個人でクラウドファンディングに挑戦し、成功するために重要なこと。それは、4つのバランスが取れたリターン設計を行うことです。特に個人で実行する前に知っておくべき基本的な部分から、目標金額設定のコツまで、バランスの良いプロジェクトとは何かという視点から解説します。
個人でクラウドファンディングを始める前に知っておくべきこと
個人でクラウドファンディングを始めるのは難しそうだと悩む原因は、クラウドファンディングについてよくわかっていないまま動こうとする情報不足にあります。必要な情報や知識が足りない、よくわからないまま始めようとするからプロジェクトを立ち上げることに強い不安を感じるのです。
個人でクラウドファンディング挑戦するには、基礎知識、過去事例の研究、具体的な実行計画の3つが重要になります。
クラウドファンディングの基礎知識を理解する
個人でクラウドファンディングに挑戦するには、ある程度の基礎知識が必要です。クラウドファンディングの仕組みから、本質、種類など知っておいた方が良い知識はいくつもあります。
詳しくは別記事でも紹介しているのでそちらもご参考ください。
クラウドファンディング自体が契約行為でもあるため、法的責任やリスクが伴います。特に個人での実行ではその部分を見落としがちです。
クラウドファンディングで起きるトラブルの大半が、プラットフォームの利用規約や特定商取引法などの理解が不十分なために起きています。目標達成後の商品配送遅延や、特商法表記の不備による問題などです。
個人でクラウドファンディングを成功するには、利用するプラットフォームの利用規約や関連法規を念入りに確認しましょう。わからないことは、プラットフォーム側に確認をして、自分でも説明できるよう準備をしておきます。実行者がクラウドファンディングの仕組みや規約などの基礎知識を理解することで、プロジェクトを実行する際のトラブルを未然に防ぐことが出来ます。
トラブル対策については、以下の記事でも取り上げています。
過去事例から具体的なノウハウを学ぶ
個人がクラウドファンディングに成功する上で、過去事例から学ぶことは沢山あります。
例えば、良いアイデアがあっても、目標額を達成するために必要な支援を集める方法がわからないという不安もあります。それは、ズバリ実行者の情報発信力や他者とのコミュニケーション力が不足しているからです。
どんなに魅力的な商品でも情報発信が不十分なために目標未達に終わるプロジェクトも少なくありません。むしろ、個人こそ日頃のコミュニケーションがプロジェクトの告知拡散に反映されてしまいます。
成功した個人プロジェクトを研究し、真似できることは全て取り入れるつもりで分析しましょう。リターン設計や情報発信、支援者とのコミュニケーションなどをお手本としたいプロジェクトを複数見つけて学ぶことで自分らしさを出せるプロジェクト運営を行うことが出来ます。
プロジェクト実施に向けた具体的な行動計画を立てる
個人でクラウドファンディングを実行する場合、具体的な行動計画を立てることが必要です。企業や団体に比べると、個人での方がプロジェクトへの準備不足や計画性の欠如により、プロジェクトが頓挫するリスクが大きいからです。その理由は、何かを実行しようとしたときの目標設定やスケジュール管理の経験が不足している人の方が多いからです。そのため、現実的に実現できるかどうかを考えずに高すぎる目標を設定し、達成できないケースも多々あります。
クラウドファンディングを実行する上で、具体的な行動計画は必要不可欠です。
クラウドファンディングを実行する目的を明確にし、現実的な目標設定と具体的で詳細なスケジュールを組むことで、個人でもプロジェクト遂行達成が可能となります。
【基本】クラウドファンディングのリターン設計は支援者目線で行う
購入型クラウドファンディングを実行する場合、魅力的なリターンを設計することが成功の条件のひとつです。なぜなら、支援が集まらない=目的を実行するための資金が調達できないという結果になるからです。目標金額を達成するには、支援者の心を掴むプロジェクトのストーリー性と魅力的なリターンが鍵となります。
リターン設計の基本は、「支援したい!」と思えるような支援者目線でリターンを考え、独自性と価値を提供することです。そのうえで、目標金額を達成するために逆算した価格設定が必要となります。
リターン設計について、詳しい説明は別記事で取り上げていますので、そちらもご参考ください。
支援者目線で考えるクラウドファンディングのリターン設計黄金バランス
支援者目線でリターン設計を行うには、「どうすれば支援してもらえるか?」「このリターンで自分なら支援するか?」という2つの視点が必要になります。その上で、目標金額とのバランスを計算して、リターンを用意していく流れになります。
リターン設計の黄金バランスとして、支援者の心理と実行者の思惑、価格設定と目標金額、独自性と万人受け、単価とコストの4つのバランスについて、その重要性を解説していきます。
支援者の心理と実行者の思惑とのバランス
クラウドファンディングを実行する上で、支援者の心理を理解していないと効果的なリターン設計はできません。リターンなしで実行される寄付型クラウドファンディングが成り立つように、支援者が支援をする動機は金銭的価値だけでなく、感情的な要素も大きいからです。
実行者の思惑が損得勘定など目的実行より別のところにあれば、支援者は敏感にそれを察知してしまいます。「クラウドファンディングは信用を換金する装置」という表現がありますが、目的実行に対する信用度をどうやって高められるかがクラウドファンディング成功の必須条件です。
プロジェクトを実行する上で、支援者がどんな期待や願望を持ってくれるのかしっかりと掘り下げ、それに応える返礼要素と目標額達成とのバランスを取ってリターン内容を設計することが重要なのです。
リターンの価格設定と目標金額のバランス
リターン設計で絶対に押さえるべきことは、適切な価格設定ができないと目標金額を達成できずに、プロジェクトが失敗する可能性が高くなるということです。リターンの単価が高すぎると支援が集まらず、逆に低すぎると大勢の支援を集めなければなりません。
クラウドファンディング全体でのリターン平均価格は、約1万円。食品のリターンでは、5,000~7,000円と言われます。個人の場合では、高額リターンを用意しても、5万円以上のリターンは誰が見ても価値があるものか、実行者とよほど関係性が深い人しか支援しません。
目標額を達成するには、何人からの支援が必要かという逆算から価格設定やリターンの個数、種類を決めましょう。リターン価格と原価計算を見比べ、支援されやすく目標額達成にむけ現実的な価格設定のバランスを取ることが重要になります。
プロジェクトの独自性高いリターンと万人受けするリターンのバランス
クラウドファンディングは、誰でも挑戦できる手軽さがある分、プロジェクトの独自性を表現するリターンを用意できるかが重要なポイントです。特に個人の場合、大手企業と同じようなノベルティグッズでよくある品物でのリターンでは支援をしたことに対する特別感が低くなり、他のプロジェクトとの差別化が難しくなります。
個人でクラウドファンディングを実行するメリットとして、実行者の個性や特技を活かしたユニークなリターンで話題を呼ぶこともできます。もちろん、話題を呼ぶには実行者のキャラクターや日頃の対人関係が大きく影響します。
食品系リターンが支援されやすいのは、「食べられる」という誰にでもわかるリターンであり、支援者メリットが大きいからです。創作系や新商品開発などではクリエイターや制作者本人との対話機会を提供し、大きな反響を得たプロジェクトもあります。
クラウドファンディングのリターン設計では、自身のスキルや経験を活かしたプロジェクト独自のリターンと誰もが支援しやすい万人受けするわかりやすい形でのリターンをバランスよく準備しましょう。
リターンの価格とコストのバランス
リターン設計で見落としてしまいがちなのは、リターン実施にかかるコストのバランスです。特に、物品でのリターンを用意する場合、原価だけでなく発送費用も必要になります。リターン実施のコスト計算を誤るとプロジェクト自体が赤字になるリスクがあります。特に、支援数によっては発送費用が嵩み、せっかく集まった支援金がリターン実施に消えてしまうというケースも少なくありません。
リターンを実施するために必要な全てのコストを計算して、プロジェクト実行のために使える資金を確保することもプロジェクトの成功に必要です。
クラウドファンディングの目標金額を設定するコツ
クラウドファンディングに成功するために重要なのは、目標金額をどの基準から設定するかです。適切な目標金額を設定できないとプロジェクトの実現が危ぶまれ、失敗する可能性が高まります。
目標金額を設定する上で重要な基準となる、最低実現可能金額、支援見込み人数とリターンコストの3つについて、解説していきます。
最低実現可能金額を設定する
クラウドファンディングに成功するには、目的実行のために必要な最低最小の費用を算出することが重要です。クラウドファンディングを実行する上で、プラットフォームでのプロジェクトページ掲載は欠かせません。そのため、目標金額には以下の3つの費用が含まれます。
プロジェクトの目標金額 = プロジェクト実行費用 + リターン実施費用 + プラットフォーム手数料
逆に言えば、支援募集をして集まった金額から差し引かれる費用があるということです。
プロジェクトの目的を実現するには、幾ら必要なのか。そのうち、クラウドファンディングで集める必要があるのは一部で済むのか、全額なのか。
この部分を実行者が把握していないと、現実的な目標金額は決められません。その結果、高すぎる目標額を設定してしまい、プロジェクトの目的を実現できないという失敗事例になってしまいます。
クラウドファンディングでは、最初の目標金額を達成すれば、段階的に次の目標金額を目指すこともできます。ストレッチゴールやネクストゴールと呼ばれる制度です。
段階的にチャレンジすることも視野に入れて、最低最小限の費用を割り出しておくことは、現実的な目標金額設定にとても役立ちます。
支援を見込める人数から逆算する
目標金額を設定する参考材料になるのは、実行者の友人知人からどのくらいの支援が見込めるかという人数です。クラウドファンディングで支援してくれる人の8割以上が、実行者の友人知人だという統計があります。
特に、個人の場合は、100%自分の関係者だと考えた方が良いです。全く見ず知らずの相手が支援してくれる、という淡い期待は持たない方が賢明だと言えます。
何人の友人知人が何円支援してくれるだろうか?さらに、もう一段階掘り下げて、3段階の価格帯で人数を振り分けてみる。その見積もりをすることで、目標金額だけでなくリターンの価格設定や内容にも見込みを反映できます。逆に、数人しかピックアップできないなら、クラウドファンディングに挑戦する前に、もっと周囲の人達との関係性を深める必要があるでしょう。
個人でクラウドファンディングを行う場合、どれだけ多くの関係者から少額でも支援を集められるかが目標額達成に大きく影響します。現実的な目標金額を設定するためにも、自分を応援してくれると信じられる人が何人いるかをリストアップしておくことも、クラウドファンディングの成功にはとても重要です。
リターンにかかる費用から逆算する
目標金額には、リターンにかかる費用も含まれます。最低最小限の費用を算出した上で、支援を見込める人数とどのリターンで支援が見込めそうかという2つの材料から、リターン実施に必要な最低限のコストを見積もることが出来ます。
オンライン講座やコンサルティングなど、原価や発送費用が発生しない場合もありますが、この場合は除外して考えます。個人の場合は特に、仕入れや制作費、発送費用が発生するリターンを元にして逆算をしておかないと、目標金額を達成しても想定外のコストが発生して赤字になってしまうという結果になります。
リターンとして用意できる返礼品やサービスすべてのコストを算出した上で、過去事例を参考にどのリターンが支援を集めそうかを予測し、目標金額に加算することで、より現実的な金額を設定することが出来ます。
まとめ 個人でクラウドファンディングを成功させるにはバランスが重要
個人でクラウドファンディングに挑戦し、成功するためには、プロジェクトの目的と目標金額、そしてリターンのバランスが重要となります。そのためには、クラウドファンディングの本質をどれだけ理解できているか結果を左右します。
クラウドファンディングは、目的を実行するための資金調達に挑戦する行動です。
目的を実現するために必要な金額をたくさんの人から支援してもらうには、支援をするメリットが必要になります。それを具体的な物品やサービスにしたものがリターンです。
プロジェクトの目的、目的を実現に必要な金額、支援をする見返りの3つがバランスよくまとまったプロジェクトが目標額を達成し、プロジェクトが成功する。
個人でも、企業や団体でも、成功する理屈は同じです。
個人でクラウドファンディングに挑戦する場合、よりバランスの取れたプロジェクトを運営し、目的達成を目指してください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
個人でクラウドファンディングするならスバキリ商店
クラウドファンディングの知識を得ても具体的な行動に移せない。
情報過多により何から始めればよいか分からなくなる。
そんな状況に陥っている時は、次のことを自分に問いかけてみてください。
何のためにクラウドファンディングへ挑戦するのか。
個人でクラウドファンディングに挑戦する場合、常に目的を明確に意識することが重要です。
目的を整理し段階的な計画を立て、地道に準備をした個人プロジェクトの成功した事例はいくつもあります。
もし、自分一人ではクラウドファンディングに挑戦する具体的なアクションが出来ないとお悩みでしたら、お気軽にお問い合わせください。
スバキリ商店は、個人でクラウドファンディングに挑戦する人を積極的に応援しています。
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