どうせなら、みんなでハッピーになりたい!

メンバー紹介

画像11

「ちびぃさんって、いつ寝ているのだろう? 」

彼女と仕事をしたことがある人なら、誰もが一度はこう思った経験があるのではないか。メッセンジャーやチャットの速レスは当たり前。自ら手がける案件数も半端ないのに、相談すると熱心にフォローしてくれる。さらに、常に全体のレベルアップを意識して改善策を提案する……。

ちびぃさんのパワーの源を教えてください! そう単刀直入に質問してみると、意外な答えが返ってきた。
「パワーないっす。ただできることをやってるだけ」

どんな仕事もカスタマイズしてやり切る!

「ちびぃさん」こと山下美樹さんは、スバキリ一味で初回打ち合わせからリターン作成、申請まで様々な担当を一手に引け受ける、“超スゴ腕メンバー” だ。以前はライティングもしていたし、最近ではCAMPFIRE公式キュレーションパートナーまでも務める。

画像1

そんな人が「パワーがない」わけがない! さらに聞いてみると……。
「私って、自分の性格をかなり把握してると思うんですよ。苦手も得意もある程度わかってるから、自分や周りがやりやすいように軌道修正しながら、“できるように”変えてるんかも」

つまり、膨大な仕事を自分流にカスタマイズし、できないことも「できる」に変換しているらしい。でも、これって実はすごく難しい。

どうやったら自分を熟知し、周りにも配慮した方法を編み出せるのだろう? それが知りたくて、ちびぃさんのこれまでの歩みを“ネホリハホリ”聞いてみた。

3度の「どん底」を経験して

ちびぃさんは、これまで人生で3回、「どん底」を経験してきた。高校生の時に突然起こった事件と父親の死、7年も同棲して結婚したパートナーの心変わりと離婚、信頼して一緒に会社を設立した人からのモラハラ……。

「当時は、言葉にならないほどつらかったし、悲しかった。もう立ち直れないと思うこともあったけど、周りの人に助けられて、何とかここまでやってこれたんです。今はようやく、『苦しんだからわかるようになったこともある、悩んでいる人、前へ進もうとする人のために私の経験を役立てられれば』と思えるようになったかな」

ちびぃさんの明るい笑顔からは、想像もできない過去……。「自分を知る」過程では、深く傷ついた経験があったことを知った。
※詳しくは、下記の自己紹介をご覧ください。

大阪で見つけた「自分らしく居られる場所」

3度目の「どん底」の後、大阪に移り住んだちびぃさん。今ではたくさんの仲間に囲まれているが、当初は「友だち0人」だったというから驚きだ。意外にも人見知りで、初対面の人がたくさんいる場所は苦手だという。

そんななか、勇気を出して「天才万博」関係者を慕う人たちが集まる飲み会に参加。そこで、「黒門カルチャーファクトリー」の当時の運営会社社長に出会い、小西さんやよらさん(水野嘉彦/黒門カルチャーファクトリー支配人・スバキリ一味アートディレクター)と知り合うきっかけにもなった。

画像11

「黒門カルチャーファクトリーにかかわり始めてから、少しずつ自分の考え方が変わっていったかな。それまでの私は、どん底を経験したこともあって自分の殻に閉じこもってたけど、黒門カルチャーファクトリーで出会った人たちは、そんなありのままの私を受け入れてくれて、『自分を大切にする』ことを教えてくれた。私にとって、すごく大事で、好きな場所なんですよね」

画像3

「黒門カルチャーファクトリー」の運営会社で働き、自分の居場所を確かなものにしていったちびぃさん。小西さんがきっかけで興味を持った切り絵にも挑戦し、活動の幅を広げながら充実した毎日を送っていた。

大好きな場所を守りたい ―フリーランスへの転向

しかし、多くの人がそうであったように、新型コロナの流行は、ちびぃさんにも「変化」をもたらした。
コロナ禍が半年以上続き、「黒門カルチャーファクトリー」の利用者は激減。経営は危機的状態になった。クラウドファンディングにも挑戦してたくさんの支援金が集まったが、コロナの収束は見通せず、同じ状態で継続するのは難しかった。

スクリーンショット 2022-02-19 15.48.01

運営会社も手を引くことになり、このままだと「黒門カルチャーファクトリー」がなくなってしまう……というとき、よらさんが会社を作って運営を引き継ぐことになった。

「会社が黒門カルチャーファクトリーを手放すのであれば、この会社で私がやりたいことはできない。よらがそこまでしてくれるなら、私も全力でできることをやりたいと思って」。こうしてちびぃさんは会社を辞め、フリーランスに転向。二人で「黒門カルチャーファクトリー」を運営することになった。

「いつも誰かが助けてくれる」という自信

ちびぃさんがその時住んでいたのは、会社の「寮」のような扱いのマンションの一室。辞めれば安定した収入だけでなく、住む場所もなくなる可能性があった。不安はなかったのだろうか?

本当に不思議なんやけど、困った時はいつも誰かが助けてくれるんですよね。この時は、スバキリ(小西さん)が、自分の持っている京都のシェアハウスならいつでも住んでいいよ、困ったらいつでも頼って、と言ってくれて。よらも、会社を辞めた後、私がフリーランスで生計を立てるためにはどうすればいいか、どんな仕事が考えられるか、すごく真剣に考えてくれたし」

画像10

「もっと前に無職になった時は、スポーツジムで友だちだったおばちゃんたちが『これ食べ! 』と次々お弁当を持ってきてくれた。一ヶ月くらい1日3個とかもらって、食費ゼロ」

あははと元気に笑いながら、ちびぃさんはこう続けた。
「私、元々病み気質なんでわかるんですけど、悩んでるときって、仕事も、お金も、住むところも『自分には何もない』って思っちゃう。でも、実際に力を借りるかは別にして、支援してくれる人がいると、心配事が減って冷静に考えられる。そうすると、ちゃんと自分の納得いく仕事を探してみようかなって思えて、自然と次の道が見つかるんですよね。助けてくれる人がいるから何とかなる! そんな変な自信があるんかな(笑)

画像11

「人に助けてもらえる」というのは、生きる上で何にも勝る「保険」だと思う。そしてそれは、ちびぃさんが「手を差し伸べたくなる人」だからだ。

クラウドファンディングに関わる人みんなで、幸せになりたい!

フリーランスになったちびぃさんは、黒門カルチャーファクトリーの運営の他、「ネコノテ」という屋号で事務代行サービスを展開中。この中に「クラウドファンディング申請サポート」があり、これがスバキリ一味での活動に当たる。

画像6

「今の目標は、『スバキリ一味に頼むと、やっぱ違うよね! 』と思ってもらえるようになること。そのために、達成率を上げていきたいんです! クライアントさんは、お金と労力をかけてクラウドファンディングに挑戦しているんだから、できる限り目標達成して欲しい。それは、巡り巡って自分たちに返ってくると思ってて」

画像11

「スバキリ一味の評判が上がって、スバキリ(小西さん)への依頼が増えてスバキリ商店株式会社が儲かれば、メンバーである私たちにもメリットがある。私は、とにかくみんなにハッピーでいて欲しいんですよね。気持ち良く仕事をしたいし、報酬にも満足できる状態を目指したい。クライアントも一味メンバーも、みんなで楽しく豊かに、幸せになれるのが理想かな」

人のために生きているからこそ、みんなに愛される

ちびいさんの視線の先にあるのはいつも、「自分以外の誰か」
レスが早いのも「送った人が返事を待っているだろうから」、クラウドファンディングで熱心にクライアントさんに提案するのも「どうせやるなら成功して欲しいから」、スバキリ一味でどんどん改善して進めるのも「みんなに心地よく仕事をして欲しいから」。

画像7

その根底には、ちびぃさん自身がつらく傷ついた経験がある。「苦しんでる人を見たくないです。だから、どんなに些細なことでも相談して欲しい。心に閉じこめておくことが一番つらいって知ってるから」。そう語るちびぃさんの表情は、この上なくやさしい。そのやさしさがパワーとなってあふれ出し、彼女を突き動かしているのかもしれない。

ちびぃさんがみんなに愛されるのは、常に「自分以外の幸せ」のために動いているからだとわかった気がした。

画像11

最後にちびぃさんは、ちゃめっけたっぷりに笑ってこう言った。
「要するに私は、スバキリに寄生して生きてるんですよ」

相手を全力で考え、サポートしてくれるちびぃさんのような人なら、寄生される人も大喜びなのでは? と思ってしまう。そうですよね? スバキリさん (笑)

取材・執筆 川崎ちづる