クラウドファンディングでは、音響機器やガジェットのプロジェクトも多数行われています。
「音響機器は試聴しないと、怖くて買えない」
そんな「音」に失敗したくないあなたへ。クラウドファンディングでも、「音」にこだわって支援を決めることはできます。
納得のサウンドと優れた技術を誇る音響プロジェクトを支援&実行するための要点をまとめてみました。
技術好きがハマる「音響系クラファン」の魅力とは
近年、クラウドファンディング発の音響ガジェットが確実に盛り上がりを見せています。完成度の高いプロトタイプや独自設計の内部構造、大手メーカーがまだ採用していない最新技術の実装など、クラウドファンディングに挑戦する音響マニアが開発した関連機器は、ガジェット好きの心をくすぐる要素が満載です。
特にオーディオにこだわる人にとって、クラウドファンディングは単なる購入手段ではなく、開発者の思想や情熱に共感し、“共に作り上げる”体験そのものでもあります。
そんな音響機器クラウドファンディングを実行する際に押さえておきたい「スペック」と「プロジェクト評価」の観点を、最新の市場動向や事例も交えて徹底解説します。
クラウドファンディング発の音響機器がガジェット好きに刺さる3つの理由
音響機器のクラウドファンディングがガジェット好きに刺さり、支援を集めている理由は3つあります。それは、スペックの開示、ユニークな技術面でのアプローチ、そして開発者とのコミュニケーションです。
理由① スペック開示の充実度が高い
ガジェット好きがクラウドファンディングで最新機器を支援する理由として、製品のスペックが開示されているという情報の充実度が高い点が挙げられます。
ガジェット系では、チップ構成や基板レイアウト、内部写真などが詳細に開示されるプロジェクトが多く、開発者の技術力や思想が読み取れます。
特にCAMPFIRE、Makuake、GREEN FUNDINGなどのガジェット系に強い主要プラットフォームでは、スペック開示や予算面ねどプロジェクト全体での高い透明性が支援者の信頼を集める重要な要素となっています。
理由② ユニークな技術アプローチが多い
ガジェット好きがクラウドファンディングに注目する理由として、独自性の高いユニークな技術面でのアプローチをするプロジェクトが多い点が挙げられます。
ノイズキャンセリング回路の独自アルゴリズムや、AIによる音場補正、カーボンナノチューブ素材の振動板、さらには、鹿島建設が開発し、クラウドファンディングを実行した「OPSODIS 1」のような横長スピーカーで立体音響を実現する革新技術など、大手メーカーの市販品にはない独自のアプローチが魅力なのです。
クラウドファンディングをガジェット開発に活用することで、試作品をテスト販売することもできます。開発費を確保しながら技術面で納得できるアプローチを行えるのも、クラウドファンディング活用のメリットだと言えます。
理由③ 開発者とのコミュニケーションが取れる
クラウドファンディングを支援する理由として、開発者とのコミュニケーションやユーザーコミュニティへの参加が出来るという点も重要です。
コメント欄や開発ブログでリアルタイムにやり取りできるため、製品の完成度だけでなく開発プロセス自体を楽しめます。支援者の声が製品に反映されることも珍しくありません。開発者としても、ユーザーからの率直な意見やニーズを受け取れるため、よりユーザー目線に近い製品を提供できます。
「推し活」という言葉がありますが、クラウドファンディングを支援することも推し活要素が強いのです。
実行者必見!支援動機につながる“スペック”と“設計思想”
音響機器のクラウドファンディングで支援する際の選定条件となるのは、製品スペックと開発者の設計思想です。「音で失敗したくない」という音響マニアが重視する5つのスペックについてまとめてみました。
スペックその1 DACの品質と出力特性
高級オーディオの中核とも言えるD/Aコンバーター(DAC)の品質は、音のクリアさや分解能に直結します。ESSやAKMといった高性能チップを採用しているか、スペック表や開発者の言及が支援につながる選定条件となります。
スペックその2 周波数特性・THD+N
周波数特性は20Hz〜20kHzの可聴域をフラットに再生できるかが基本です。ハイレゾ対応機器では40kHz以上の高域再生や192kHz/24bit対応なども重要です。
また、THD+N(全高調波歪率+ノイズ)は0.01%以下(-80dB)が一つの目安ですが、ハイエンド機では-110dB(0.0003%)以下といった厳しい数値も珍しくありません。dB単位での表記も忘れずに提示することが重要です。
スペックその3 Bluetooth 規格
ワイヤレス派には、aptX AdaptiveやLDAC対応が必須です。SBCのみ対応では、ハイレゾ音源の魅力を十分に引き出せません。ユーザー目線での規格選定も、プロジェクトを支援される要素に繋がります。
スペックその4 電源設計とノイズ対策
リニア電源や電源回路の分離構造、シールド設計など、ノイズ対策の工夫は音質の土台です。特に据え置き型機器では「静かな電源」が重要視されます。
工夫した点は、全て書き出しておき、特許取得しておくものはクラウドファンディングを実行する準備と並行して出願手続きをすることで、プロジェクトでスペック開示することによる技術漏洩などを防ぐことが出来ます。
スペックその5 ケース素材と振動対策
アルミ削り出し筐体や内部防振構造の採用は、見た目の美しさだけでなく機能面でも音質に影響します。素材や構造へのこだわりも評価ポイントです。
音は振動です。細部へのこだわりが本当に良い音響機器を求めるユーザーからの共感と支援を集める要素になるのです。
【支援者向け】支援するか決める前のテクニカルチェック項目5つ
音響機器のクラウドファンディングで、支援をする際にプロジェクトページでチェックすべき項目は次の5つです。実行者も、この5つの項目全てを押さえておくことで、プロジェクトの成功率を高められます。
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仕様公開の有無:試作レビューや測定データが公開されているか。第三者機関なども確認。
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開発者の経歴:オーディオ機器の実績や過去プロジェクトの評価を確認。開発に至る背景も重要。
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ファームウェア更新性:アップデート対応や今後の改善余地が明記されているか。
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接続性:USB-DACとしてPC・スマホと問題なく連携できるか。ワイヤレス対応なども要確認。
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フィードバック対応:支援者の意見を製品に反映する姿勢やコミュニケーションの活発さ。
クラウドファンディングを成功する上で、見落としがちなのはコミュニケーション面です。丁寧な応対や活動報告の頻度なども、判断材料になります。ガジェットと言えども、結局は「人」なので、技術面だけでなくコミュニケーション面を大切にしましょう。
クラファン音響機器の“当たり”プロジェクトの傾向
成功しやすいプロジェクトの動向には、いくつか傾向が見えます。話題性が強いプロジェクトは、不特定多数の層へ届きやすくなり、結果として多くの支援を集めることが出来ます。
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技術系YouTuberやオーディオ専門レビューサイトで取り上げられている
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SNSや掲示板で話題になっている
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初期支援者に業界関係者やコアファンが多い
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試聴イベントや実機展示を実施している
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進捗が定期的(例:週1回)に更新されている
視聴や見本展示などは、プラットフォームだと GREENFUNDING が得意とするプロモーションです。予算が潤沢にある開発プロジェクトであれば、GREENFUNDING でのクラウドファンディング実行がおすすめです。
クラウドファンディングは、SNS との相性が良いため、SNS をフル活用した告知活動を行うことで、支援されやすくなり、目標達成しやすくなります。
音響機器プロジェクト成功事例 3件
音響機器のクラウドファンディングでの成功事例を紹介します。
「OPSODIS 1」(鹿島建設):約7億円の支援金を集めた立体音響スピーカー
https://greenfunding.jp/lab/projects/8380イギリスのサウサンプトン大学との共同開発した立体音響技術「OPSODIS®」(オプソーディス)を搭載した小型スピーカー「OPSODIS 1」をGREENFUNDINGで予約販売を実施。

世界初となる「バイノーラル原理」に基づいた3D サラウンドシステムは、鹿島建設が長年携わってきた音響施設の設計建築技術を製品化するという目的で実現。目標金額100万円に対し、1万人を超える支援者から約7億6500万円もの支援が集まりました。
趣味が高じて特許取得した木製スピーカープロジェクト
イタリアンのシェフが長年追い求めた、理想の音を身体で体感できるスピーカープロジェクトの事例です。

この木製スピーカー「OPUS」シリーズは、全部で2回クラウドファンディングでのプロジェクト成功を実現しています。

「OPUS3」は、500万円を超える結果となり、続く「OPUS4」は387万円と、どちらも多くの支援を集めた成功プロジェクトです。
クラウドファンディングは、大手などのネームバリューよりも製品スペックが重要だという見本とも言えます。
その後、2回のクラウドファンディング成功と2つの特許取得により、更なる音の奥行きを変えるスピーカを開発。

こちらも、110万円の支援を集めています。実行者の 河辺さんは、なんと還暦越えからこれらのプロジェクトを次々と挑戦。いくつになってでも挑戦できるのもクラウドファンディングのメリットです。
これら3つのクラウドファンディングは、個人であっても自分の利用とする音響機器を製作し、世に出せることを証明してくれる事例です。
ちなみに、クラウドファンディング3回とも全て、スバキリ商店でプロデュースをさせていただいております。
癒しの波長を内蔵した「感じる」スピーカープロジェクト
「聴く」だけでなく「感じる」こともできる小型ワイヤレススピーカーのプロジェクトです。こちらもスバキリ商店でプロデュースした事例になります。

英国のマナーズ博士が半世紀以上にわたる研究から解明した「人体の器官や臓器の細胞が健康なときに発信している音(振動)」。その原理を応用して作られた音『マナーズサウンド』と、非可聴域にまでこだわって音を磨きあげる音の彫刻家 yujin 氏のコラボレーションにより、深いリラックス効果が期待できる独自の音空間を提供できる小型スピーカーが誕生。
目に見えないストレスが、心身に大きく影響を与えている現代の環境の中で、「音」という手段を通して、すべての人が心から安らげる空間を生み出したいというプロジェクト目的への共感から、目標金額100万円を無事達成しています。
まとめ 技術に惚れるか、音に惚れるか。選ぶ基準は自分の“音響哲学”
クラウドファンディングの魅力は、スペックだけでなく「誰が」「どういう思想で」作っているかまで追えることです。
高音質にこだわる音響ファンにとって、クラウドファンディングはただの買い物ではなく、音と技術と哲学に出会う場。
音が良いのは大前提。その「音」へのこだわりや独自性がプロジェクトページから判断されます。
鹿島建設が取り組んだ立体音響技術といった革新性や伝統工芸品との融合、音による癒し効果を提供するなども含め、自分なりの“音響哲学”を伝えることが、共感を集めます。
音響機器を製作したい、より「理想の音」と出逢いたい。
クラウドファンディングは、開発者とユーザーとの架け橋として今後も活用されていくことでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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