクール運営の子育てに関連する事例を2つ紹介します。
31.ママのための総合情報サイト作成
育児サイト運営のプロジェクトです。
実行者は、ママユイ代表の喜納理恵子さん。沖縄県を中心にした子育て世代のためのお役立ち総合情報共有サイト「なんくるまま」の運営の立ち上げと告知目的でプロジェクトを実行。
沖縄県の地域密着型で、子育て中の母親向けに求人や学習機会、悩み相談など総合的で実用性の高い情報を共有したいという当事者の視点が、多くの共感を集め、目標額の500%以上となる160万円もの支援が180人以上の人たちから寄せられました。
ちなみに、このプロジェクトでは、プラットフォームのENjiNEを運営する株式会社Relicのサービス「CRNW」で作成されたSaaS(Software as a Service=ネット上でソフトウェアを提供するサービス)型クラウドファンディングプラットフォームを利用しています。
NPO法人や非営利活動をされている団体、新商品を多数開発する企業など、クラウドファンディングを定期的に実行したい法人や法人格に近い団体には、活用するメリットが多いサービスかもしれません。
32.学校へ行けない子にも学びの場を提供するフリースクール運営
フリースクール運営のプロジェクトです。
実行者は、栃木県那須塩原市のフリースクール「アップルバウム」。利用を希望する子どもたちの数が増え、利便性の良いJR那須塩原駅から徒歩圏内への移転費用調達とフリースクールへの理解や関心を高める告知目的でプロジェクトを実行。
既存の学校教育以外での学びの場を求める世の中の実情を反映し、目標としていた70万円を大幅に超える102万円の支援が70人以上の人たちから集まりました。
クラウドファンディングは、誰でもプロジェクトを実行できます。子育て支援などは当事者が実行者となるケースもよくあるケースです。寄付型クラウドファンディング専門プラットフォームを利用すると、非営利活動法人でもプロジェクトを実行することが可能です。また、プラットフォームによっては月々の継続支援を募ることもできます。
寄付型クラウドファンディングについては、別記事でも詳しく解説しています。社会貢献目的でプロジェクトを検討されている場合は、そちらも併せてご確認ください。
健康関連2事例
健康に関するプロジェクトの事例も、クラウドファンディングでよくある事例です。
ここでは、特許出願したマウスピースと睡眠導入サプリメントの2つの事例を紹介します。
33.型取り不要なマウスピース
歯科医が開発したマウスピースのプロジェクトです。
実行者は、神奈川県厚木市にあるグリーン歯科医院 院長の大橋真龍さん。歯科医師が考えた、装着して寝るだけで歯並びがキレイになるマウスピース369(現在はリニューアルされた製品369マウスピースが販売)の製品告知目的でプロジェクトを実行。
従来のマウスピースの常識を覆す、つけて寝るだけでOKという手軽さと現役歯科医が開発し特許出願中(2023年に特許取得)という点から多くの関心が寄せられ、50万円の目標に対して5倍以上になる280万円以上の支援が約200人もの支援者から集まりました。
34.睡眠導入サプリメント
睡眠セラピストによるサプリメントのプロジェクトです。
実行者は、一般社団法人濃縮睡眠®協会 代表理事で睡眠セラピストの松本美栄さん。過労による自身の不眠体験から開発した「濃縮睡眠®メソッド」を元に、睡眠導入効果を期待できるサプリメントの製品告知目的でプロジェクトを実行。
睡眠に悩む多くの人からの共感を呼び、目標55万円に対して、2倍近い107万円の支援が62人の人たちから集まりました。
健康に関する製品告知目的のプロジェクトでは、効果効能に関する表現が薬機法などに抵触しないようにすることも、実行する際の重要な注意事項です
スポーツ関連事例 3選
スポーツに関連するプロジェクト事例を紹介します。ゴルフ練習場、スクワット専門ジム、ポールダンススタジオ、3事例とも施設の改装やリニューアルにクラウドファンディングを活用する目的で実行されました。
35.麹町ゴルフ倶楽部の施設リニューアルプロジェクト
ゴルフ練習場とバーを併設する施設リニューアルのプロジェクトです。
実行者は、東京都千代田区にあるシミュレーションゴルフ練習場とバーを運営する麹町ゴルフクラブ オーナーの江口寿和さん。施設リニューアルによりサービス充実を図り、既存顧客として来店するゴルファーの満足度をより高めることと、施設の認知度を上げてゴルフ人口を増やす目的でプロジェクトを実行。
ゴルフを”本気”で楽しんで、ゴルフで色んな方と”繋がる”場を提供し続けた実績があることから、ゴルフ好きな人たち75人からの支援が集まり、目標額100万円に対して、4.5倍以上となる460万円以上の改装資金調達を達成しました。
36.パーソナルジム『SQUAT Labo』法人化プロジェクト
下半身専門のトレーニンジム移転改装のプロジェクトです。
実行者は、神奈川県川崎市にある OSHIRI Factory を運営する 株式会社OSHIRI 代表取締役 杉浦巌さん。ヒップアップに特化したパーソナルジムの移転改装資金の調達と認知度を上げる目的でプロジェクトを実行。
同年5月に開業2周年での法人化に伴うクラウドファンディングに挑戦していたことから、クラウドファンディングに理解のあるコミュニティが出来ていたことや、施設を利用する顧客との関係性が施設のリニューアルへの期待が支援に繋がり、目標金額50万円に対して2倍以上となる115万もの支援が175人から集まりました。
37.ポールダンススタジオの新規開設プロジェクト
ポールダンススタジオ増床開設のプロジェクトです。
実行者は、大阪府でポールダンスレッスンを行う studio Saera を運営する岩崎 知美さん。もっとポールダンスを楽しんでもらえる環境を作りたいという目的で3店舗目となる心斎橋へのスタジオ開設費用調達のためにプロジェクトを実行。
すでに多くの生徒さんたちがレッスンを受けており、ポールダンス自体も近年注目を集めている競技ということで多くの関心を集め、100人近い支援者から支援が集まり、目標額100万円を無事達成しています。
スポーツ人口を増やす認知度向上のために、クラウドファンディングを活用する事例も今後ますます増えていくと予想されます。
芸術活動関連事例 2選
クラウドファンディングに最も相性の良いとされるジャンルの一つが芸術活動や創作活動です。今回は、ペイントアートの海外ツアー、バレエダンスと音楽CD制作のプロジェクト3件を紹介します。
38.シブキアート高倉染のアメリカ横断ツアープロジェクト
伝統工芸から生まれた独自のアートを海外に告知するプロジェクトです。
実行者は、高倉染作家の大下倉和彦さん。京丹後の伝統工芸であるちりめん染めの技術からうまれた独自の技法である高倉染を海外にもPRしたいという目的でアメリカ横断ツアーを行うための費用を調達するためにプロジェクトを実行。
スパッタリングという染料を飛沫のように撒きながら彩色する技法に伝統工芸の技術が掛け合わされた独自の発色や文様で表現される高倉染の魅力に多くの関心が寄せられ、目標額200万円に対して約100人から222万円以上の支援が集まりました。
39.バレエリサイタル上演プロジェクト
コロナ禍で救援を余儀なくされたバレエ公演開催プロジェクトです。
実行者は、バレエダンサーで社団法人 日本バレエ協会理事 の篠原聖一さん。コロナ禍で活動停止を余儀なくされたダンサーたちが表現出来る場所を守りたいという思いから、舞台公演実施のためにプロジェクトを実行。
2001年から「DANCE for Life」という舞踊の振興と普及に寄与し舞踊家の育成を目指した舞台創作活動を続けてきたことで、2018年には文化庁芸術選奨文部科学大臣賞の受賞というこれまでの実績が多くの共感を呼び、目標額200万円に対して136人から約220万円の支援が集まりました。
40.セロトニン活性バンドCDリリースプロジェクト
プロドラマーによるメンタルケアBGMプロジェクトです。
実行者は、プロドラマー暦38年でセロトニントレーナーでもある 牟田昌広さん。現代人のメンタルケアとして、セロトニン活性ができるギターとドラムだけのセロトニン活性バンドのCDをリリースする目的でプロジェクトを実行。
実行者自身が多くの有名アーティストのサポートドラマーをしているという経歴だけでなく、セロトニン活性のオンラインサロンを開催していることから、メンタルケアに関心がある人からの関心が寄せられ、目標額55万円に対して161人から113万円もの支援が集まりました。
その他にも、イラストや書道の個展開催プロジェクトなど、芸術活動を行う実行者の成功プロジェクトが複数あります。創作活動をされている人で、個展開催などを検討している人は、ぜひクラウドファンディングという手段で活動の告知やファンと出会うことが出来るということも選択肢にしていただきたいと思います。
ファッション関連事例 3選
ファッションショーの実施や個性の強い製品の予約販売に、クラウドファンディングする事例は年々増えています。ファッションに関連する事例として、海外でのファッションショー開催、伝統工芸でのネクタイ製品化、地下足袋ブランドの3件を紹介します。
41.国際イベントでファッションショー開催プロジェクト
海外でのファッションショー出品プロジェクトです。
実行者は、アパレルブランド AURATiER のデザイナーでもある、 株式会社フェール・パシパラ 代表取締役 佐藤基子さん。2023年1月にマレーシアのマラッカで開催された「メットガラ・マレーシア」に日本代表としてAURATiER のファッションショーを開催披露する資金調達目的でプロジェクトを実行。
ブランドの特徴である墨汁と水で文様を表現する技法「流水紋」を使用したドレスを日本代表として世界へ披露したいという実行者の想いへ、ブランドのファンをはじめとする多くの支援が寄せられ、ファーストゴールとして提示した目標200万円に対して192人の支援者が集まり、470万円を超える結果となりました。
42.「京友禅」×「西陣織」のネクタイ製品化プロジェクト
京都の伝統工芸品を商品化するプロジェクトです。
実行者は、京都の繊維問屋である 美濃利株式会社。京友禅の伝統柄の一つである手書きの京更紗柄(きょうさらさ)を西陣織にて仕立てたネクタイの製品化目的でプロジェクトを実行。
現存する手書き京更紗の図案が大変稀少で価値の高いものであるという点と、伝統工芸を守り続けたいという実行者の想いへ共感が集まり、目標額20万円に対して約9倍にもなる178万円もの応援購入が88人の支援者から行われました。
現在も、ふるさと納税商品として購入が可能です。
43.地下足袋を世界へ!プロジェクト
地方美の魅力を世界に告知するプロジェクトです。
実行者は、大阪府に在住する地下足袋プロデューサーの波多野美羽(MIU)さん。
日本独自の履物である地下足袋を世界に届けたいという目標から認知度を上げるためWEBでの販売環境を整備する目的でプロジェクトを実行。
日本文化とも言えるKAWAIIと粋、2つの切り口でデザインされる独創性の高い地下足袋に興味関心が寄せられ、目標額100万円に対して189人の支援者から133万円もの支援が集まりました。
美容関連事例 2選
美容商品関連の事例を紹介します。美容関連では、商品開発のほかにサロンの新規開店にもクラウドファンディングを活用する事例も増えています。今回は、美顔ケアマスク、オーガニック化粧品の2つのプロジェクトを取り上げます。
44.つけるだけのリフトアップケアマスクプロジェクト
毎日のセルフケアができる美顔用フェイスマスクプロジェクトです。
実行者は、株式会社Nahele 代表取締役 小野寺 朋美さん。簡単で半永久的に使える経済的なリフトアップケア美容マスク「Face Mask + beauty」の商品告知目的でプロジェクトを実行。
着用するだけで、フェイスラインのケアができるという手軽さに多忙な女性たちからの共感が集まり、目標50万円に対して約40人から2倍となる101万円が支援されました。
45.オーガニックスキンケアプロジェクト
オーガニック化粧品商品開発プロジェクトです。
実行者は、株式会社HARU代表の丹羽晴美さん。フランスの厳しいオーガニックコスメの世界基準で認証された100%自然由来の原料を使用した化粧水・化粧油『花薫hanakaho』の商品告知目的でプロジェクトを実行。
肌にも地球環境にも優しい化粧品を求める人たちの関心や、長年ヘアメイクに携わってきた実行者への信頼から支援が寄せられ、約100人から目標50万円を大きく超える128万円近い支援が集まる結果となりました。
オーガニックや化学薬品不使用など、肌トラブルに対応する美容製品を告知する目的のプロジェクトも年々増えています。
学習関連事例 3選
最後は、学習に関する事例です。学習塾の改装、独自のメンタル啓発、遺言オンラインサロンという3つのプロジェクトの例を取り上げます。
46.学習塾の自習室を広くするプロジェクト
学習塾の自習室改装プロジェクトです。
実行者は、広島県広島市の個別学習塾、濱崎アカデミーの濱崎亨さん。運営する塾を改装するにあたり、自習室を広げ子どもたち同士で教え合える環境を作りたいという目的でプロジェクトを実行。
子どもたちが自ら学ぶことへ積極的になれる施策は、多くの保護者から関心を寄せられ、161人から目標50万円の3倍超えとなる160万以上の支援が集まりました。
47.『心理行動学』を伝えて、世の中を生きやすくするプロジェクト
生きやすくなる「心理行動学」を広めるプロジェクトです。
実行者は、合同会社un-Limited School(アンリミテッドスクール)代表の木下 山多さん。ポジティブシンキングが自己肯定感を下げるという視点から生み出された 神経言語学NLP®を独自発展させた ニュートラルベースNLP®を核に据えた『心理行動学』の考え方や手法を伝えることで、世の中の人々の悩みやそれらを原因とした苦しみを解消する目的でプロジェクトを実行。
20年近いカウンセリング経験から、商業出版で3冊の著書を書いているという実績もあり、多くに支援が寄せられ、目標50万円に対し91人の支援者から171万円以上の結果をもたらしました。
48.現役司法書士による遺言オンラインサロン
遺言に関するオンラインサロン開設プロジェクトです。
実行者は、相続遺言世田谷相談所を運営する、司法書士の高橋朋宏さん。遺言書の魅力を世に広める「一億総遺言書計画」という活動の一環としてオンラインサロン「ゆい友ルーム」(2023年10月に解散済み)を立ち上げる目的で実行。
現役司法書士が実行者ということもあり、相続に関する重要な資料となる遺言状に関心を持つ人からの支援が集まり、160人から目標額50万円に対して4倍にもなる200万円を超える結果となりました。
日本で最も支援を集めたクラウドファンディング事例と実行者
日本で最も支援を集めたクラウドファンディングは、どんなプロジェクトか。また、日本で最も支援を集めたプロジェクト実行者は誰か。
プロジェクトの概要と実行者の素性から、その成功理由を解説します。
9億円以上調達した国立科学博物館のプロジェクト
国立科学博物館のクラウドファンディングは、目標金額1億円に対して9億円以上、約5万7千人の支援を得る大成功を収めました。
クラウドファンディングを行った経緯は、運営費の追加調達。光熱費の高騰などを受けて国内最大規模の500万点以上にのぼる動植物の標本や化石などのコレクションを収集・保管する資金が危機的状況となり、博物館の運営が困難と判断したためです。
プロジェクトは2023年8月7日から11月5日にかけて、目標額1億円で実行されました。実施した結果、5万6000人余りからおよそ9億2000万円が集まり、目標額の10倍近い支援が寄せられました。
この事例から、国立博物館への社会的評価が高かったということ、日本国内全体から博物館のコレクションに対する貴重性に共感、国民の科学への関心の高さがうかがえます。
日本で最も支援を集めた人物とプロジェクト事例を分析
お笑い芸人で絵本作家である西野亮廣さんは、累計2億5000万円以上を調達し、実行した全てのクラウドファンディングで成功を収めています。 彼の成功は、支援文化が根付いた独自コミュニティの存在に起因しています。
2013年から絵本や映画、ミュージカルの企画を多数実施し、中でも映画「えんとつまちのプペル」に子どもを招待する目的のプロジェクトでは1プロジェクトとして最高支援者数となる、13,319名に達しました。
クラウドファンディングのプロジェクト実行を通じて、長期的なコミュニティ形成と魅力的なコンテンツ制作を行い、支援者との関係を深めることは重要です。
西野さんは「クラウドファンディングは信用を換金する装置」と表現しており、信頼関係を築くことが成功の鍵であるとしています。 西野さんの活動を応援する独自のコミュニティで生まれる信頼と共感からの相乗効果により、彼が実行する多くのプロジェクトが成功へと導かれています。
まとめ クラウドファンディング成功の答えは過去事例にあり
クラウドファンディングを成功させる答えは、過去事例の全てにあります。
どんな事例が成功したかという視点で、プロジェクトを観察すると、必ず共通している部分があります。逆を返せば、支援が集まらない理由にも共通する部分があるということです。
過去事例を分析すればプロジェクトの成功理由が見えてきます。
多くのプロジェクトに挑戦した人や多くのプロジェクトをサポートしてきた人は、経験則でクラウドファンディングの成功法則を身に付けています。
クラウドファンディング成功の秘訣は、どれだけ過去事例の真似すべき部分を自分のプロジェクトに取り入れられるかにあります。
より多くのプロジェクト事例を知り、支援される鉄則を守ることで、目標支援額を達成しクラウドファンディングを行う目的を実現できるのです。