クラウドファンディングのプロデューサースバキリです!
僕が代表を務めるスバキリ商店株式会社では1日1件以上のクラウドファンディングをプロデュースしています。
前回の記事では、よくある質問の1つであるクラウドファンディングの効果的リターンについて紹介いたしました。
それに対し、今回は真似してはいけないリターンと題して、実際に失敗したリターンを紹介して、いかにリターンが大切かを再認識していただきたいと思います。
絶対に真似してはいけないクラウドファンディングのリターン
今回ご紹介するのは以下の2つの具体例。
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リターンが倒産を導いた「令和納豆」
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知名度だけでは足りない「甲子園」
リターンが倒産を導いた「令和納豆」
令和納豆は水戸に納豆専門店を作るというプロジェクトで1,200万円以上の支援を集めて、クラウドファンディングを成功させました。
ただ、集めた支援額の大半が「1万円で納豆ご飯セット一生食べ放題パスポート」というリターンで、その支援人数はなんと1,100人!
簡単に想像できると思いますが、1万円支援してくださった人はこれ以上お店でお金を使うことがないので、いつか必ず赤字になります。
しかも、水戸の方々が多く支援されたそうで、一生食べ放題パスポートを持っている方でオープンから連日大行列。新規のお客さんも来れないという悪循環に陥り、1年で倒産してしまいました。
クラウドファンディングを達成するためにリターンは大切なのですが、達成後のことも考えないと大変なことになるということがわかる良い例です。
知名度だけでは足りない「甲子園」
続いては有名な甲子園球場。
夏の甲子園運営には1億円の費用がかかるそうで、2021年の夏の甲子園運営をクラウドファンディングに出したのですが、13%という達成率で終了しました。
支援が集まらなかった原因は「お礼メールのリターン」しかなかったためです。
本当に甲子園が好きで、それでも構わないと思ってくれる人だけが支援した結果、1,300万円という支援額になったわけですね。
このプロジェクトでは「甲子園の土・甲子園グッズ・試合スポンサーとして名前を出せる権利」等、甲子園が本気になれば色々なリターンを出して、多くの支援者を集めることができたはずです。
これは甲子園という知名度があっても、リターンをしっかり考えないとクラウドファンディングが失敗するという良い例になります。
リターンを考えるときの2つの注意点
今回紹介した2つの具体例から、リターンを考えるときの2つの注意点が挙げられます。
採算に気をつける
まずは、採算に気をつけること。
クラウドファンディングでお金を集めたいという気持ちから普段より安い価格でのリターンを出す方もいますが、売れても赤字になると何のためにクラウドファンディングをやっているのかわからなくなるので、しっかりと採算性に気をつける必要があります。
要らないものは要らない
甲子園の例でもわかるように、誰かわからない関係者から届くお礼のメッセージは要りません。
そういった点を踏まえて、支援したい人が買いやすいものをリターンに入れることを考えてください。
良いリターン例
では、実際にどんなリターンが良いのか気になる方もいるかと思いますが、前回の記事で例に出した、福井県のうお吟さんがわかりやすいと思います。
割烹着にスポンサー名を入れられる権利(10万円/年)ですが、支援してくださった企業様やその関係者の方々がよくお店に来てくださって、お店のファンになってくださったそうです。
ただリターンを出すだけでなく、その先の採算性やファンになってもらうというポイントをしっかり考えてリターンを出して、クラウドファンディングを成功させることが大切です。
今後、クラウドファンディングをやろうと思っている方は、紹介した具体例を参考にリターンの重要性を再度考えてくださいね。
前回の記事もぜひ参考にしてください。