近年、起業を志す若者の間でクラウドファンディングが注目を集めています。インターネットを活用して多くの人々から資金を集められるため、資金調達の新しい形として広がりを見せています。
しかし、クラウドファンディングにはメリットだけでなく、デメリットも存在します。クラウドファンディングの利点と注意点を詳しく解説し、どちらが大きいのかを考察します。
【基本】クラウドファンディングとは?
クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を集める手法を指します。従来の銀行融資やベンチャーキャピタルからの出資とは異なり、誰でも手軽にプロジェクトを立ち上げ、資金調達が可能です。
この仕組みは、2000年代にアメリカで始まり、日本では2011年の東日本大震災を機にプラットフォーム運営会社が立ち上げられ、2020年のコロナ禍以降、一般にも広まりました。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングは、インターネット上で自らのプロジェクトやビジネスアイデアを公開し、それに共感した多くの人々から資金を集める手法です。資金提供者は、プロジェクトの成功に応じてリターン(報酬)を受け取ることが一般的です。リターンの内容によって、以下の3種類に分けられます。
- 購入型: 支援者が商品やサービスを前払いで購入する形式。新商品の開発やイベントの開催などで利用されます。
- 寄付型: 支援者がリターンを求めずに資金を提供する形式。社会貢献活動や慈善事業などで活用されます。
- 投資型: 投資や融資として資金を集め、利益の一部を分配する形式。事業拡大や不動産投資などで利用されます。
通常、起業や新商品開発目的のクラウドファンディングは購入型で実行される場合が多いです。ここ数年は、災害支援や社会問題解決のプロジェクトを寄付型クラウドファンディングで実行するケースが増えています。
寄付型クラウドファンディングと投資型クラウドファンディングについては、以下に詳しくまとめています。


【重要】クラウドファンディングを実行する5つのメリット
クラウドファンディングは、ただの資金調達方法ではありません。
お金と協力者の両方を一度に集められるのが、クラウドファンディングを実行する最大のメリットです。
その他にも、他の資金調達手段にはない4つのメリットがあります。
1. 誰でも資金調達に挑戦できる
クラウドファンディングは、誰でもプロジェクトを立ち上げることができます。銀行や投資家からの融資と比較して手続きや審査が簡素であり、実績や担保がなくても資金を集めることが可能です。
特に、社会経験の少ないZ世代や学生起業家にとって、初期費用を抑えつつ資金を集める手段として有効です。
2. 支援者との直接的なコミュニケーションによるファンづくり
支援者はプロジェクトの初期段階から関与するため、熱心なファンとなる可能性があります。彼らとのコミュニケーションを通じて、起業直後から長期的な関係を築くことができます。
支援者との定期的なやり取りを通じて、プロジェクトに対する意見や感想を直接受け取ることができます。これにより、商品やサービスの改善だけでなく、支援者との信頼関係を築くコミュニティづくりができます。
3. 広告宣伝効果が期待できる
プロジェクトを公開することで、多くの人々に商品やサービスを知ってもらう広告宣伝効果になります。支援者が SNS や口コミでプロジェクトを拡散することで、認知度の向上やブランドイメージの確立にもつながります。その結果、世間の反応を直接確認することができます。
また、クラウドファンディングを実行することで、募集終了後もメディアに取り上げられた成功事例は沢山あります。支援された実績も、事業への信用材料として評価されます。
4. テストマーケティングとしての活用
クラウドファンディングは、プロジェクトに対する世間の興味関心度を直接、数値としてテスト利用できる場でもあります。プロジェクトへの支援状況や支援者からのフィードバックを通じて、商品やサービスの需要や改良点を把握することができます。
リターンとして、商品やサービスを提供することで、市場の動向を知り、より顧客ニーズに合う状態に製品化や本サービス開始が出来るのです。
5. スキルアップや自己信頼につながる
クラウドファンディングを実行することでスキルアップや自己成長ができる経験が得られます。告知戦略を立てることで営業力やコミュニケーション力が磨かれますし、スケジュール管理などのマネジメント力、報告連絡相談という基本スキルを使いこなせることで自己信頼が強くなり、前向きに挑戦することが出来るようになります。
たとえ、目標未達になったとしても、失敗することで気づくことや学ぶことはたくさんあります。
プロジェクトを支援してもらうことで、他人のありがたみを知り、感謝をどう表現し伝えたらいいかという経験をすることも出来ます。
お金では買えない価値や経験を手に入れることが出来るのも、クラウドファンディングを実行するメリットといえるでしょう。
クラウドファンディングのメリットについて、もっと詳しく知りたい人は、以下の記事へどうぞ。

クラウドファンディング実行による4つのデメリットと対策案
クラウドファンディングを実行することで、デメリットも発生します。大事なのは、デメリットが起きることを知ったうえで、最小限に抑えるにはどうすればよいかと考えることです。
クラウドファンディングを実行すると発生するデメリット4つとその対策案を解説します。
1. 目標額を集められないリスクがある
すべてのプロジェクトが目標金額を達成できるわけではありません。クラウドファンディングの目標達成率は3割とも言われます。いくら SNS のフォロワー数が多くても、プロジェクトがバズって支援される結果になるとは限りません。このため、資金の使い道や現実的な目標額の設定や共感される告知戦略が重要となります。
全く資金調達が出来ない、というリスクを防ぐには、支援金の受け取り方式を選ぶことでリスク回避できます。クラウドファンディングの実行には「All or Nothing方式」と「All in方式」があります。プラットフォームによって、表現が違う場合もあります。また、「All-or-Nothing方式」のみ実行できるプラットフォームもあります。
1円でも資金調達したい場合は、「All-in方式」でのプロジェクト実行がおすすめです。「All-or-Nothing方式」の場合、目標未達成時には資金を受け取ることができません。
2. 時間と労力が必要になる
クラウドファンディングを実行するには、準備から完了までかなりの時間と労力が必要です。プロジェクトページの作成、リターンの設定、支援者への対応、リターンの履行など多くの作業が発生します。
特に、プロジェクト期間中は継続的な情報発信や支援者対応が求められ、時間と労力だけでなく気力も使います。タイムパフォーマンス的に、クラウドファンディングの実行はデメリットが大きいかもしれません。
時間と労力を最小限に回避するには、クラウドファンディングを1人で実行しないことです。SNS の活用が得意な友人知人、デザイナーやライターへの外注、プラットフォーム運営会社のサポートなど、周囲の人やクラウドファンディングのプロの手を借りることで、大幅にタイムパフォーマンスを上げることが出来ます。
3. プロジェクトに関する責任と信用のリスクがある
資金を集めた後は、支援者へのリターンやプロジェクトの実行に責任を持つ必要があります。万が一、プロジェクトが理由なく中止となった場合、支援者からの信頼を失う可能性があります。
また、リターンの提供が遅延したり、品質に問題があった場合も、信用を損なうリスクがあります。
実行者の責任と信用を守るには、正直な情報共有が肝心です。特に、リターンの提供は予定より遅延するケースが多いため、リターンの実施については各リターンごとに支援者へ最新の状況と実施予定を随時、報告しましょう。リターン品のトラブル発生時には、プラットフォーム運営会社にも相談をし、迅速な対応を行います。返金対応についても、事前に流れなど確認をしておけば、適切な対応が可能です。
トラブル対策や詐欺扱いされないための情報は、以下よりご確認ください。

4. アイデアや知的財産権の流出と流用のリスクがある
クラウドファンディングを実行することで、プロジェクト内容から他者にアイデアを模倣されるリスクがあります。特に、新製品やサービスなどの部分で起きやすいリスクです。また、肖像権など他人の知的財産権を知らずに流用してしまうケースもあります。
独自性を保つためには、プロジェクトが公開される前に特許や商標の取得を済ませるなど、知的財産の保護策を講じることが必要です。プロジェクトページに使用する画像や動画などは、実行者が全ての権利を持っているオリジナル素材を使うよう注意が必要です。リターン品に商標などが関連する場合は、商標元に使用許可を必ず取ったという証拠を残しておきましょう。
クラウドファンディングのデメリットとその対策について、もっと詳しく知りたい人はこちらからどうぞ。

クラウドファンディングを始める前におさえておく3つのポイント
クラウドファンディングを実行するメリットデメリット両方を理解した上で、成功するためにおさえておくべき3つのポイントについてまとめていきましょう。その3つとは、目標設定、リターン設計、効果的な告知戦略です。
- 明確な目標設定: 現実的で達成可能な資金目標を設定することが重要です。
- 支援する動機付けとなるリターン設計: 支援者に魅力的なリターンを提供し、支援を促進します。
- 効果的な告知戦略: SNSやブログを活用して、プロジェクトの認知度を高める施策を検討します。
3つのポイントを詳しく説明した、クラウドファンディングに成功するためのマニュアルを以下で紹介しています。

まとめ クラウドファンディングのメリットデメリットはメリットの方が大きい
クラウドファンディング実行でのメリットデメリットは、対策をきちんと行えばメリットの方が大きいと言えます。成功する上で重要なのは、デメリットを正しく理解して回避する対策ポイントを確実におさえることです。
多くの場合、クラウドファンディングの失敗は、デメリットを気にしすぎて、やるべきことが徹底できていない準備不足にあります。その結果、デメリットの方が大きく見えてしまうのです。
クラウドファンディングは、起業を目指すZ世代や社会的信用が少ない人たちにとって、挑戦しやすい資金調達手段です。他の資金調達手段に比べて少額から挑戦しやすい分、告知などの手間がかかるのも事実です。
しかし、プロジェクト実現に対する熱意と周りの協力があれば、メリットを最大限にでき、デメリットを最小限にすることができます。その結果、お金だけでなく経験や応援者というお金では手に入らない価値も受け取ることが出来るのです。
クラウドファンディングの特性を理解し、成功への第一歩を踏み出しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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