クラウドファンディングには、さまざまな使い方があります。その一つが、自分の趣味や経験を価値として提供し、収入に変えていくための人集めや反響を知るという使い方です。
本業を続けながら、クラウドファンディングを活用して副業、スタートアップを始めるための具体的な方法や成功のポイントを解説します。
働き方の変化が後押しする副業への挑戦
副業解禁や働き方改革が進む中、多くの会社員が新しい挑戦として「副業」「スタートアップ」に注目しています。近年では、企業の副業解禁により「週末起業」という働き方が広まり、収入源の多様化を図るだけでなく、自身のスキルや経験を活かした副業づくりを始める人が増えています。
しかし、多くの人が抱える課題は「資金調達」と「集客」です。自己資金が足りない、銀行融資のハードルが高い、誰に向けて価値を提供すればいいかわからない、といった理由で挑戦を諦めてしまうケースも少なくありません。そんな中、注目されているのがクラウドファンディングです。
クラウドファンディングは、少額から始められる低リスクな資金調達方法であるだけでなく、将来の顧客やファンとなる応援者を集める集客や告知のプロモーションツール、反響を知るテストマーケティングとしても活用できるというメリットがあるのです。
【基本】クラウドファンディングとは?仕組みと種類を簡単解説
クラウドファンディングを支援したことはあるけれど、自分が実行するなんて考えた事も無い。多くの人が、クラウドファンディングについて、そう考えています。
しかし、仕組みを知ることで、クラウドファンディングに挑戦するハードルが下がり、支援するときにも実行者への理解がしやすくなります。
クラウドファンディングは、お金と人を集める仕組み
クラウドファンディングは、お金と共感して応援してくれる人を一度に集めることが出来る仕組みです。
インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集めるというWEB上の取引で行われます。その起源は、16世紀までさかのぼります。
クラウドファンディングが他の資金集めと違うのは、「支援者がプロジェクトの共感者になる」という点にあります。プロジェクトの目的や実行者の想いに共感する応援手段の形が、クラウドファンディングでの支援金です。そのため、融資や借入などの単なる資金提供では得られない、複数の支援者とのつながりを得られるのが魅力です。
クラウドファンディングは3つの種類に分けられる
クラウドファンディングには、大きく3つの種類があります。
- 購入型: リターンとして商品やサービスを提供する形式。副業、起業に最適。
- 寄付型: リターンがなく、社会貢献を目的とするプロジェクトに適している。
- 投資型: リターンとして現金や金融商品を提供する形式。支援者が出資者として収益分配を受ける。
個人がクラウドファンディングに初めて挑戦する場合、購入型や寄付型どちらかになります。特に購入型は、クラウドファンディング=リターンがあるもの、という世間一般でのクラウドファンディングイメージそのものです。支援者に提供するリターンを通じて、世の中の反応を知り、活動への信頼性を高めることができます。
寄付型クラウドファンディング、投資型クラウドファンディングについては、詳しく別記事で解説していますので、興味がある人は以下もご確認ください。
クラウドファンディングを実行する4つのメリットデメリット
クラウドファンディングの仕組みは理解できても、失敗したらどうしよう。実行する意味があるのかな。
多くの人が、クラウドファンディングに挑戦するという行動を起こせない理由は、メリットデメリットを知らないからです。
クラウドファンディングを実行するメリットデメリットを4つづつ、簡単に箇条書きで解説します。
クラウドファンディングを実行する4つの主なメリット
クラウドファンディングを実行する主なメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 自己資金ゼロで挑戦が可能: 自己資金をほとんど使わずにプロジェクトを実行できる。
- ファンを獲得できる: 活動の初期段階から応援者を集めて、顧客づくりやブランド構築につなげられる。
- プロモーション効果が高い: クラウドファンディングを実行すること自体が宣伝手段になる。
- 提供前に世間の反応をテストできる: 支援者からのフィードバックを得て、商品やサービスを改善できる。
クラウドファンディングを実行する4つの主なデメリット
では逆に、クラウドファンディングを実行することで起きるデメリットは何でしょうか。主なデメリットを4つ紹介します。
- 失敗する可能性がある: 目標金額に達しない場合、資金を得られないこともある。
- 実行に手間がかかる: プロジェクトページ作成や支援者対応、リターン実施などに時間と労力がいる。
- 魅力的なリターンを準備する必要がある: 支援者に喜ばれるリターンの準備にコストと手間がいる。
- プラットフォーム手数料がかかる: 資金調達した金額のうち、10〜20%が手数料として差し引かれる。
クラウドファンディングを実行するメリット、デメリットについては、以下の記事で詳しくまとめています。デメリットについては、解決策も紹介していますので、不安要素を少なくしたい人は是非、ご参考ください。
副業や週末起業でクラウドファンディングを活用する具体的な5ステップ
副業や週末起業を目指すクラウドファンディングを実行するには、具体的にどうすればいいのか。5つのステップで解説していきます。
1. 副業や週末起業のアイデアを固める
まずは、これまでの人生で得たスキルや経験を活かして、どんな副業や週末起業をするのかを決めます。例えば、職場での課題を解決するプロダクトや趣味をビジネス化するプロジェクトなどが思い浮かぶでしょう。
どんな形で、副業や週末起業をしたいか。どんな人に向けてどんなお客さんとつながりたいか。そこが決まれば、その副業や週末起業で提供する商品やサービスをリターンとして、プロジェクトを準備していくことが出来ます。
自分が気に入っている農産物や調味料などをネット販売したいという物販形式、楽器や語学など自分の持つスキルを教える講座や教室、会社勤めで得た専門知識を書籍として販売するなどがクラウドファンディングを実行するプロジェクトとしては、目的が誰にでも伝わりやすく実現イメージがしやすいです。
重要なのは、クラウドファンディングを実行する目的が明確であること。そして、実現できる可能性があり、支援者の共感を得やすい内容であることです。
2. プロジェクトを掲載するプラットフォームを選ぶ
クラウドファンディングを実行するには、プラットフォームと呼ばれるインターネット上のクラウドファンディング専門サイトに、自分のプロジェクトを掲載して、1人でも多くの人に見てもらう必要があります。
個人がクラウドファンディングを実行する場合、日本で知名度があり人気のクラウドファンディングプラットフォーム3サイトを以下で比較しました。一度は見聞きしたことがあるかもしれません。
- CAMPFIRE : 幅広いジャンルで利用可能。初心者に優しいサポートが充実。
- Makuake : 「応援販売」と呼ばれる商品やサービスの開発プロジェクトに特化。物販に強い。
- READYFOR : 社会貢献型プロジェクト向け。寄付型クラウドファンディング中心だが、リターン有も可。
その他にも、クラウドファンディング専門のプラットフォームは、たくさんあります。自分のプロジェクト内容に適したプラットフォームを選びましょう。
クラウドファンディングのプラットフォームについて、各サイトの具体的なサービスや手数料について知りたい人は、以下をご覧ください。
3. プロジェクトの目標金額を決める
副業や週末起業するために必要な資金はいくら必要なのか。手持ちの資金で足りないのは幾らか。クラウドファンディングを資金調達のために実行するなら、まず、そこを確認しておきましょう。
もし、集客や告知などの目的がメインでクラウドファンディングを実行するなら、10万円くらいの目標金額でプロジェクトを実行することもできます。宣伝広告費という使い道で実行された目標10万円台のプロジェクトはかなり多いです。
プロジェクトを実行するためには、目標金額を決める必要があります。必要な資金額とリターンのコストを計算し、現実的な目標金額を設定しましょう。多くの場合、活動の宣伝広告目的では10万円から30万円から実行する事例がほとんどです。
特に副業や週末起業目的のプロジェクトでは、できるだけ達成可能な金額を設定し、達成したら次の目標額を再設定するという段階を踏むケースが良いでしょう。少額でのプロジェクト実行をすることで、早めに目標額達成ができ、人気プロジェクトとして広報的にも効果が出る可能性があります。
4. プロジェクトページを作成する
クラウドファンディングに挑戦する目的と理由を伝えるために必要なのが、プラットフォームに掲載するプロジェクトページです。プロジェクトの魅力を最大限に伝え、1人でも多くの人から支援してもらうために、必要なものがいくつかあります。
- クラウドファンディングを実行する明確な目的: 「〜を実現するための○○プロジェクト」など
- 画像や動画 : プロジェクトのイメージや未来予想図を視覚的に伝える素材。
- プロジェクトの説明文:プロジェクトの目的と、実行者についてストーリー化し、共感を得られる文章。
- リターンの設計: 支援者が価値を感じ、支援につながる見返りとしての商品やサービス。
説明文や画像などは、プロの手を借りることが理想です。自分で撮影した写真、デザインした画像を利用することもできますが、副業や週末起業というビジネス目的であれば、ここは初期投資としてプロに依頼した方が良いでしょう。説明文も、文章のプロに依頼したり、AI を活用するなどした方が、実行者の目的や想いが読み手にしっかり伝わります。
リターンに関する詳しい説明は、以下をご参考ください。
5. プロジェクトの告知と支援者集め
プラットフォーム上に、プロジェクトページを作り、審査が下りたら、いよいよ支援募集開始です。プロジェクトページが出来たら、たくさんの人に見てもらえるように告知をしていきましょう。
本業に差支えが無い告知活動としては、直接、友人知人に会ってプロジェクトページの案内をすることがおススメです。電話やメール、LINE などの SNS を介したメッセージでの案内も必要です。
副業や週末起業することを隠す必要が無ければ、SNS を中心に、対面でもしっかりと声かけして、1人でも多くの応援してくれる仲間を増やすことが、クラウドファンディングの成功には重要です。
- SNS の活用 : X(旧 Twitter)や Instagram などで活動用アカウントを作り、広く発信。
- 職場や友人への告知: できるだけ直接会って案内する。初期の支援者を確保、実行者の信頼感を高める。
SNS での告知活動については、以下の記事をご参考ください。
【重要】成功するには過去事例から成功失敗の両方を学ぶべし
クラウドファンディング実行の大きなリスクとして、失敗する可能性があります。実際、クラウドファンディングの達成率は、全体の3割程度だと言われています。3人に1人しか成功しないというリスクがあるわけです。
スバキリ商店では、プロデュースしたプロジェクトの6割以上が目標達成しています。ここでは、起業や副業参考となる過去のプロジェクトを成功事例として紹介したうえで、事例から学ぶ重要性についても解説します。
週末起業したい人に参考となる成功事例
週末起業をしたい人に参考となる事例として、スバキリ商店がプロデュースしたプロジェクトから3つ紹介します。
副業から独立した在宅ワークの出版成功事例
今、個人で独立している人でも、最初はみんな未経験からのスタートです。
このプロジェクトの実行者は、副業として事務系のお仕事を請け負った実体験から、在宅ワークについて一目でわかる本を出版するために、クラウドファンディングを実行。
自分にとって、「こんな事、誰にでもできる」と思っていることが、副業や週末起業のきっかけになるという実行者の体験は、とても参考になります。
たとえば、PC作業であれば、クラウドワークスやランサーズなどのインターネットを介して業務を依頼する登録制ビジネスマッチングサイトにも多数募集されています。それ以外でも、趣味の手芸などで頼まれたものを作る、料理を教えるなども、自分のスキルを価値として提供できる一つの形です。
書籍を出版する=専門家としての信用として、世間では評価されます。電子書籍なら、AIを活用して手軽に出版もできます。専門的なスキルでなくても、表計算やスケジュール管理などのノウハウをクラウドファンディングを活用して出版することも、副業や週末起業への後押しになります。
地方都市で起業した自然食品店の成功事例
次に紹介するのは、公務員から独立起業した姉妹が実行した、地方都市での店舗出店プロジェクトです。
前職で、食の大切さを実感した実行者が、地元にこんなお店が欲しいという思いから起業した事例です。
量り売り、という形は、週末にあちこちで開催されているマルシェと呼ばれるイベント出店でも活用できますし、食材以外でも雑貨や洗剤などで応用できる方法です。
健康や環境に優しい商品を取り扱いたい人は、副業として「量り売りのイベント出店」から試しにやってみてはいかがでしょうか。
自分の出産体験を活かしたプロジェクト事例
出産や育児など、女性が働く上で大きな出来事で体験したことを共有する。これも、副業や週末起業につながります。
このプロジェクトでは、緊急入院という予期せぬ出産経験をした実行者が本当に困っているときに相談できる環境を作りたいという目的で実行されました。
妊娠出産に限らず、「こんなときどうすればいいかわからない」と途方に暮れた経験がある人は多いと思います。
その経験を、note などでブログ記事を販売したり、月額制のオンラインサロンという形で共有するという副業や週末起業もあります。経験者にしか知り得ない情報は、価値です。教えることはできなくても、アドバイスや経験を伝えて寄り添える。そんな働き方も世の中には、たくさんあります。
ちなみに、クラウドファンディングのプラットフォームでは、月額支援型とよばれる有料コミュニティ運営もできます。クラウドファンディングを実行したあとで、支援者に向けた有料コミュニティを作るということもできるのです。
過去事例から学ぶことが重要
一方で、失敗する事例が起きるのは何故でしょう。SNS フォロワーが数万人いる実行者でも、クラウドファンディングに失敗するケースはたくさんあります。
その一つの理由として、目標金額を高く設定しすぎた事例はかなり多いです。リターンが高額過ぎるなど支援者目線での計画不足や共感を得られる内容として不十分など、失敗にはさまざまな理由が考えられます。
プラットフォーム上には、たくさんの過去事例があります。自分の挑戦するジャンルでプロジェクトを検索してみると、いろんなプロジェクトを見ることが出来ます。
第三者から見て「これはちょっと」と思う事例に出逢うかもしれません。過去事例の研究方法として、他人のプロジェクトを見て、どの部分に対して「これは支援したいかも」「これはちょっと」と思うかチェックしてみることをお勧めします。
支援者目線で、過去の事例を見て、何故このプロジェクトを支援したくなるかを考えることは、失敗しないプロジェクト運営には必要です。支援したくなる理由がわかれば、それをそのまま自分のプロジェクトに活用しましょう。
クラウドファンディングの成功には、やり方などの具体的なノウハウ以外に、普段の人間関係が重要でもあります。こちらの記事もご参考ください。
クラウドファンディングで得られる「お金以外の価値」3つ
クラウドファンディングは単なる資金調達手段ではありません。プロジェクトを実行することで、お金以外の価値を得ることが出来ます。お金以外の価値とは、以下の3つです。
- 支援者とのつながり: 活動の初期段階から理解してくれる人を集め、長期的なビジネス基盤を作る。
- 活動への反応や評価をテスト: 世の中のニーズを知り、活動内容や商品、サービスの改善に活かせる。
- 自己信頼と自己成長: プロジェクトを実行することで、自信や自己信頼を高め、成長する機会になる。
お金と人を同時に集めることが出来る。これこそ、クラウドファンディングを実行する最大のメリットです。
仮に、目標達成しなかったとしても、支援されることへのありがたみや応援してくれた人を大切にする関係性などの貴重な自己成長の機会になります。反響から改善する点が見つかれば、自分の進む方向性も見えてくるでしょう。
まとめ クラウドファンディング挑戦は、未来に向かう「はじめの一歩」
クラウドファンディングに挑戦することは、未来に進むための「はじめの一歩」です。副業も週末起業も行動しなければ、始められません。最初から上手く行かなくても、まず行動してみること。それが、自分が望む未来へとつながるのです。
本業をしながら、副業やスタートアップに挑戦するのはハードルが高いように思われるかもしれません。しかし、クラウドファンディングを活用すれば、低リスクで夢を形にすることが可能です。
あなたの経験やスキル、思い描くアイデアが多くの共感を集め、プロジェクトを成功へと導く可能性は無限大です。しかし、それも誰かに「これどう思う?」と提案しなければ、始まりません。
あなたの「やってみたい」という週末起業への挑戦を、クラウドファンディングで誰かに提案してみませんか?
クラウドファンディングは、自分の「やりたいこと」「叶えたいこと」を他人に提案することが出来る手段です。
スバキリ商店は、クラウドファンディングに挑戦したい人を応援します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
スバキリ商店はクラウドファンディングで週末起業や副業に挑戦する人を応援します
スバキリ商店は、2024年12月にプロデュースしたクラウドファンディング件数累計1300件を超えることができました。その多くが、個人による実行です。
お店を始める、スクール運営をする、本を出版する。
これらは、週末起業や副業を考えている人が思い描く独立した未来の形だと思います。そして、プロジェクトを実行する目的としても多い内容でもあります。
クラウドファンディングについて、全くわからなくても、大丈夫。スバキリ商店は、豊富な実例からしっかりとサポートします。
まずは、毎月無料で開催しているクラウドファンディング活用セミナーへご参加ください。週末起業から独立に向けた未来予想図を現実にするヒントが手に入るかもしれません。